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この国の王がいるという港町へ到着した。
入国は実にあっさりと終わり、拍子抜けしてしまう。
宿に入り休んでいると、この国の兵が現れ、明日の謁見を命じてきた。
明るかったみんなの表情が一転して暗いものになる。
いつでもこの国から逃げられるように、荷物だけはまとめておこう。
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翌朝、兵によって案内された城は驚くほどに小さいものだった。
故郷の城どころか、砂漠の国の城よりも二回りは小さい。
更に、王の姿にも驚かされた。
私とそう歳の違わない女王。それがこの国の王。
謁見はあっさりと終わり、私たちは数日の滞在を許された。
何か裏があるように思えて仕方ない。
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街で食料や水、装備品を買い込んだ。
様々な人が行き交い、活気が凄い。目に映るものは珍しいものばかりだ。
買い物の際、いくつかの噂話を聞くことができた。
海向こうの国との交易により、この国は豊かであること。
女王は若くも思慮深く、民に慕われていること。
砂漠の国の物価が上がり、そこからの交易品が品薄になっていること。
次の目的地は海向こうの国になりそうだ。
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海向こうの国へは、どうやっても船で行くしかない事がわかった。
問題は、その為に必要な旅費だ。
路銀の余裕が無い私たちは、女王へと相談を持ちかけることにした。
せめて、旅費が貯まるまでの滞在を許されればいいのだが。
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長期の滞在は許されなかった。だが、事態は大きく変化する。
みんな戸惑うばかりだ。
女王の目的がわからない。