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街へ到着し、宿で休んでいると、勇者と戦士の部屋から怒号が響いた。
慌てて二人の部屋に向かうと、勇者と戦士が取っ組み合いの喧嘩をしていた。
魔法使いの身を案じる戦士と、先へ進むことを選択した勇者との間で意見が割れたためのようだ。
魔法使いと協力し、どうにか二人をなだめる。
勇者が外へ頭を冷やしに行った際、前の街で私が気付いたことを二人に話した。
魔法使いは気付いていたようだが、戦士は唖然とした表情をしていた。
これが不和を解く切っ掛けになればいいと心から思う。
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目が覚め、隣の部屋を覗いてみると、勇者と戦士がテーブルに突っ伏して寝ていた。
辺りに散乱する酒瓶を見るに、二人で夜通し飲み明かしたようだ。
昼過ぎに二日酔いで目を覚ました二人は辛そうではあったけれど、顔は晴れ晴れとしていた。
一つの山を超え、私たちの結束は深まったようだ。
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街に滞在している間、各自で仕事を請け負うことにした。
勇者と戦士は街の近くに根城を持つという盗賊団を捕縛する仕事。
私と魔法使いは街の教会で蔵書の管理の手伝いだ。
不思議と冒険の旅よりも充実している気がする。
◆
勇者と戦士が戻ってきた。
報酬はそれなりの額があったらしく、豪勢な食事を取ることができた。
どんな事があったのか二人に尋ねると、口を揃えたように「大したことはしていない」としか返してくれない。
何故か胸に嫌なものが広がる。
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路銀も増え、次の出発を明日に控える事になった。
買い出しの際、広場に貼り出された立て札が目に入る。
盗賊団が壊滅したらしい。
冒険者の手によって首領以外はその場で殺され、首領も本日、縛り首になったということだ。
淀んだ目で自分の手を洗い続ける勇者と戦士の姿を思い出す。
私は、二人に何が出来るだろう。何が出来ているのだろう。
ずっとそんな事ばかり考えている。