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135:レッドハーブパーク-1

「鑑定っと」

 ザリアたちと一緒にダンジョンへ入った私はとりあえず鑑定する。



△△△△△

赤い葉の薬草園


真っ赤な葉を持つ薬草が繁茂する草原。

なぜこのような赤を持っているのかは自分で調べる他無い。


呪詛濃度:9

▽▽▽▽▽


≪ダンジョン『赤い葉の薬草園』を認識しました≫



「当たりね」

「だな。薬草が大量回収できそうだ」

「私たちが使う分も含めて、回収をしておきましょうか」

「……」

「すごい、真っ赤だ」

 入口は赤い葉っぱを持った蔓が絡みついている金属製のアーチで、くぐる事によってダンジョンの中に入る事が出来る。

 入口のセーフティーエリアは煉瓦の壁に結界扉がくっつく形で存在。

 で、周囲の風景としては……カゼノマの言う通り真っ赤だ。

 花の色は多彩なのだが、その下に付いている葉っぱは8割方が赤で、残り2割が緑か黄色と言う感じである。


「『毒の邪眼・1(タルウィベーノ)』。んー……」

 とりあえずどんな薬草なのかを確認しておくべきだろう。

 と言う訳で、セーフティーエリアの登録を済ませた私は適当な株を毒殺して回収すると、鑑定をしてみる。



△△△△△

赤い葉の薬草

レベル:1

耐久度:100/100

干渉力:100

浸食率:100/100

異形度:2


赤い葉を持った薬草。

磨り潰して傷口に塗り込む事でHPを回復するとともに、血にまつわる呪いに影響を及ぼす。

全身に呪詛による毒が回っている。

▽▽▽▽▽



「あ、そう言うことも出来るのね……」

「直接のダメージが無い呪術の強みって奴ですね」

「今の覚えたら狙ってみようかなぁ……」

「まあ、あの手のがあったら、素材の回収効率は段違いだろうな」

「……」

 なお、ザリアたちは葉っぱだけを手にして鑑定をしている。

 どうやら風化の呪いの影響で、薬草一株から回収できるのは葉一枚だけで、しかもどの葉が残ってくれるかはランダムになっているようだ。

 不便そうである。

 まあ、ザリアたちのアイテム回収事情については置いておいてだ。


「ザリア。血にまつわる呪いって何か覚えはあるかしら?」

「血にまつわる呪い? 特に聞いたことは無いわね」

「血にまつわるって言うと……吸血鬼とか?」

「ああ、吸血鬼に噛まれると自分も吸血鬼になるっていう……確かに呪いっぽい」

「末代まで祟る。と言うのは、特定の血を引く相手への呪いだな……」

「いや、今はゲーム内で確認済みのものにしておきましょうよ。そう言うのは先々出てきそうですけど」

 現状では心当たりはなしか。

 まあ、吸血鬼はメジャーだし、特定の血族に対する呪いとかもメジャーな物だ。

 その内関わる事はありそうだ。


「とりあえず薬草を有る程度回収しつつ、ダンジョンの奥に向かうって事でいいのかしら」

「ええ、そのつもり。皆も大丈夫よね」

 とりあえず何時までも入口に居てもしょうがないので、私たちは奥に向かって移動を始める。

 モンスターは……


「せいっ」

「何が居たの?」

「なんか牙の生えた花だったな。いきなりだったから、つい切っちまった。でもまあ、襲ってくるまでワンクッションあったし、よほど気を抜いてなければ大丈夫そうだな」

 なんか居たらしい。

 ブラクロが瞬殺してしまったので、鑑定するまでもなかったが。


「んー……ばらけましょうか。二人一組ぐらいで」

「そうね。それでも問題ないかも」

「じゃあ、ゲーム内2時間後に入口集合でばらけるか」

「分かりました」

「分かったよ」

「……」

 とりあえずソロでも問題なさそうなので、私たちはばらける事になった。

 組み合わせとしては私とザリア、ブラクロとカゼノマ、ロックオとシロホワと言う組み合わせである。


「ーーー……」

「確かに弱いわね」

「まあ、考えてみれば、ゲームスタート直後のプレイヤーでも問題なく来れる場所。そう考えたら弱いのは妥当でしょうね」

 二人になって直ぐに、ブラクロが切り倒したと思しきモンスター……牙生え赤花とやらが現れた。

 見た目としては葉も茎も花も全てが赤い花で、花弁の先端に牙が生えている。

 本来ならば不意打ちからの噛みつきで攻撃してくるのだろうけど……、ザリアが剣を一振りして花ごと茎を切断しただけで死んでしまった。

 うん、弱い。


「『灼熱の邪眼・1(タルウィスコド)』」

「ーーー!」

「燃やしても問題はなさそうね」

 『灼熱の邪眼・1』も目五つくらいで十分か。

 やっぱり弱い。


「タルと一緒に活動するなら、もう少し強い相手と戦いたいところではあるわね……」

「そうね。あまりにも手応えが無くて、逆にだらけそうだわ」

 一応ドロップ品である牙の鑑定もしてみたが、特に呪いは持っていないようだった。

 これだと回収する必要はなさそうだ。


「第二階層は……たぶんあっちね」

「分かるの?」

「呪詛濃度の違いを見れば分かるわね。まあ、霧を見通すために相応の異形度が必要な方法だけど」

「うーん、地道に探索をしている私たちとタルだと、まるで別ゲーのようなスムーズさね」

 とりあえず第二階層の確認をしておこう。

 と言う訳で、私は呪詛濃度の違いから第二階層がある方を探り、そちらへと向かう。


「赤い……」

「赤いわね……」

 で、入口と同じようなアーチを見つけ、そのアーチから第二階層へ行ける事を確認した。

 したのだが、第二階層は第一階層以上に真っ赤だった。

 それも葉の色が赤いためではなく……流血によって真っ赤だった。

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