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早朝、兵に起こされ出国を命じられた。
理由を聞くも、私たちには知る権利は無いとだけ言われる。
少しでも信じた結果がこれだ。笑ってしまう。
まるで、囚人のような扱いで急き立てられるように船に押し込められた私たちの表情は、とても無機質なものだった。
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海向こうの国まで二日ほどだと船長に言われた。
船員たちはどこか余所余所しく、私たちも進んでは話そうと思わない。
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船酔いが辛い。陸が恋しい。
泣いている女王の夢を見た。
いつの日か、彼女の目的や涙の理由がわかる日が来るのだろうか。
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六つの大国のうちの四番目。海向こうの国へ到着した。
船は私たちを降ろすと、別れの言葉もなく去っていった。
これを書いている今も気分が悪い。今日は早く宿を取り眠ろう。