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 街に入るのを断られた。


 泣きながら私たちに謝罪する勇者の言葉が胸に響く。

 彼は悪くない。街の人々も悪くない。

 悪くない悪くない悪くない悪くない。


 あの泉まで戻るか、先に進むか。

 この選択肢を間違えたら、私たちは死ぬのだろう。


 どこか達観している自分がいる。



     ◆



 勇者は先へ進むことを選択した。



     ◆



 自分の身体が自分のものと思えない。

 脚が重い。空腹と喉の渇きが酷い。


 この辺りの魔物は毒性が強く、食用には適さないようだ。



     ◆



 魔法使いが倒れた。

 戦士が背負って進む。私たちは進む。



     ◆



 喉が乾いた。



     ◆



 水。



     ◆




 み

   ず




     ◆



 商隊に出会った。

 彼らは食料と水を求める私たちに、城一つ買えるような金額を提示した。



 きっと彼らは魔物だったのだろう。

 魔物だ。これは魔物が持っていた食料なのだ。

 魔物の血の臭いが身体から取れない。


 神よ、我らを救い給え。

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