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数日が経過したが、まだ勇者は戻らない。
魔法使いは視線を彷徨わせ、何も喋らずただ涙を流す。
戦士は魔法使いに何度も話しかけては頭を垂れる。
私は、そんな二人を虚ろな瞳で見つめ続けていた。
◆
頭の端によぎる、見捨てられたのではないかという考えを何度も打ち消す。
戦士と魔法使いは、人形のように無機質な顔でぼんやりとしている。
気が狂いそうだ。いや、もう既に狂っているのか。
何もわからない。
◆
どれほどの日が経ったのか、外が騒がしくなり、私たちは部屋から出され王の前へと引きずられるように連行された。
勇者の姿を見つけ、涙が溢れる。
だが、彼は憔悴しきっており、私たちを見てはくれない。
王から保釈を命じられた後、今までとは一転して豪華な部屋をあてがわれた。
部屋から出ようとしない勇者が気がかりだ。明日にでも話してみよう。