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 投獄されてすぐ、勇者への尋問が始まった。

 絶叫が響く中、隣の牢から魔法使いの怯える声が聞こえる。



     ◆



 尋問を受ける。


 何度殴られたかわからない。

 私達は女王を騙してなどいない。



     ◆



 尋問室へと連れて行かれた魔法使いの悲鳴がこだまする。

 勇者と戦士のいる牢からはうめき声だけが聞こえる。


 私も似たようなものだろう。



     ◆



 数日後、私たちの死罪が決定した。


 言い渡された罪状は、王族への詐称と戦争幇助。

 顔を赤くし怒り狂い、つばを撒き散らして私たちを罵倒する王の顔が印象的だった。


 王女と恋仲であった王の復讐。と聞けば綺麗なのかもしれない。

 実際に王が叫んでいたのは、王女の国との交易による損害ばかりであったが。


 これで尋問の日々が終わるのだと思うと、恐怖心よりも安堵の方が大きかったことを覚えている。



     ◆



 再度牢に入れられて三日目の深夜。

 外の喧騒が大きくなったかと思うと、慌てた顔で兵が飛び込んできた。

 どうやら魔物の襲撃があり、兵の数が足りないのだという。


 荷物を受け取り、外へと出された後、回復魔法や薬による手当を受ける。


 魔物の数は多く、街の被害は甚大なものになった。

 この戦いの中で私たちは多くの魔物を討ち取り、大罪人から一転して救国の英雄の扱いを受けることとなった。

 そしてこの日、この国の王は逃亡し、その道中に魔物に襲われ死亡したとも伝えられた。



     ◆



 こうして今、私たちは五つめの国を目指している。


 途中で出会った旅の商人からうわさ話を聞いた。

 あの国の王が死んだ為、今後は内乱が続くであろうこと。


 だが、最早私たちには関係の無いことだ。

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