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教会へと出向いたが、やはり面会は難しいとの事。
だが、部屋の小窓から覗く事だけは許可された。
最初は意味がわからなかったが、覗いてみて納得した。
死ぬ瞬間の光景、蛆が身体を這い回る感触、自分が腐敗していく感覚。
それらが魔法使いの脳と身体を壊し続ける。
拘束具を着けられ、よだれと涙を流し、自分の身体を掻き毟ろうと必死にもがく姿に、以前の優雅さは微塵も残ってはいない。
帰り際、魔法使いの部屋の前でうなだれる戦士がぽつりと言った言葉が忘れられない。
「俺達は罪人だ」