52:樹林回廊下層-2
「さて、早いところ回収しようか。」
スケルトンたちとの戦いを終えた俺は身体の昂りを抑えると、剥ぎ取り用ナイフを取り出してスケルトンたちの体を突いていく。
ただまあ、スケルトンのドロップはこんな感じでよく分からないものが多い。
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骨クズ レア度:1 重量:1
骨が砕けて欠片と粉になった物。僅かだが邪気の様なものを感じる。
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壊れた武具の破片 レア度:1 重量:1
壊れた武器の欠片。質も形もばらばらであるが、もしかしたら何かに使えるかもしれない。
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邪念の欠片 レア度:2 重量:1
アンデッドの持つ生者に対する邪念が結晶化したもの。取り込まれない様、扱いには注意を払う必要がある。
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ちなみに持っている武器によって落とすアイテムが変化したりはしない。持っている武器が変わってもスケルトンはスケルトン。という事なのだろう。
まあ、スカルヘッドも壊れた武具の破片が邪念の鬼火っていう別アイテムにドロップが変わるだけだから骨系アンデッドは……と、言うべきなのかもしれないが。
「さて、次がポップする前に出口を見つけないとな。」
そしてスケルトンから素材を剥ぎ取った俺はその場から急いで離れた。
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「うーん。ここが最東端なんだけどな……。」
俺は悩んでいた。
というのもあの後戦闘に関しては上手く身を隠す事によって防ぐことが出来ていたのだが、出口が一向に見当たらず、結局最東端まで来てしまった。だが最東端にも出口は無い。
さすがに脱出不可能と言うのはゲームとして成り立たないのでありえないと思うが、最東端に出口が無いとするならば後はそこら辺に生えている樹を一本一本確認していくしかない気がする。
「まあ、地道に探すしかないか。」
俺は方針を改めると注意深く周囲の匂いを探りつつ出口を探し始めた。
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「やっと見つけた……」
最東端に辿り着いてから1,2時間後。
俺は何とか上に登る道が付いた樹を見つけていた。
ここに至るまでの戦闘回数は3回。いずれもスケルトンの集団で、一番危うい時などHPゲージが赤に突入することもあった。
というか、棒・片手槍×2・両手槍・戟の超防御型スケルトンPTとかふざけんな。全体として動きが遅い組み合わせだから逃げられたけど、攻撃しようと思ったらどの方向から仕掛けても確定で返されるとか凶悪極まりねえぞ!
後、弓×2・弩×2・鞭とかもかんべんな!接近する暇もなく攻撃が乱れ飛んできて一瞬で蒸発するかと思ったぜ!
とまあ、そんな愚痴をこぼしつつ、この場で光源として使われている光るキノコ(一応食用。何に使うのかはまだ不明。)も回収した所で俺はゆっくりと見つけた道を登り始める。
俺が見つけた道は樹の中をくりぬくように造られた螺旋階段型の道であり中は、セーフティポイント仕様になっていた。
うんまあ、こんなところで戦闘になるとか流石にダレるからな。分からなくもない。
そして、20分ほどだろうか。ゆっくりと階段を上がっていくとやがて広間に出る。と同時に周囲の空気が大きく変わる。どうやら樹林回廊の上層部に戻って来たらしい。
俺は広間に唯一開けられている穴に向かって歩く。
穴の先は急な坂道になっており、一歩踏み出せば勢いよく滑っていってこの枝の先にある別の樹の広間に移動できるだろう。
「行くか。」
俺は穴の先に足を踏み出してサーフィンの様にバランスを取りつつ滑っていく。
しばらく滑るとやがて目の前に別の樹の広間が見えてくる。
「よっと……ここは……」
そして俺は広間に綺麗に着地する。
と同時に≪方向感覚≫で東がどっちかを確認しようとして、俺は目の前の広間に見覚えがある事に気づく。
目の前の広間。それは樹林回廊最初の樹の幹の中に作られた広間だった。
「ははっ……帰って来たんだな。と、油断は禁物だな。」
俺は一瞬気を抜くがすぐにここでスレッドモスと戦ったことを思い出して気を引き締め直す。
その後俺は神殿がどちらにあるかを確認するとその方向に伸びる枝を歩き出していく。
そして俺は樹林回廊から狩猟神の神殿へと帰還を果たした。
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Name:ヤタ
Skill:≪メイスマスタリー≫Lv.11 ≪メイス職人≫Lv.6 ≪握力強化≫Lv.8 ≪掴み≫Lv.9 ≪投擲≫Lv.9 ≪噛みつき≫Lv.9 ≪鉄の胃袋≫Lv.5 ≪筋力強化≫Lv.7 ≪嗅覚識別≫Lv.7 ≪大声≫Lv.7 ≪嗅覚強化≫Lv.5 ≪方向感覚≫Lv.5
控え:≪酒職人≫Lv.6
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レアアイテム:狩猟神の蜜月 Get!
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ヤタの言っていた編成は本当に凶悪です。油断しているとPTで挑んでも返り討ちにあいます。