94 “影”の仕事は大変そう
俺は王城でお昼を食べ終わった後、学園ケープのフードで髪を隠し、軽い荷物を持って、客室に去った。メイドたちの案内で王城前に到着。そしてメイドたちにお礼をする。
「短い間ですがお世話になりました。」
そしてメイドたちはアニメで見たメイド定番のお見送りをしている。
「「いってらっしゃいませ、聖女様。」」
「将軍様に会えないので、将軍様にもお世話になりましたとお伝えてください。」
「承知いたしました。」
俺はワクワクな気持ちで下町方向に向かった。
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王城の高いところに冒険者マントを纏う獣人がアイリス王城を離れたこのシーンを見ている。
俺は“ウンディーチア王国の影”、ホントの名前はもう忘れた、ウルフの獣人の俺は元々この国で冒険者をやっている、獣人の高いな身体能力を活かして斥候能力高いな俺は冒険者の中で少し有名になった時期、ウンディーチア王国にスカウトされた、任務は予想外で刺激だ、待遇もいい、何回死にそうになったが、そのギリギリ感が堪んねぇ、って知らない内にもう影になって多分もうすぐ10年になった、実績もあって、影の中で結構上位と思う。
今回の任務は氷将軍の命令で他の影3名と共に、陰から先ほど王城に去ったこの少女を守る事だ。この少女の正体は知らない、俺たちはただ彼女に見つからないように家に戻るまで守るだけだ、なんと呆気ない。
その少女は王城から出た後、城の門番騎士に何かを聞いて、その後真っ直ぐに冒険者ギルドに向かった。護衛を雇ってるのか?他の影に周りを警戒するよう指示し、俺だけ冒険者ギルドに入った。一応冒険者マントを身につけていたから、違和感もなくギルドに入った。
そして依頼ボードを見るフリをしながら陰から少女を護衛する。
ギルドはうるさく、カウンターで何を言ったのかはよく聞こえないが、受付嬢は彼女を中に案内した、これはギルド側が大金を渡す時周りに見せないような動きだ、仕方なくここでちょっと待とう。その後少女はすぐに出できた、護衛は続行だ。
その後少女は普通に下町で茶葉や布と薬草を買って最後は海魚を何匹も買った。まぁあんないいところのお嬢さんの格好で外に出たら絶対襲われるだろ、金があれば着替えを買えよ。でも彼女に見つからないように盗賊を倒すのもまた一興だ、これは遊びだ。
少女最後は干し肉を少し買って王都の城壁に向かった、確か氷将軍に聞いた話では少女の目的地はカウレシア王国の王都よな、このくらいの食料は大丈夫か?お嬢様初めての旅か?あ〜だから俺たちを呼んで彼女を守るのか、仕方ない…こっちも食料多めに買う。
彼女は馬車乗り場を無視しそのまま王城に出た.。楽しそうに聞いたことのない鼻歌を歌いながらカウレシア王国方向に歩きはじめた、話を聞いた通りこの娘ホントに歩いてカウレシア王国に行くつもりね。バカじゃね?
歩いたら15分くらいで、少女は人が少ない森に入った。森の中には魔獣や隠れている盗賊もいる、装備もない少女が何故この道を選ぶのか?おい、
もうちょっと森の中に入ると、俺たちの影はおかしいと思った。
妙だ、普段ではもう1回や2回魔獣が出たはずなのに、未だに最下位のはぐれゴブリンも出てなかった。その時たった少女の前の叢草から明らかに何かがいるザラザラの音が聞こえた。
「おいおいおい、こんなところに女ひとりがいるぜ、旦那。」
へぇ〜盗賊が、人数は…5人。他の影に見つからないように全員暗殺しろと指示する。
「いいところのお嬢ちゃんじゃないか、うひゅ~お兄さんたちが気持ちいい遊びを教えようか?」
「……」
「うははははっ、お前の顔を見てビビったぜ、ダサい~!」
「はぁ…」
「この娘を捕まえろ、今晩は楽しみだぜ、当然俺様が先だ。」
他の影たちが盗賊の後ろに到着した時。
「盗賊で何で皆同じセリフでしょうか、他のセリフはないの?」
この女、自分がどんな状況なのかわかってるのか?!
