97 あれ?嘘を現実に?
マリアンヌの家から出て、どこで一泊するのか悩む時、前から二人が現れた。
「アイリス様、お待ちしておりました。」
「え?」
暗闇の中に出たのは俺の正体を知ってた騎士デニスさんとドリューさん。
「デニスさんとドリューさん!お久しぶりです。」
「はい、お久しぶりです、あのう申し難いですが。今我々と共に王城にご同行するのはよろしいでしょうか?」
「あの、何があったですか?」
「陛下と王妃様はアイリス様から頂いたお魚のお礼とちょっと急ぎな用件がアイリス様にお聞きしたい事があるみたいです。」
「なるほど、わかりました、丁度いいですし、行きましょうか。」
「おお!ご協力感謝します。こちらで馬車が用意しております、どうぞこちらに。」
「けぇっ…馬車。」
「はい、何でしょうか。」
「いいえ、大丈夫です。」
王城は近いし大丈夫大丈夫、平気…平気。俺はそのまま彼らに案内され馬車に乗って王城に向かった。軽く“王妃様が呼ばれた”と言い訳したのに、まさかホントに呼ばれるとは思わなかった。この世界に隠しカメラはあるのか?
途中好奇で一緒に馬車に乗った二人に話を聞きました。
「どうして私今日そこで泊まるな事を知っていますか?」
「ええ、アイリス様が戻ったとビアンカ様からの報告を受けました、その後冒険者ギルドに話を聞いたら、今日ギルマスと受付嬢の家で泊まると聞きました。」
「あ~なるほど、では騎士さまたちはギルマスの家に向かう途中ですか?」
「ええ、まぁ、家の前でアイリス様とギルマスが何がを話してと見たのため、ちょっと待ちましたが、その後貴方様はすぐに出てきましたのため、すぐに追いつきましたのです。」
大変ですね、こんな俺のために残業するのは悪いな。馬車に乗って数十分くらいで王城に到着しました。メイドさんに案内され、騎士たちと共に王妃様の部屋に到着。
「陛下、王妃様、アイリス様が到着しました。」
「通れ。」
扉を開けると、夜中なのに未だにいつもの王の格好の王様とドレス姿のままの王妃姿がソファーで座っている。
「お久しぶりでございます、アイリス様、夜分遅くそれと旅でお疲れのところ申し訳ない、どうぞお掛けください。」
「ありがとうございます。」
俺も二人の対面のソファーに座りました。その後王様は人払い、残るのは王様、王妃と俺。王様からもご挨拶が来ました。
「先に海魚を送ってくれて、ありがとうございます、先ほど美味しくいただきました。」
「いいえ、お二人もいつもお世話しておりますので、そのお礼です。」
「って早速本題ですが、実は先日北のサンダース国王からの手紙で
「はい、他国の事なのでおおよその事はお伝える事はできますが、詳しく知りたいではウンディーチアの国王様にお聞きお願いします。」
「ありがとうございます、おおよそでもありがたいです、お願いします。」
俺はこの戦争の事を簡単に王様と王妃様に話しました、ホントに戦争のみの話しね。
「なるほど、やっぱり帝国の英雄が、しかも上位魔法の連発…辺境には魔道士多めに配置しなくでは…。」
「あ、そういえば、ごめんなさい王様、ウンディーチアの国王様から私がカウレシア王国に戻ったら、向こうに“私は無事カウレシア王国に帰りました”王様から手紙を送ってくださいと話しました、申し訳ないが、代わりにウンディーチアの国王様にお手紙を送ってお願いします。」
「フム、構わないが、俺も彼に詳しい話を聞きしたいしな。」
「えーと、できれば私は一週間後王都に戻ったとお書きお願いします。」
「え?…あ〜なるほど、わかりました。では話を戻りますがサンダース王国に行ってないではそっちの使者様は別の使者様の可能性はありませんか?」
「ありませんとは言い切れないが、私が知ってる事範囲ではトイエリ様は私以外この世界に他の者を送るのはしないと思います、例えホントに新しい者を送ったても私に伝えるはずです。」
「ではやはりニセモノの可能性が大きいか、わかりました、使者様は未だに魔の森にいると向こうにそう返事したします。」
