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感情の芽生え

ゲームをして夕御飯を食べてお風呂に入る。


そして適当に時間を潰せば就寝時間であった。


分裂した後も部屋は増えていなかったので家具が増えている訳ではない。


では、寝る時に結城と優希はどうしているのか?


答えは簡単で2人で同じベッドに寝ていた。


2人の意見として言わせてもらうのならば、2人で使おうが元は1人の人間なのだから対して変わらないし気にしないとの事であった。


2人は眠りに落ちる直前も会話を楽しんでいた。


「ねぇ、私。

最近亜美とはどうなの?

ちゃんと仲良くやってる?」


「それは……まぁ、何とか出来てると思う。

僕の方は涼と上手くやってるかな?」


「出来てる……とは思うんだけど」


「けど?」


「前みたいなドキドキを感じて来ないのよね。

慣れてきたって事なのかな?」


「……実は僕も亜美と一緒にいてもそんなにドキドキしないんだよね。

前はどうしようも無いほどに好きって気持ちで張り裂けそうだったのに、今は好きだけど気持ちは落ち着いちゃってる」


お互いの好きな人物をそう感じなくなってきたなどとは、普通は兄弟姉妹でも簡単に話せる会話では無いだろう。


だが、結城達の中には自分に聞かせているのだから自問自答と変わらないという認識であった。


その為、お互いの事を何でも話せて何でも理解することが出来たのだ。


「これってひょっとして私達が分裂したから気持ちまで半分になっちゃったのかな?」


「そうかもしれない。

でもさ、それならそれでもう一回仲良くなって好きになれば良いだけでしょ?

涼の良いところはいっぱい知ってる筈だよね」


「それはもちろん!

亜美の良いところも知ってる……そうでしよ?」


「もちろん!

良いところも可愛いところも全部知ってるよ」


「それなら大丈夫。

きっとお互いに燃えるような思いを取り戻せるわ。


「そうだと良いな……それじゃもうそろそろ寝ようか」


「おやすみ〜」


挨拶を交わしながら眠りにつく2人。


だが、彼らは知らない。


今まではその相手にし目についていないからこそ、気持ちが盛り上がって恋が激しく燃え上がったのだ。


だから、そこに相性抜群の何でも話せて一緒に暮らしている異性が登場したらどうなるのか?


まだお互いに自覚のない感情が芽吹こうとしていることを2人はまだ知らなかった。


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