「う!だ…旦那!…重い…う、動かない!」
「な…な…何が…」
「お…重い…」
「身体が…重い…」
「もう…た…立て…ない…うげぇ…」
な、何だ?!一体何があったのか?盗賊の動きを見ると全員上から何かが押さえられ動けなかったようで、すぐに影たちにちょっと待てと指示する。そして少女はゆっくり盗賊たちに向かって歩いた。
「私の盗賊退治レベルは結構高いですよ、男性の何処が弱点のもよくわかりますので、安心してください、殺しはしない、生きて罪は償いと駄目ですから。」
少女はフードを被ったが、俺の直感は早く逃げてと叫んだ。そして俺の目の前に信じられないものが見えました。小柄の少女は下っ端の盗賊から全員の股間を蹴ったあとすぐに綺麗な流れでその盗賊を背負投した。
ドン!!
投げる動作は速い!盗賊リーダー格の大男もまるで重くないように投げて、しかし盗賊を地面に叩きた音を聞いただけで、その一撃は見た目以上に重いと確信する!
ドン!!
ドン!!
ドン!!
「や…やめ…うぅ☆△※」
ドン!!
あっという間に盗賊全員股間を押さえて地面で悶絶していた、エビのように…。そして少女は息切れもいないまま続けて話した
「はい~股間から手を離れてね。」
「手が手が勝手に!」
「うわーー!な、何だ一体!」
彼女の前に小さな水玉?ウォーターボール一気に5個?!いつの間に魔法を謳えた?でもそのウォーターボールはちょっと普段と違う…あの白い煙は一体…。
ウォーターボールらしきもの5個を盗賊たちの股間に降ろした。
「うわーーー!さ、寒い!冷たい!何だこれ!痛い!!!!いたいたいた!!拭け!これを拭け!」
今の森はただ盗賊の悶絶の声しか聞こえないような、そして錯覚と知ってるのに何故か俺の股間もちょっと寒い感じで縮んだ。この少女は一体何者なのか?あんな化け物を護衛する必要はあるのか?!
その後、少女は紐らしい植物を探して、悶絶し過ぎで気絶した盗賊たちの手足を縛った、そして鼻歌を歌いながら枝で地面に何かを書いだ。俺が木の上で見たのは…
『この人たちに王都の衛兵たちに連れてって、それとこうしたくないと尾行を止めなさいと上に伝えてね。』
全身寒気がする。な、何だこの少女は。すぐに他の影たちと合流する、一応ターゲットの要望だ。こんな実力では守る必要はないだろ。そんな恐ろしいモノを書いた少女は盗賊たちを放置し、再びカウレシア王国方向に歩いていた。
もう撤退だ。護衛もバレたし、他の影たちと共にターゲットの要望通りその可哀想な盗賊たちを王都に連れて行く。俺…はじめて盗賊を可哀想だと思ったなぁ。それより氷将軍にどう説明するんだ。
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一方王城の会議室でレスター王と宰相、将軍は人払いして、会議用テーブルの前に座ってからカイル辺境伯のアイリスから聞いた帝国への天罰についての報告を聞いている。そしてレスター王はその報告を聞いた後また頭を押さえた。
「創造神様が帝国への天罰…帝国の精霊たち3割を別の国にが…。」
「はい、この情報は聖女様からの秘密の話です、陛下。」
国王の隣にいるほぼ王様と同じ歳の白髪メガネ男性、彼はこの国の宰相のレオンだ。カイルの報告を聞いて頭を振った。
「はぁ~また信憑性皆無な事を、こっちでは魔道士団がベネットから戻るまでの空きと帝国からの物流について忙しいですから、できれば証拠揃った後また報告して欲しいです、カイル卿。」
しかし、王、辺境伯と将軍は各自何かを考えている。最初口を出したのはカイル辺境伯。
「待てレオン殿、もしそれはホントでは先日ベネットの防戦の謎を説明できる。」
「説明をどうぞ。」
