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フィールドボス戦の決着

「さぁ、食らうがいい!我が下僕の最大火力を!レックス、『帝竜王技ていりゅうおうぎ灼熱熱線バーニング・レイ』!アルマ、『結晶爆撃(クリスタル・ミサイル)』!!」

『ガアアアアアア!!』

『ブオオオオオオ!!』


ダイノキング達の攻撃準備が整ったので、その様子を見ようと目を向けた。


そこには、レックスの口内に光が集まり、アルマの周辺の土から紫色のクリスタルが出現して、ブラックグリズリー目掛けて照準を構えていた。


な、なんか胸熱な展開になりそうな予感…!


『グウウ…!グオオオオ…!!』


…ん、あれ?なんか、ブラックグリズリーも口ん中に光…いやさ闇を集めてない?


え、まさか?まさかまさかなのか?“アレ”か?“アレ”を拝めるのか!?


「よーい、放て!!」


キュィィィィ―――!カッ!!

キィィィィン―――!キュピィン!!

ズゴゴゴゴゴ―――!ブゥン!


豪ッッ!!


ズゴオオオオオオ―――――――!!


「う、うおおおおおおおおお!?」


レックスが光線を放ち!アルマがクリスタルを射出して!ブラックグリズリーが闇の光線でそれに応戦!!

なんだこれ特撮か!?仮面セイバー1号が大興奮しそうな瞬間だな!!


『ゴオオオオオ!』

「あ、でもブラックグリズリーの方が押してる!?」


おい嘘だろ!?八雲もそうだが、レックスだってシークレット召喚で出現した特殊個体!そこらのモンスターなんかじゃ歯が立たないくらいの実力の筈だぞ!?それを拮抗どころか、ブラックグリズリーの方が勝ちそうになってる!

そして、レックス達の攻撃が弱まりそうになってる!スタミナが尽きそうなのか!?


流石はフィールドボス…!一筋縄じゃ行かないという事か!

なら、こっちもやる事は一つ!


「すこちゃん様、全員にバフをくれ!!八雲、鬼銃!俺達の最大火力で応戦するぞ!」

「あぁ…!初めて味わった痛みの感覚のお返しをしなきゃだねえ!!」

「にゃん!」

『Leave it to me, Lord! I'll give you one hard blow!』

【任せな主!一発キツイの、食らわしてやる!】


すこちゃん様のバフが、全員に行き渡る。


「おぉ、助かったぞ雨天!」

「お前もなんか攻撃しろ!火力だ火力!」

「任せろ!我が渾身の一撃を味わわせてやる!」


俺は妖怪変化を行い、唐傘お化けの姿へと変貌する。

八雲もまた、ヤマタノオロチの姿となって、攻撃準備に取り掛かる。


『You did a great job earlier. In return, I'll give you this as a gift!』

【さっきはよくもやってくれたな。お返しに、これをプレゼントだ!】


鬼銃が拳銃の弾を交換し、ブラックグリズリーに放つ。弾が命中すると、ブラックグリズリーに黒い靄のようなものがかかり始めた!そして、闇の光線の出力が目に見えて弱まっている!


『『Dark mist』.Don't let this make you weak! Fu○k!』

【『ダークミスト』。これで弱くなりな!ファッ○ュー!】


どうやら、悪魔だけが使える魔法とは似て異なる力、“魔術”によるデバフのようだ!お陰でこっち側の火力が優勢になっている!これならいけそうだ!


「さぁ、レベルアップした性能を見せてやる!」


あの三下リーダー格によるレベリングによってパワーアップした、俺の新たな『秘妖術』の力を見よってな!

奥義を発動させて、全身に水を纏わせる。そしてそれを頭のてっぺんに集中させていき…一気に放出する!これが新たなる新技!名付けて!


「『唐傘奥義:激流傘山げきりゅうかさん』!」

ブシュウウウウ―――――!!


圧縮した水のレーザーをぶっ放して、光線にぶつける!ぐおおお結構体力持っていかれる…!


『八岐王技:弐ノ蛇(ニノヘビ)…!王蛇ノ涙(オウジャノナミダ)!』

『Lots of flavor!『Red cannon』!』

【たっぷり味わいな!『レッド・キャノン』!】

「我が一撃、受けよ!これが、我が槍術と魔法の合体技!『電光雷槍ライトニングスラスト』ォ!!」


俺に続いて、八雲が瞳から俺と同じような水の高圧力レーザーを。鬼銃が、どこから取り出したのか、昔懐かしい火縄銃を使って、紅い弾丸を。

そしてダイノキングが、槍状の電撃の射出!


いっけぇえええええええええええ!!


ゴゴゴゴ…!

『グオ、オ…!』

ゴ、ゴ……!


ドゴォオオオオオオオン!!!


よっしゃー!押し返したぁ!!そんで全弾、ブラックグリズリーに命中ぅ!!!

そんで…!!?


『グ、ォォ…』

ズ、ズー…ン……


ブラックグリズリーは…力なく、前のめりに倒れていき…その体を粒子状にして散っていった。そしてその場には、ブラックグリズリーの素材が…!!


『ブラックグリズリーの毛皮、ブラックグリズリーの爪、ブラックグリズリーの牙、ブラックグリズリーの肉、ブラックグリズリーの脂、ブラックグリズリーの魔石を手に入れた!!』


…つまり!!


「「やったあああああああああああ!!勝ったぁあああああああああああああああああ!!!」」

「やったねぇ我等が王よ!」

「にゃおーん!」

『Well done! It was a great collaboration!』

【お見事!素晴らしい連携だったねぇ!】

「当然だ」

『ブモオオ!』


ダイノキング達と皆で、抱き合いながら喜んだ!そりゃあねえ!格上相手に勝てたんだから!嬉しくない訳がない!!やってやったんだ、俺等!!


ただ、ちょっと問題を上げるとすれば…。


「これ絶対正規の倒し方じゃないし、ゴリ押しすぎて終盤ただの大怪獣バトルになっただけっていうね!!!」

「それな!!!」


まぁ、勝てたからヨシ!!結果良ければ全て問題なし!!今は勝利を祝おう!!



「「「イェーーーーーーーーーーイ!!」」」

「にゃーん!」

『ブモオオオオ!』

『Congratulations, lords!』

【おめでとう、主たちよ!】

結局ゴリ押しが最強なんだよね。

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