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旧地球 異能学園に関する報告書 100話記念

100話記念に真の主人公が!

 名称

 No.1"異能学園案内係"

 正式名称不明。以下No.1と記載


 対象方法

 放置


 概要

 No.1は異能学園に放置されていた直径一メートル程の球体ロボットで、かつて異能学園の案内用に使用されていました。


 調査隊αが異能学園へ立ち入った際に再起動し、調査隊αを複数の場所へ案内しました。


 その重要性から、現在も異能学園に放置されたままです。


 ◆


 名称

 ロケーション"忘れられた学園"

 正式名称

 伊能異能学園。以下異能学園と記載。


 対処方法

 調査中


 概要

  異能学園は"龍降臨"後に再調査された忘れられていた星、地球の日本と呼ばれていた国家に存在します。(地球、日本。この地名は共に調査後に判明)


 ■■■■■年に派遣された調査隊αが、惑星全体のスキャンを行ったところ、地球で唯一人工物が存在している地点を発見、現地にてこの異能学園を発見しました。


 調査隊が上空から偵察したところ、知的生命体は発見出来ませんでしたが、昼間は一定間隔ごとに鐘の音が鳴り、教室と思われる場所のライトがついており、夜になると消灯して正門は閉められます。


 調査隊が直接異能学園に入ると内部は驚くほど清潔で、経年の劣化や埃は見受けられませんでした。


 幾つかの部屋は全く違う様式であり非常に古めかしく、まるでその場所だけタイムスリップしたようになっています。


 学園長室

 一部の教室

 図書室

 一部の部室


 などが現在確認されています。


 現在なぜ異能学園だけが地球上で存在しているのか調査中です。




























































 ◆



 管理者権限を認証しました。

 当該資料の複製、または持ち出し、口頭での情報伝達等が発覚した場合、即座に消去措置の対象となります。



 ◆



 名称

 No.1"凄まじき、恐ろしき、黒き呪蜘蛛"

 正式名称不明。以下蜘蛛と記載。


 対処法

 完全不干渉


 概要

 蜘蛛は全長1メートルほどの、人智を超えた呪力で構成された蜘蛛型の呪詛で、調査隊の所持していた全ての計測器は振り切れました。


 その大きさは案内しやすい様にと変化したもので、本来は10メートルの大きさになると発言しています。


 蜘蛛は異能学園に足を踏み入れようとした調査隊αの前に、門の横に設置された像(後に金剛力士像という名称であることが判明)の影から湧き出るように現れました。蜘蛛はテレパシー能力を持つ隊員■■に話しかけ、自分は創造主である邪神によって異能学園の管理を任され、その業務の中には異能学園内の案内も含まれていると説明しました。


 何故そのようなことをしているか問うと、いつか異能でなければ解決しない事が起きた時、その対処のための知識を失伝しない様にするためだと返答されました。


 続けて、それならば学園全てを保存する必要はあるのかと問うと、ここがそのための学び舎として再稼働する事も選択肢の一つだと返答しました。


 邪神がこの地を保存している理由について、蜘蛛から回答はありませんでした。


 ここ最近誰かが訪れたか問うと、蜘蛛は人類が地球から巣立った後、この地に足を踏み入れた部外者は存在しないと返答しました。


 調査員が普段の業務について尋ねると、休んでいると返答されました。


 他に邪神の創造物はあるかと問うと、自分がその一番最初の創造物であるとのみ答えました。


 その後蜘蛛は、調査隊全員に部外者の見学は禁止であり、見学には許可証を携帯する必要があると述べ、調査隊αの隊長■■■■■■はこれを承諾。正門脇の撮影機で顔写真を撮った後、それを貼られた見学許可証を携帯して異能学園に立ち入りました。



 ◆



 ロケーション"花の壁"

 異能学園中央広場に存在する花に囲まれた壁。正式名称不明。


 以下、花の壁と記載。


 調査隊が最初に到着した名前のある場所、蜘蛛によるとかつて中央広場と呼ばれていた場所に、花に囲まれた壁は存在します。花の名称は現在調査中ですが、複数の花に囲まれた壁に一枚の写真が立てかけられています。


 蜘蛛から、この学園で最も強力な呪いが掛けられている場所の一つであり、接近は許可されていないと警告されました。


 調査員 ■■■■ の音声ログ


 ■■■■ 見たんです


 何をです?


 ■■■■ あの、あの花に囲まれた壁に立てかけられていた写真をです。


 どのような写真でした?


 ■■■■ 女が三人、男が二人の集合写真です。何かいいことがあったのか、全員目を細めて笑っていました。い、一番端のあいつ以外! いや、あいつも笑っていたはずなんだ! 最初見たときは間違いなくそうだった!


 そのあいつとは?


 ■■■■ な、なんだか一人だけ感じが違っていました。男で、頭に布を巻いて、ホイッスルを首から下げてました。


 それでその男は?


 ■■■■ き、き、気が付いたらじっとこっちを見てたんです! 笑顔だったはずなのに、無表情にじっと俺を! 目、目も、目も間違いなく動いてた! 間違いなく俺達を見てたんだ!


 ◆


 ロケーション"タイムスリップした場所"


 異能学園で最も古い様式の一部の場所について、蜘蛛から返答はありませんでした。


 異能学園学園長室 学園長竹崎重吾の名札

 一年から四年のA組教室。

 チーム【花弁の壁】と書かれた部室扉 蜘蛛から施錠されていると通達されました。この学園で最も、最も強く呪いで守られていると、特に念を押して警告されました。

 チーム【ゾンビーズ】と書かれた部室扉 蜘蛛から施錠されていると通達されました。

 図書室 その一角には 【一際面倒な連中の対処研究会】と書かれたホワイトボード。

 教員室の一部の机。


 現時点では以上の場所が確認されています。

















 多分蜘蛛は嘘をついている。案内したのはあそこを誰かに覚えていてほしいからで、学び舎として再稼働なんて考えてもいないはずだ。あれは、自分でも信じられない。あそこはきっとアルバムなんだ。ならどうして全部そうじゃないんだと言いたくなるだろうが、きっと全部戻したら最後の卒業生たちに申し訳ないから、特に思い入れのある場所だけ自分が通っていた時のモノに戻したんだ。本当に信じられない。一部だけとはいえ時間を巻き戻した化け物が、そんな事に配慮した事も含めて自分でも信じられない。

 ■■■■■




















 ■■■■■ちょっとまて、その最後の卒業生たちに申し訳ない云々だが、そもそも最後の卒業生は何年に卒業したんだ?

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