95 おみやげ?
俺は王都で沢山なお土産を買ったあと王都に出た、運が悪い盗賊に成敗し、再び森の深いところに歩いた、誰もいない森でレーターっぽい魔法を使って周りの魔力を感じる。
ヨシ、あの人たちは尾行諦めたみたい。なぜ尾行に気づくのか?あの王様絶対俺ひとりにするわけないと思うからよ、逆にもし俺は王様の立場で考えると絶対護衛を呼んで影から別国の要人を守るよ。王都では人が多く気付かないが、外に行けば俺はレーター魔法と魔力を視覚化の魔法で周りを確認したら…予想通り、後ろから4人が付いてくる。運良く可哀想な盗賊が絡まれ、尾行した人を脅した。
まあ、例えこれは俺の勘違いして尾行した人は王様が派遣した人ではなくでも別に構わない、襲ってくると容赦はしないだけ。でも結果は尾行を諦めたみたいなので、もうちょっと森の深いところに入ったあと、空に飛んでカウレシア王国方向に向けて全速前進する。
ベネットに行くのとは違って、あの時ベネットの居場所すら知らなかった、でもカウレシア王国の王都の方向は大体わかる、だから帰りは一直線カウレシア王国の王都に向かった。休みを挟んで、多分午後5時くらいに見慣れた風景が見えました。お土産の海魚があるので、マイホームではなく先に王都に行こう。
フードを降ろして、城壁の西門から王都に入ると、門番の人が声をかけました。
「アイリスさんじゃないか!久しぶりですね!」
「え?はい、お久しぶりです。」
王都に入って、当然変わることは全く無く、お土産の海魚は魔法で凍結しましたが、できれば早めに渡しに行こう。ビアンカ様と一緒に作った魔道具はホントに助かったので、先に貴族街の貴族学園に向かった。学園に入って運良くビアンカ様はまだ学園長室にいるみたい。
ゴンゴン
「は~い、誰?」
「アイリスです。」
「あ、アイリス様?!すぐ開けます!」
扉を開け、見たのは髪ボサボサ目の下にクマが付いてるビアンカ様。
「アイリス様、お帰りになったですか?」
「はい、つい先ほど戻ったの。」
学園長室に入って、ビアンカ様は部屋に散らかってる物を移動し、ソファーに勧めた。
「申し訳ございません、研究で散らかってるので。」
「いいえ、急に来るのは私の方ですから。」
「この様子では帝国軍は撃退しましたよね。」
「他国の事情なので言ってはいいのかはわかりませんが、今回来たのはただお礼とお土産だけです。」
「おみやげ?」
「はい、ビアンカ様と一緒に作った魔道具はホントに助かったのです。そのお礼兼お土産で、はいこれ、海魚です。」
カバンの中に凍結された魚をビアンカ様に渡した。
「そんな、わたしが作るではなく作ったのはアイリス様ですから、わたしは隣で教えただけです。」
「いいえ、私はただの助手ですよ、ひとつ知っているのはその魔道具がないと、多分私は変態に襲われたと思う、足りないと思うがこれを受け取ってください。先ほどウンディーチアの王都で買ったなので、多分未だに新鮮です、できれば今日召し上がって欲しい。」
「はぁ、ありがとうございます。まさかカウレシアで海魚を食べられるのは思わなかったですね。」
周りを見ると魔石や鉱石、魔道具らしい物が結構散らかってる、ビアンカ様は俺がいない間ずっと魔道具を研究しているみたい。
「ビアンカ様この間ははずっと魔道具を研究していますか?」
「ええ、まぁ、アイリス様の技術はないが、その魔道具を見て、情熱が燃えましたので、つい…。そう言えば魔力障壁の魔道具は大丈夫ですか?壊れていない?」
「はい、寝る時はずっと起動しているのは多分大丈夫そうです。」
俺は胸元のバリアくんと氷のヤツをビアンカ様に渡した。ビアンカ様は細かくそれを確認している。
「フムフム、急に作ったとは言え耐久性は予想外と高いですね。しかし…んんんん、やはりわたしの魔力では起動出来ませんわ。」
「私の魔力はちょっと特別ですから、仕方ないよ。」
