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勇者と魔法使いが番をしていた際、野盗が現れたらしい。
相手は飢えていたのか、私と戦士が起きる前に苦も無く撃退できたとのこと。
だが、魔法使いは精神的に辛いようだ。
炎の魔法で焼いた相手の悲鳴が耳から離れないらしく、今は薬で眠らせている。
彼女を落ち着かせるのに必要なものは、神の言葉や祈りではなく、時間と人の作った薬だけだろう。
自分の存在意義を疑問に思う。
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二度目の野盗の襲撃。
相手は農民崩れなのか、クワやカマといった農具を手にし襲ってきた。
野盗を武器で殴りつけた時の感触が手から離れない。
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街が遠くに見えてきた。
今日中に辿りつけるだろう。
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街にたどり着き、王女からの紹介状を渡した後、私たちは投獄された。
その際にこの手帳も没収されたため、その期間のことを今から記そうと思う。