ここで王妃様が話しました。
「アイリス様、実は最近カウレシア王国の辺境から使者様が現れたと報告がありましたわ、毎週使者と騎士ふたりと共に民衆に教会を建てるため集金しています。」
「へぇ〜一体何の使者、何の教会を建てるつもりでしょうね。」
自分でもわかるくらい俺は今笑顔のまま怒ってる。我が嫁の名を汚す人に万死を与える。
「アイリス様のそのお顔、やっぱり両方ともニセモノですわね。良くもわたくしのアイリスちゃんの名を汚される者…コボン、失礼致しました。」
王様は代わりに続きを話す。
「サンダース王国の方は俺が後で手紙を送ります、向こうは神竜様の事を怖がってるから、向こうの王都にいる例のニセモノはすぐに捕まえると思う。では辺境の方について、アイリス様はどうしたいでしょうか?」
「私が行きます、これは大掛かりに見せしめしないと、これからもニセモノ増えるでしょう。」
「わかりました、あのニセモノは毎週同じ時間で辺境のセシリスの広場で演説しているです、予定では多分3日後現れるだろ。」
「ご連絡ありがとうございます、お陰様で3日後の予定は決まりました。」
「えーと、できれば穏便に…は無理よね。」
「はい、大丈夫です、殺しはしないです、生きる方が地獄ですから。」
俺はとっておきの笑顔を王様に見せた。
「す、済まなかった、急な話はこれだけだ、あとはミラが話がありますので、俺は先に失礼するよ。」
王様は慌てて出てきました、残るのは俺と王妃、それと王様と代わりに入ってきたメイドたち。
「そうですわ、アイリスちゃん…ペネットに行く前に挨拶して来ないの罰として今日はここに泊まりましょうね、“色々”話したいことがあります…ね。」
「は、ははっ…王妃様、あの時は平民の姿なので、その姿で王城に入るのは良くないと。」
「今も平民の姿ではないですか、だから今日“ここで泊まりましょう”ね。」
笑っているようだが、絶対笑っていない。
「い、良いですげと、私も今日はどこで泊まるの事を悩んていますし。」
「では人を呼んて、あなたが今晩はここで泊まると例の受付嬢の家に連絡しておくわ。」
「あ、連絡しなくても大丈夫です、事前に別のところに泊まると伝えました。そっちは上手くすれば今はあの二人のことを邪魔しない方がいいと思う。」
「あらあら、ほほぅ、これはこれは面白そうみたい、この件について詳しくお願いしますね!ではまずは着替えを。」
メイドたちに捕まれ、服を脱がされる?!
「え?ちょ!泊まるって客室ではなくここに?!まっ」
王妃様と一緒にワンピース型のスリップに着替えさせられた。そして、王妃様と共に王妃様ベッドに座り、隣にいるベビーベッドを見る、そこにはスヤスヤと寢っている赤ちゃんがいる。
「ヘレナ王女は元気ですか?」
「ええ、元気ですわ、ほら〜かわいいでしょう。それって、さっきの話って何?その受付嬢の家に“あの二人”でことは、もうしかして…。」
隣のメイドさんはこう言いました。
「王妃様、正確にはその受付嬢の家ではなく、冒険者ギルトのギルトマスターの家です。」
「あらあら、では同棲していますわ。ねぇねぇ、アイリスちゃん話してよ。」
「い、いいや~それは彼らの事で流石に勝手に話すにはいけません。」
「もう、ケチ…ではペネットで何が面白い事があります?陛下には言わないですから、ね。」
あれ?王妃様でこんなキャラだっけ、まぁ確か俺が知った王妃様はいつもやりたい放題ですよね。しかし今のテンションめっちゃ高い。うん〜朝から国の母としてしれっとしないといけないですし…ストレス発散か、だから仕方ないよね。
「はいはい、話します、だから私の胸から手を離れてください。」
「あら、残念、でもアイリスちゃん…気のせいかしら、大きくなったわね。」
「え?うん…そう言われると確かに最近下着は少しキツイですね。」
「あら大変、新しいのを作らないといけませんわ。」
マジが、では今まで作った物はまた使えものにならないって…何がショック、自信作いくつあるのに、いやいや何で王妃様が目がキラキラで喜んでいるの?
