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イベント開始

「はい、じゃあ皆お疲れ様。今日で期末テスト終了だよ」

『よっしゃあああああああああああああああ!!!』


大怪獣バトル一歩手前騒動から数日が経過した。

こっぴどく怒られたよね、本当に。稲葉はブチ切れたら、本当に鬼のように攻めてくるからなぁ…。まぁ今回は俺にも落ち度はあったから、反論はしないで、そのまま反省したよ流石に。


とまぁ、そんな珍事件からあっという間に、夏の期末テストがやって来た。そしてたった今終了した。

まぁ?俺は優等生の部類には入るから?正直中の上くらいは余裕なんだよな~!


「で、そこで落ち込んでるダークエルフは、自己採点どんな感じよ?」

「今すぐこの世からテストという文化自体滅んでくれねぇかな…」

「そ、そこまで…?」


お前、【AO】入手前のあのやる気を思い出せよ…!

あの時のお前、俺に煽りを入れてくる程頑張ってたじゃないか…!


「やっほー!お二人さ~ん!」

「一緒に帰ろうよ、二人共」

「あ、石森、熊川さん。ちょいと待っててな、今こいつ叩き起こすから。おら起きろ!」

「うげぇ…」


うーん、本当に大ダメージだなこれ。そこまで自信を失われて……あ、そうだ。


「おら、今日から【AO】のイベントが始まるだろーが。そこでウジウジして…あれ?」


いない。忽然と消えた、と言ったら正しいのか?さっきまで目の前にいたのに…。


「おいお前ら何そこでボーっとしてんだよ!早く帰って【AO】すんぞォ!!」

「…いつの間に」

「わぁ~、俊足だあ。陸上狙えるかもねぇ」

「そういう問題かなぁ…?」


…まぁ、元気になったんなら結果オーライ…か、なぁ…?



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『ようこそ!【Alternative Online】へ!』


「やぁやぁ、我等が王よ!トラベラーでは今、お祭り騒ぎみたいだよ♪」

「にゃ~ぅ!」

「よーよー二人共~!」


終わらせる用事も粗方終わらせて、早速ログイン。


今日からイベントがスタートという事もあるからか、トラベラーは人がとても多い!そして…。


「おぉ、悪魔だの天使だのが確かにいる!」

「異形の存在だったり、動物みたいなのだったり…。色々と種類がいるんだねぇ」

「な~ぅ」


そう、プレイヤーの傍には見慣れない存在がいた。今回のイベントの目玉とも言える存在、天使と悪魔だ。


オーソドックスなタイプなのもいれば、動物みたいなのだったり、武器っぽい見た目なのだったり…中には、お前本当に天使?悪魔?って見た目の奴がいた。

羽ですぐに分かる、とは言え、一瞬脳がバグる。


おっと、当然俺も、悪魔やら天使やらを召喚する事を忘れていた。

すぐにステータス画面を開いて、上の方にあるメールボタンを押す。



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【イベント情報!】

宛名:【Alternative Online本部】


本日より、【天使と悪魔の天獄戦争】を開催します!

それを記念しまして、プレイヤーの皆様に【特殊召喚石】をお送りします。


どちらの陣営を応援するか、プレイヤーの皆様次第です!

これからも、【Alternative Online】をお楽しみください。



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メールを閉じると同時に、手のひら大の大きさの宝石が、手の中に納まった。黒と白、交互に光り輝いている宝石で、とても綺麗だ。


「さーて、それじゃあ…ん?」


本当は無視しようか…と思ったりしたが、俺にとっては最初のイベントだ。折角なら楽しもうという思いで、召喚しようかと思ったが……なんか、周りから視線を感じる…!


「アイツ、例の大怪獣バトルを勃発させようとした奴の片割れじゃね?」

「あぁ、あのレイ○ニクス的な」

「またなんかヤベーのを召喚したりすんのかな?」

ざわ…ざわ…


………うーん、色んな意味で目立ってるみたい!