「アイリス様のようにミスリルを粘土みたいに出来ませんが、その作る方を参考し、わたしも魔力障壁の魔道具を作りました、一応発動はできますが、これと同じサイズの魔石では障壁は薄く脆い、そして長く持たない、だから最近ずっと研究しています。」
「私が浄化した魔石は使いますか?」
「はい、戦争行く前に頂いた浄化済みの魔石で試したが、多分瘴気が消えた分魔石内の容量が増えただけですと思う、やっぱりこの魔力障壁の魔道具はアイリス様の魔力しか起動できないと思います、もし理想的な効果を出せたいでは、計算上多分頭くらい大きくな魔石を使わないとだめと思うわ。」
「あらあら、こんなに大きくなると軽く使えないではないか…うん、参考できるのはわかりませんが、この魔道具はビアンカ様にお返ししますね、元々の材料は全部ビアンカ様の物なので。」
「い、いいですか?!あ、失礼しました、いいえ、そのまま持ってください、それはもうあなたのものです。」
「しばらく保管してもいいですか?これは元々はビアンカ様教えた方法で作ったですから、ではビアンカ様ではこれを改良することや性能を増やす事ができると思う。」
ビアンカ様の目は明らかにキラキラしている。
「わかりました、ではお預かりいたします。」
「ビアンカ様…言いたくないですが、今日は家に戻ってください、魚もあるし、そして…最後お風呂したのはいつですか?」
「え?あ…あ〜ははっ…臭くなったの?申し訳ございません、今日は家に戻ります。」
「それに研究は詰まってるでは一旦その事を離れてリラックスすると、急にいい方法が出ると思うです、折角の美人は台無しですよ。」
「美人って、わたし?」
「ええ、違うですか?」
「美人に言われるのはいつからでしょう、もう忘れたわ。」
「私は仕事ができるクールビューティーと思うよ。」
「ま、まぁ、意味はよくわかりませんが、今日は早めに家に戻って、久しぶりにお風呂に入ります。アイリス様はご一緒に夕食でどうですか?」
「お誘いありがとうございます、これから王様と王妃様にお土産を渡しに行きますで、また今度で。」
「王妃様に捕まれそう。」
「あ、ビアンカ様もそう思いますか?やっぱり門番に渡して、挨拶は別の日にしますか。」
「もしアイリス様が王城に行かないのであれば、貴方様がお戻りの事を陛下に報告に行きます。一応お伝えいたしますが、例え今日王妃様に会えに行かなくても、できれば明日王妃様に会いに来てください、この前伝言を任されて、アイリス様が戦争に行くの事を王妃様に話した時すごく大変ですよ。」
「な、何が、申し訳ない。明日朝必ず会いに行きますので、そう王妃様に伝えてください。魚痛みますので王様と王妃様の分の魚もお渡しますね、ついてに騎士団団長の分もお願い出来ますか?」
「承知しました、お任せてください。」
こんな感じでビアンカ様と別れ、俺はトイエリ教会に向かった。司祭のおばあさんの紹介状に嵌められた気分ですが、もう過ぎたことだ、悪気もないし責める事はできない。もうすぐ夕方、早めにお土産を渡しておこう、そうでないと暗くなるのでマイホームに戻れない。だから俺は早足で教会に入った。
この時間では予想外でまだ結構参拝客がいる、
「ちょ!」
「アイリスちゃん、おかえりなさい!大丈夫かい?怪我はないかい?」
「は、はい、大丈夫です、ご心配をおかけしました。」
巫女姿のおばあちゃんに抱きしめ、ホントに心配そうだったので、そのまま気が済むまで抱きしめた。
実は今でも疑問がありますが、俺はただの気まぐれバイトなのに、何故毎回教会に来た時皆さんに歓迎され、貴賓みたいに大事にされるのですか?貴族学校の制服のせいで俺の事を貴族と勘違いしたと思うが、まさか教会の後ろでは俺のことを聖女様と勘違いする事を思わなかったですね。噂を直したい、でも多分もう遅過ぎで無理と思う、王都では広まってないし別にいいや、一番の問題は面倒デス。
