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私たちは人であることすら許されないのか。
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自国の王は支援を断った。
物価の安い私たちの国と、物価の高いこの国とでは、財布の中身が天と地の程も差があるらしい。
それでも勇者は必死に支援を申し出、断られ、温情を申し出、断られ、幾度も幾度もこの国と自国を行き来した。
そして出された二つの国での妥協案。
『僧侶、魔法使いの二人の身柄を売り渡す』
魔法が盛んなこの国では、私たちの存在は貴重らしい。
今後、定期的な魔物や魔法に関する資料の提出。及び、冒険が終わった際の身柄の所有権がこの国の出した条件であり、自国の王はその条件を飲んだ。
彼らにとって、私たちなど物でしかない事を理解した。
誰を恨めばいいのか。何を恨めばいいのか。
物に何かを恨む権利など無いのか。
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大量の物資を譲り受け、国を挙げてのパレード。
出立する私たちがここまでの扱いを受けたのは初めてかもしれない。
みんな、張り付いたような笑顔で民衆に手を振っている。
国を出ると、それまで笑顔だった王の兵たちは私たちを見もせずに引き返して行った。
私たちも彼らを見送ることなく、国を後にした。
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次に向かうのは英雄の国。
いくつもの街から英雄が集まる国。
幾度も魔物の進行を退けた最後の大国。
彼らは何を思い、誰のために戦っているのだろう。