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アナログゲーム研究部

「部活……部活ねぇ。

どうするかなぁ」


「涼は運動神経良いんだから何でも出来ていいじゃないか。

僕なんて運動苦手だから何をしたらいいのか分からないよ」


「それならインドア系の部活に絞ってみるか」


亜美達と分かれて部活に入る事にした俺たちだったが何に入ったら良いものかとブラブラしていた。


正直な話、時期の外れた今に運動部に入るというのは中々に難しい。


そこでインドア系の部活を探し始めたのだが……


「定番の将棋部に囲碁部は分かるけどアイドル研究会はあるし、ゲーム部は何故か2種類もある。

この学校どうなってんだ?」


「ゲーム部は片方が最新のゲームでもう片方はアナログがテーマだって」


「アナログって何だ?

昔のゲームでもやってるのかね」


「ちょっと気になるから覗いてみようか」


こうして俺たちはアナログゲーム部という部活を見学することに決めた。


「失礼します……ちょっと良いですかね?」


「おや、何の御用でしょうか?」


「俺たち部活に入ろうと思って見学しているんですけど、ここ見学させてもらえますか?」


「アナログってなんだろうって気になったんです」


部室の中を見渡してもテレビのモニターやゲームの機材等があるようには見えない。


部屋の中央にテーブルがあり、壁際には無数の棚が置かれている部屋であった。


「なるほど、実に良い質問ですね。

昨今ではゲームと言えばテレビゲームというのが主流でしょう。

ですが、テレビゲームが流行る前というのはテーブルの上で行うテーブルゲームが主流だったのです。

そこでメジャーからマイナーまで様々なテーブルゲームを集めて楽しむことを目的に作られたのがアナログゲーム研究部、通称アナ研です」


『おお〜』


熱く熱弁する眼鏡に七三分けという如何にも真面目が服を着て歩いているという男性の熱弁っぷりに俺たちは思わず拍手してしまう。


「おや、ありがとうございます。

普通の方はこの熱量で語ると引いてしまうのですが、こうして拍手を頂けるとはありがたいですね。

申し遅れました。

私、アナ研部長の須頃(すごろ)栗田(くりた)です」


「俺は能登涼です」


「僕は双葉結城です」


須頃部長が名乗ったので名乗り返すと、部長は結城を見て首を傾げた。


「双葉……何処かで聞いたような……それに顔も何処かで拝見したような気が。

……ああ!最近ご家族と最新ゲームのスコア更新をされておりませんでしたか?」


「え、あ、はい。

え?アナログゲーム専門では無いんですか?」


「ゲームは全般好きですしテレビゲームも嗜みますよ。

そちらは趣味でこちらは本業ですね」


何だか分かるような分からないような話である。


兎にも角にも、興味本位で入ってみたアナ研だったが、この強烈キャラの部長のおかげで俺たちはすっかり興味を持ってしまっていたのだった。

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