フラグ回収!初めてのフィールドボス戦
皆様、いかがお過ごしでしょうか。私は今……。
『ゴオオオオオオオオ!!!』
「「ぎゃーーーー!!?」」
…ダイノキングと共に、フィールドボスから逃げております。
【トラベル森林BOSS.ブラックグリズリー Lv.20】
ブラックグリズリー。体長5メートルくらいの大きさを誇る、トラベル森林のボス。名前の通り、黒い毛並みが特徴的な、凶悪モンスター。そんでとんでもない剛力の持ち主。
そんな奴がどうして……!!
「なんで森の中入ってすぐにフィールドボスと遭遇しなきゃならんのだぁー!!」
「徘徊型のボスとは聞いていたが、最深部周辺だけって聞いてたんだが!?だが!!?」
「じゃー今後ろで追いかけてくるあの化け物は何なんだよ!?」
「あの野郎いつかぜってぇぶっ殺す!!!兎に角、ここじゃ地形的に不利だ!もう少し開けた場所で戦うぞ!!」
という感じで、絶賛逃走中です…!俺や八雲達だけならまぁ、木々を盾にしながら立ちまわったりなんかは出来なくはないかもだが…ダイノキング達がいるとなると、話は別になってくるんだよなぁ!
「チッ、なんで逃げなきゃなんねえんだよ。さっさとぶっ殺しゃいいだけじゃねえか!」
「分かってないなぁ先輩は。だから脳筋だとか馬鹿とか言われるんだよ?」
「うるっせぇな貧乳!」
「なんだとぉ!?」
「「喧嘩するなこんな時に!?」」
レックスの気持ちは分かるが、地形的にもう少し暴れるの待ってくれない!?あと、八雲は貧乳でも巨乳でも、可愛いから問題ないよ!
「む、着いた!」
ダイノキングと共にたどり着いたのは、“ボスエリア”。
巨大な樹木を中心にある、広いエリアだ。
フィールドボスは、基本的にはこのエリアで待ち構えている。あくまで“基本的には”。今回みたいなケースは普通にあったりもするから、まぁ…はい…。
そして、ボスエリアの特徴が一つ。
『一度足を踏み入れたら、ボスを倒すか倒されるかしないと、絶対に出る事は出来ない』事。
だから、俺達はここで、ブラックグリズリーを倒さなきゃならないのだ…!自分達のレベルの倍以上はある存在に対して、二人と召喚モンスターだけで!
『グルルル…!!』
「さぁーて、ここまで来たらもう後には引けない。どう出る?盟友」
「普通に行くとするなら…俺と八雲、すこちゃん様と鬼銃で奴を翻弄。その間に、お前が最大火力で屠る…みたいな戦法じゃないか?」
「成程な!その案で行こう!では、少しの間時間を稼いでくれ!チャージに時間がかかるからな!」
「任された。よし、じゃあ…すこちゃん様!」
「にゃう!にゃおーん!」
すこちゃん様が叫ぶと、俺達の周りを一瞬、暖かい光のエフェクトが現れた。その次には、体中からやる気がみなぎって来た!
「おぉ、力が湧いてきた!そうか、お前のその猫は支援系か!」
「そーゆーこった!あとすこちゃん様な?」
「まぁ良いではないか!では、ゆくぞ!」
「あぁ!行くぞ!八雲、すこちゃん様、鬼銃!」
「任されたよ!」
「にゃう!」
『Now, let's start the war!』
【さぁ、開戦だ!】
ブラックグリズリーが立ち上がり、その巨体を活かしたボディプレスを仕掛けてきたので、それを避けると共に全員散開。
俺達はひたすら、ダイノキング達の攻撃が通るよう、邪魔をしていくだけだ!
「『水妖術:水刃』!」
『グゥ…!』
うーん、理解はしていたが…!ダメージは通ってなさそうだな!虫を追い払うような仕草をしながら、こっちを睨んでくる!めっちゃ怖い!
だからここは、逃げる!
『ガアァ――!』
「うるさいよ熊公!」
『ゴウッ!?』
おぉ、ナイスだ八雲!良い蹴り!
『グウウ…!グワゥ!』
「えっ、ちょ、キャア!?」
「えぇ!?」
ちょ、八雲を一瞬で捕まえて投げ飛ばした!?瞬発力エグない!?というか、八雲が反応出来ない速度なの!?
『Go to hell!』
【地獄に堕ちな熊公!】
BANG!BANG!BANG!
そのまま八雲に追撃しようとしたブラックグリズリーを、鬼銃がそうはさせまいと攻撃を仕掛ける。持っていた拳銃をブっ放すが…俺と同様、あんまりダメージが無さそうな雰囲気…!
『グウウ…!ゴォウ!』
ズオォ…!ビュン!
『What, argh!』
【何っ、ぐわぁ!】
「うわったった!?」
くそ、闇魔法で攻撃してきやがった!あれは確か…『ダークランス』!攻撃力の高い闇魔法だった筈だ!
「鬼銃、大丈夫か!?」
『It hurts...Ah, you're safe, Lord!』
【痛たた…あぁ、無事だ主よ!】
おぉ、良かった!どうやら、すこちゃん様のバフのお陰もあって、ある程度の防御力はあったみたいだな!
「よし、準備は整った!ゆくぞ者共!出会え出会えぇい!」
「よっしゃ!行くぞォオオオオオオオオ!!!』
『ブオオオオオ!!』
おぉ、恐竜軍団が遂に仕掛けるか!どんな攻撃をしていくんだ!?