「はい、おばあちゃん、これお土産のウンディーチア王国の茶葉とご当地の果物です。」
「あら、果物。でもこれお高いでしょう。」
「王都で買ったので高くないですよ、それにヒーラーの仕事結構金が貰いました、気にしないてください、それとこれは寄付金です。」
金貨2〜3枚渡した、平民では結構の大金です。ウンディーチア王国の冒険者ギルドに仕事証明を提出した時、辺境伯様のサインを見て元々の報酬の倍を渡しましたね。最初は元の報酬でいいと断りましたが、受付嬢は渡さないとギルマスに怒られるので、だからそのまま報酬二倍を貰った。
「アイリスちゃん、いつもありがとう、でもこんな大金を寄付していいの?」
「はい、大丈夫です、このあと冒険者ギルドに行かないとだめなので、また今度来ますね。」
「わかったわ、また今度話を聞かせてくださいね。」
俺と司祭のおばあちゃんとお互い笑顔のまま教会にさった、貴族街の学園から教会、最後は下町にいる冒険者ギルド。マリアンヌ元気しているのかなぁ。
下町に戻ると久しぶりに知らない人にも挨拶されました。
『アイリスさん、久しぶりね。』
『アイリスちゃん、お買い物かい?』
『お嬢ちゃん!久しぶりだ、これ買う?』
何か聖女様ではなく名前で呼ばれたことは懐かしいと思う。まあ、この髪の色では誰に見ても絶対忘れないでしょう、俺はただただ微笑んで返すだけ。そして冒険者ギルドに来た。この時間帯に入るとカウンターではなく隣の酒場には人が多い、カウンターはまだ報告する人はいるがそんなに多くはない、入った直後マリアンヌの方から笑顔でこっちに小さく手を振った。
『アイリスちゃんだ!』
『おお!やっと帰ってきたのか!』
『久しぶり!』
周りの顔見知りの冒険者たちも挨拶しに来た。俺も挨拶返したあとそのままマリアンヌのところに行った。
「マリアンヌ、ただいま。」
「おかえりなさい、大丈夫?」
「ええ、もちろん。はい、これお土産。」
「おみやげ?あら、これはお魚?」
「はい、カウレシア王国で内陸でしょう、これは海魚です、今晩ギルマスと一緒にお食べてください。」
「あら、ありがとうございます、お高い?」
「王都で買ったので、安いですよ。」
マリアンヌの先輩、赤い髪のノラさんは口を挟んだ。
「マリアンヌ、今日はもう帰っていいじゃない?残りの仕事はもう無いでしょう、魚は早めに料理しないとだめですし、上はあたしが話しておくよ。」
「え?まあ、はい、わかりました、お言葉に甘えさせていただきます。」
その後俺はカバンの中に茶葉2缶出しました。
「ノラさん、こちらはギルドの皆へのお土産です、皆で飲んでください。」
「え?あたしらの分もあるの?え~と、ごめん、先ほど言ったその“おみやげ”って実はなに?」
「…お土産ですよ?」
俺は茶葉を指で指しました。
「うん、わからん、マリアンヌは知ってます?」
「ごめんなさい、わたしも知りませんです。」
「OH…マジか…え〜と旅行先の名物をみんなで共有する?みたいな。」
マリアンヌとノラさんは目を合わせて何かに納得したようだ。
「「なるほど。志願兵として行くことを“旅”と言うのは触れないにします。」」
「ありがとうね、アイリスさん、これスタッフたち皆で飲むよ。ってマリアンヌはもう帰って帰って。」
「わかってます、帰りますよ。アイリスちゃん、ちょっと待ってて逃げないでください、このお魚一緒に食べましょう。」
「え?この時間ですし、完全に暗く前に戻らないと。」
「はぁ…あなたの家、食材あるの?」
「あ…いや…。」
そっか、いつ戻るのかわからないので、長く保存できない食べ物は全部マリアンヌに贈った、でも俺の分の魚もあるし……。
「今日はうちに泊まりなさい。」
「は、はい…。」
今日は愛しい我が家に戻るつもりですが、ごめんね、神竜様、明日は必ず戻ります。