「サイズに合わないブラはわたくしが貰っておく、代わりに新しいブラの材料はわたくしが提供しますわ。」
「え?いやいや、古いものを王妃様に渡すのは良くないよ。」
「良いのよ、わたくしが使うではなく、アイリスちゃん使えないブラは中古の店で売れないでしょう。」
「確かに売れない、そうしたら…」
「捨てるのを言わないてください、その芸術品をを捨てるのは勿体ないですわ。」
「芸術品とは大袈裟過ぎです。ええ、まあ、中に自信作もあるし、捨てるのはないと思う。」
「そう!あなたも他人に見せたくないでしょう、だからわたくしが預かるの。」
「わかりました、では新しい作ったら前の下着を持ってきます。」
「あら~ありがとう、ではアイリスちゃんも材料は好きなだけ使って良いわ。」
しかし王妃様は急に申し訳ないという顔をして、話を続ける。
「でもひとつ謝ることがあります、針子たちはわたくしを隠して試しにブラを作ったのです、しかしその“ホック”のものを同じ素材で作っても、作れないみたい。こんな小さいな部品の作り方がわからないし、それらしい物を作ったでも柔らかってすぐに変形しまうわ。」
それもそうね、王妃様に何着も作ったので、プロが見えたら試しに真似して作りたくなるよね。そう考えるとベネットの辺境伯屋敷とウンディーチア王国王都のメイドも下着を見せた、そっちも真似する可能性もあると思う。
でもこれは俺が教えるのではなくあくまでこの世界の人から生み出す物、そう考えると多分大丈夫だと思う、次トイエリさんに会ったら一応伝えておこう。
「え〜と、ベネットの辺境伯屋敷でメイドたちに着替えさせた時も下着が見られたし、そっちも真似で作った可能性があります。だから王妃様の針子さんたちにも研究し作るのも良いですよ、ですが実物を見せないようにあくまで針子さんの作り方で再現してください、当然詳しい作り方も教えることもできないです。それと絶対~絶対~私が作ったの事を言わないでください、バレるとすごく面倒ですから。」
「ありがとう、アイリスちゃん!」
王妃様に抱きしめられた、く、苦しい、王妃様の胸圧がキツイ。ギブギブ!王妃様を叩くのはダメですから、手足をバタバタしてベッドを叩きました。
「王妃様、そろそろアイリス様を放した方がよろしいと思います。」
「は!ごめんなさいね、アイリスちゃん柔らかくいい匂いですから、つい。」
「はあ、はあ、…メイドさん、ありがとうございます。匂いって例のお茶の匂いですよね!臭いではないですよね!ね!」
思わず自分の身体を嗅ぎました、先ほどマリアンヌにもいつも俺が匂いがしていると言われた、俺にはさっぱり。身体が匂いを気にしないのは無理です、日本にいる時、仕事の営業や配達も汗流している、特に夏場の営業や帰宅中も汗の匂いの事が凄く気になる。汗の匂いでお客様と周りの人の嫌な目線に刺さるのは、もう嫌です。
「うん〜例のお茶の匂いに似てるのですが、そうではないような、不思議な匂いです。でも嗅ぐと落ち着くになるわ。」
「臭いではなくて良かった。もう、嗅がないでください。」
その後、軽くペネットで見た事を軽く話して、俺と王妃様も知らないうちに寢ってしました。
翌朝、王妃様と一緒に朝食を食べた後、彼女の言う通り王城の倉庫で遠慮なく新しい下着を作る材料をただで貰った、そして王妃様無理やり泊まらせてのお詫びとして、食材もいただきました。俺も王城から去った。
王城に出たあと昨晩マリアンヌとギルマスのその後の事が気になって、冒険者ギルドに向かった。
冒険者ギルトに入って、この時間はめっちゃ忙しい、遠目で見るとマリアンヌは相変わらずパキパキと仕事している。笑顔してるなので、それはプロポーズ成功?それとも何も起こらないのか?すっごく気になるが、マリアンヌに聞くのは無理そうなので、冒険者ギルドの裏に行き、ギルマスに会えるかと裏のスタッフに聞いてみた。
自慢したくないが、王都ではほぼ誰も俺のことを知ってるから、裏のスタッフたちに話をかけるとすぐにギルマスを呼んでいく、ちょっと待ってからギルマスは裏口から出できた。
「お、おう、アイリス嬢ちゃん。」
俺はジト目でギルマスに聞く。
「って、何が報告はありませんか?」
「あ、いや…うん…。」
ギルマスは俺に背を向け、報告した。
「あ、ありがとうよ、お嬢ちゃん。昨日は…その…言った、そして指輪も…貰った。」
「おお、おめでとうございます、式はいつですか?」
「まだ…決まっていない、後で彼女に相談する。」
「ギルドの皆にもう話したの?」
「まだ、です。」
「では今日一段落になったら、男らしくギルドのみんなに伝えてください。いい虫除けの効果があると思う。」
「お、おう。」
「あとはマリアンヌに聞きますから、知りたいことはそれだけです、仕事を邪魔しますので、お先に失礼致します。」
「嬢ちゃん!」
「はい、何でしょう。」
「改めて、ありがとう。」
「良いのよ、このくらい。定番ですが、前も言いましたが、マリアンヌに泣かせたら…。」
「絶対しない!約束する!これだけは絶対だ!」
「よろしい、私も末永く幸せするように呪ってやりますね、では私は帰ります。」
「ちょ…あ…ああ、呪ってくれ。気をつけろよ。」
上手くいくのはホントに良かった、お祝いでマリアンヌに何を贈りますか、うん、あんまり経験がなく悩みますね。
贈り物の事を考えて、俺は王都を離れた後、マイホームに向かって飛びました。