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廃部と挑戦状

「部長、今日は用事があると言っていましたが来てくれたんですね」


「ああ、今日は君たちの取材に付き合えなくて申し訳なかったね。

それと残念ながら双葉くん達の為に来たわけでは無いんだよ」


画堂部長はそう言いながらツカツカと部屋の中央にいる須頃部長の元まで歩いて行った。


「このアナログゲーム研究部は今まで大きな成果を残していないそうじゃないか。

という訳でこれは理事長からだよ」


「これは……廃部通達書?

急にどういう事ですか」


「先程説明した通りだよ。

この部活は大きな成果も残さずにやる事と言えば部室に引きこもって遊んでいるだけ。

そんな部活に出す部費も貸す部屋も無いということだよ」


「一体何の権限があって……画堂?

そうですか、貴女は理事長の孫娘ですか」


「ご名答。

私はこの学校をもっとより良くしていきたい。

そのために頑張る生徒には出来る限りの手を差し伸べたいと考えている。

逆に君たちのように甘い蜜を貪っているだけの連中からは、甘い蜜を回収して他の有益な者たちに配るべきだと思っているのさ」


「理屈は分かりますよ。

しかし、今日取材に来た訳でもない貴女に何が分かるというのですか?

僕たちがただ遊び呆けているだけで外部への活動をしていないと何故言い切れるのです」


「ふふ、それならば部室代くらいは出してもらおうかな。

そうすれば今後部費は出さないが部室だけは貸し与えようじゃ無いか」


「部室代とは幾らですか?」


「そうだね〜今までの事もあるからザッと10万円かな。

それで須頃くんの世代は見逃してあげようじゃ無いか」


「な?そんな大金……」


「払えないならこの部活を解散させるまでさ」


「ちょっと待ってください!!」


話がひと段落した区切りで優希が叫ぶ。


「部長……幾ら何でも横暴すぎますよ。

今日の取材で分かりましたが、彼らは一生懸命にやっています。

廃部なんて考え直してください!」


「頑張っているのかもしれないが、その活動が内を向きすぎているのが問題なのだよ。

それをもっと外に出して我が校の誉となってくれるようでないとな。

もし、君たちがバイトや親のお金などではなく、そのアナログゲーム部の活動で先程提示した条件をクリアー出来たのであれば廃部は撤回して謝罪しようでは無いか」


「部長!……あっ」


「優希、下がってろ」


優希が更に食ってかかろうとするのを涼が肩を掴んで止めた。


「やり方は気に食わないがあんたの言いたい事は分かった。

俺たちの部活動で10万稼いでくりゃいいんだよな?

やってやるよ」


「おや、中々勇ましい部員をお持ちだ。

では、期待せずに待つことにしようかね」


そう言って画堂部長は入ってきた時と変わらずに、スマートに出口へと向かっていくのだった。

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