番外編:学校の派閥争い
突然の話ではあるが4人は高校生の一年生だ。
そして、高校生と言うことは学校に通っており、彼らの他にも沢山の生徒がいるということである。
そんな多数の学生からも彼らは注目の的であった。
高身長でイケメンの涼。
活発系で明るく美人な亜美。
そして、可愛らしい容姿と女子力を兼ね備えたオトメンの結城。
そんな結城が女性になったらという妄想が実現してしまった優希。
この4人がセットになって動いていれば目立つし噂にもなるというものだ。
そして男女間が噂になると必ずテーマに上がる話がある。
それは勿論[カップリング]である。
当初は典型的な俺様系男子として見られていた涼とそれを甲斐甲斐しく世話する優希のカップリング。
そして、活発系女子である亜美に引っ張られながらも嫌な顔せずについていく結城のカップリングを推す者たちで共存していた。
しかし、最近になって台頭してきた第3の勢力があった。
それは双子の禁断の愛を提唱する派閥であった。
当初はそんなバカな話と一蹴していた二大勢力であったが、その声は段々と無視できない勢いになっていた。
曰く、常に2人は一緒に行動をしている
曰く、教室内でツーカーどころかアイコンタクトすらしないで意思疎通を行なっている
曰く、彼らの出したゲームのハイスコアは未だに破られず、2人を称えて写真が飾られている
などなど、調べれば調べるほどに一心同体という言葉が似合うエピソードが出てきた。
そんな話が出てくると人はフィルターをかけて見てしまうものである。
それは二大勢力に所属する人物たちも例外ではなかった。
彼らは2人のそう言った言葉を要らない行動を見るたびに思ってしまった……双子愛てぇてぇと。
そうして、いつの間にやらこの学校で1番大きな派閥は双子の禁断の愛を見守る会となってしまったのだ。
だが……そうだからと言って彼らは何をする訳でもない。
ただただ2人の関係を見守るだけなのである。
彼らは今日も2人の行動を楽しげに見守るのであろう。
時に萌えで机に顔を突っ伏し、てぇてぇに心を撃たれて胸をかきむしりながら。
因みにこの三代派閥の他に極小数ではあるが涼と結城のカップリング派と亜美と優希のカップリング派という、所謂BL推進派と百合推進派がいる事も報告させて頂こう。
自分は百合推進派に所属したいと思います。