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遺跡へ向かう。
王の兵は街の守りの為、一人も貸せないとの事で、私たち四人で向かう事となった。
一日ほどの距離のため、行く事はそう難しくはない。
だが、四人の間に流れる空気は重く、誰も何も喋らない。
◆
街から出発して遺跡に向かうまでの間、誰も口を開かない状態が続いた。
その道のりの中、私は思考を停止させ、魔物を倒し、傷付いた仲間を癒す事だけに集中する。
神への祈りによって他者を癒す、という教えのもとに成り立つはずの回復魔法を、未だ私が使えることが不思議でたまらない。
◆
遺跡に到着した。
王からの依頼も完了した。
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街へと戻ったが、何もする気が起きない。
◆
ようやく気分が落ち着いてきた。
旅を続けた結果、私は強くなったのだろうか。弱くなったのだろうか。
あの日の事は明日にでもこの手帳に残そう。
吐き出さないと壊れてしまいそうだ。