しょうがない、トラベル草原で召喚を試みるとしよう。今ならそんなに人もいないだろ。


「いけ、ゴルフェ!」

「行きなさい、エージュ!」


んな事はなかった。


トラベル草原では、天使陣営と悪魔陣営によるPvPが、絶賛行われ中でした。

そういえば今回のイベント、元々そんな感じでしたもんね。天使か悪魔、勝つのはどいつだ!?みたいなね。


「どうするんだい?我等が王よ。ここでは狭そうだが…」

「…トラベル鉱山行ってみようか」


ワンチャンを賭けて、トラベル鉱山へ。


そして狙い通り、人はいなかった。やったね!


「さて、じゃあ早速召喚していくとしよう!」

「良いのかい?我等が王よ。王は妖怪だけの軍団を作り出すのが『野望』なのだろう?」

「………イベントには、参加したいし…!」


こっちだって、言われる前から散々悩みましたよ…!でもしょうがないじゃない!参加したいもんはしたいもん!


「だからもう、博打覚悟で召喚する!召喚するは鬼系の悪魔!それ以外の選択肢はない!!」

「おぉ、やる気だねぇ!因みに失敗したらどうするんだい?」

「………数日は寝込むかな」

「絶対に当ててほしいねえ!」

「にゃーう!!」


すこちゃん様からも、絶対に召喚するよう念押しされた。そこまでして俺といたいのか、愛い奴らめ!


だが、うーん……このまま普通にやったら、多分普通に、トラベラーで見た奴みたいになるだろう…。


という事で、考えました!


「こちらに用意しましたは、お札!」

「お札?あぁ、もしかして我等が王よ。我等を喚び出した時と同じような事をするのだね?」

「そういう事!」


という事で、早速血文字で“百鬼夜行”っと。……ついでに“鬼”って文字も追加しよう。頼むからこれで出てくれ。


いや、俺としては是非とも妖怪を召喚してほしい所ではあるけどさ。ぶっちゃけね、本当にギリギリのラインとして、西洋系モンスターとかならまだ妥協できるんだよね!吸血鬼とか、狼男とか!

何故なら、あいつ等も広い意味で言えば“妖怪”になる訳だから!外国での言い方がモンスターなだけで、ジャパン風に言えば妖怪な訳だし!


という事で出てきてくれよマジで!


「さて、ではこの血文字で書いたお札の上に特殊召喚石を置いて…!」


早速召喚と行こうか!


『召喚を実行しますか? YES/NO』


あ、こういう感じか。まぁ……しぶしぶ、しぶしぶ!YESを押す!


『どちらの陣営を召喚しますか? 天使/悪魔』


あぁんもう焦らしてくるなぁ!!悪魔で!!


『召喚を開始します!』


あ、召喚詠唱無し?あぁー、まぁそうか。召喚するのは召喚士だけじゃないからな。誰でも出来るようにしてるといえば納得が……おぉ?


「おぉ!我等が王よ!特殊召喚石とやらが()()()()()()()()()()!」

「ふにゃーぉ!!」


召喚が開始されたと同時に、特殊召喚石がお札を吸収。独りでに宙に浮きだしたと思ったら、黒い魔法陣を自身を中心に展開し、黒く輝き始めた!


うっそマジで!?まさかこれ、あるのか!?本当にあるのか!!?



『Heeeeeeeeeeeelloooooooooooooo!!!!』



ん、英語!?


ボンッ!!


「うぉっ!?」

「おぉっ!」

「んにゃ!?」


突然、目の前で特殊召喚石が爆発!煙が辺りを覆い始めると、その中から…


『Hi Hi Lord, hello! Or good evening?From today onwards, I'll be your personal devil, a name-unknown! I look forward to your continued support!』


……赤肌で、額から二本の角が生え。

忍者なのか、ガンマンなのか…なんか二つの職業が着ているような服をマッチングさせたかのような服を着た、英語をベラベラ喋りまくるイケメンが現れた。


…………ふぅー。よーし、一旦落ち着こう。深く深呼吸~……。

…よし、落ち着いた。では…。





「属性過多すぎて頭痛くなってきたししない筈の胃痛がしてきたんだが!?!?!?!?!?!?!?!?!?!」

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