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23話 依頼開始 

ブックマーク300件突破しました(*´ω `*)

有難うございます♪

 俺がギルドに戻るとギャズ達は少し前とは打って変わって真剣な表情で装備の点検のような事を始めていた。



 ギャズのパーティーは4人構成で男2人、女2人で男女比のバランスが良いという印象をまず持った。

 得物は見た感じ、ギャズがハルバード、ギャズではない男が片手剣に盾といった装備。



 そして女性の方は弓使いのような人が1人、加えて魔法使いなのか、杖にローブを装備していた女性が1人といった感じだった。



 見た目からして1人の女性は20後半だと分かったが、もう1人はどう見ても10代後半くらいだった。



 30程度のオッサンと10代後半の女の子。

 わーお、犯罪臭がプンプンするよ。



 外見だけ知る事が出来ただけで、俺はギャズのパーティーメンバーにはとことん嫌われているらしく、名前すら教えてもらっていない。



 ま、貧弱そうな貴族の餓鬼が急にパーティーに入るっていう事を許容出来ないというのは俺も逆の立場だったら場合、同じ対応をしていただろうから文句を言うつもりはないが、そんなパーティーの反対を押し切ってまで俺を加えてくれたギャズに報いる為にも頑張らせて貰うッ!!



「やぁ、ギャズ。僕の用事はもう済んだよ。声を掛けてくれればいつでもいける」



「ん、そうか。なら、もう出発するか!! だがユウ。お前はそんな華美な服で行くのか? 動きにくいだろう?」



 怪訝な顔をさせてギャズが俺の服について指摘した事で俺はあぁ、そういえばそうだったと思い出し、呟いた。直後、俺はヴェロニア家の家紋が刺繍された服を脱いだ。そしてその下に着ていた外にでる際に決まって着用していた黒一色のTシャツが姿を現した。



 着ていた服は受付嬢へ押しつけるように「これ預かってて!」と口にしてカウンターの上に置き、点検のような事が終わったのか、武器を背負うなり何なりしてギャズがパーティーメンバーを連れてギルドを後にしようとしていたので慌てて続くように駆け足で後をついていった。





 街の入り口辺りまで歩くと4~5人用の馬車が用意されており、ギャズが「あれに乗るぞ」と口にした事で俺はあれに乗って向かうのかと理解する。



 そして、ギルドを出てから一度も口を開かないパーティーメンバー達は時々俺を一瞥をする事で「ギャズに自分から行かない」と言えと訴えかけているのだろうが、リファとの同棲生活の為になら俺は何だって犠牲に出来るのさ!!


 

 貴族のプライド? そんなもん元々持ち合わせちゃいなかったし、そんなもんは犬に食わせてしまえ!!



 御者はどうやらギャズがやるようで、荷台のような場所で自分を好ましく思っていない3人との無言タイムが始まるのかと思うと少々憂鬱になってしまった。



 そして俺達は次々に馬車へ乗り込み、リザードマン討伐に向かった。


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