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食料が心もとない。
道すがら数種の魔物を倒し、食料に適した種を探す。
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朝から戦士が激しい嘔吐と下痢を繰り返す。
昼に食べた魔物が原因か。豚に似た外見に騙された。
解毒の魔法の効きが悪い。今夜は眠れなさそうだ。
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どうにか戦士は持ち直したものの、立つのもやっとという状態だ。
魔力を消費し過ぎたのか、頭痛が止まらない。
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気が付くと勇者の背に背負われていた。
どうやら私は倒れたらしい。
ぽつりと勇者が「ごめんな」と呟くように言った。
弱い自分が嫌でたまらない。
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私に続いて、戦士と魔法使いが倒れた。
私の旅はここで終わるのだろうか。
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勇者が単独で村まで向かった。
動けない私たちは、山で見つけた小さな洞穴で彼を待つ。
夜が怖い。
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指が震える。文字を書くのも辛い。
魔物の声が近い。
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ここ数日の記録は後日残そうと思う。
一つ言えること。
今、私たちは生きている。