「先日の防戦、計算では帝国軍はベネット軍の倍がある、しかし兵たちから帝国軍の兵士は弱い、普通の兵士ひとりで帝国兵二人や三人相手でも少し余裕があるの報告初日から沢山出できた、その後の戦闘も英雄の魔法以外帝国軍の魔法は明らかに普段より弱くなったと実感できる、もし聖女様からの情報は正しいければこれを説明できる。」
「ベネット軍の練度は?」
「いいえ、普段の訓練通り別に急に厳しくはありません。」
「……そうですか。」
ここでレスターは宰相に話した。
「宰相、昨年の国の農作物の生産量の資料は持ってるのか?見せてくれ。」
「はい、こちらに。」
「……、我はその情報は真実と思う。」
「陛下、しかし!」
「わかってる、実はカウレシア王から数が月前帝国への天罰について軽く我に伝えたが、帝国難民の受け入れの準備と話したのだ。」
「え?!」
他の三人がそれを聞くと驚きました、まさか王はすでにこの件について知ってる。
「しかし当時カウレシア王もこの件について証明はできないと明言している、噂として聞けば良いと手紙で言った。だから我も知らない内にこの事を忘れた。でも先ほどカイル卿の説明を聞き、もしかしてこの件はホントかと考え直した。これを見てくれ。」
先ほどレスターが宰相から貰った昨年度の農作物の生産量を書いた資料を見せた。
「昨年我が国、夏から農作物は少しですが約半割くらい増え、同時に帝国商人からの農作物輸入量は減った。逆にその商人たちは帝国への食料輸出量は約1割増えた。昨年の夏前に帝国何があったのは覚えてるのか?」
宰相はすぐに王に返事する。
「神竜様が帝国王都への襲撃!」
「そう、もしかして帝国は何がをやらかして、創造神様の天罰の対象になった、もし聖女様の情報は正しいければ、今年の帝国からの輸入はさらに減って、輸出はさらに増えるだろ。」
「しかし、陛下、それも推論しかないです。」
「いや、それと昨年捕まった帝国間者の数も増えただろ、もしかして物音を消す魔法や気配を消す魔法が天罰によっての弱体化では?」
「……確かに。」
「もちろん我も完全に信じるではない、確実な証拠がないだから、例えば昨年の農作物の生産量ここで書いた通り増えたが、天罰で移動した精霊たちは全部我が国に来るではないはず、ここで書いた数字も間違いやホントに偶然に小さいな豊作の可能性もある。しかし、もし天罰の件はホントでは未来数年、帝国からの難民は増えるのは見え見えだ、我々も準備しないと駄目だ。」
「なるほど、今回帝国からの侵攻によって、帝国との辺境は少なくとも3ヶ月は封鎖する、もしこの件がホントでは辺境開放する時向こうの商人は一気に辺境の物資を買い占めると予想できる。カイル卿、辺境の政策を見直ししないとダメです、ベネットへの帰還はもう少し待つのは宜しいでしょうか?」
「ええ、もちろんです、自分もこの件についてホントと信じています、聖女様はそのような嘘を言わないお方なのです。」
「カイル卿、申し訳ないが、私は聖女様に会ったことないのです、話を聞いても彼女は硬く自分の事を聖女ではなく平民とおしゃってますよね。」
「まぁ、レオン卿は彼女のやった事は見たことないなので、信じなくでも仕方ないです。」
ここで将軍は口を挟んだ。
「ちょうどいい、宰相、例の聖女様また何がをやりましたぜ。」
「「はぁ?!」」
レスターとカイルは同じタイミングで声を上げた。宰相は平然のように将軍に聞く。
「例の聖女様今度は何をやったですか?」
「先ほど出発した“影”全員帰ってきたぞ。」
「「な、なんだと?!」」
将軍目線でレスターに確認し、その後会議室の扉を開け、影4名と気絶した賊らしい1名が外で待機している。影たちは会議室に入り、再び会議室の扉は閉じた。
「会議中失礼しました、陛下。アンドリュー将軍、ターゲットの要求によって帰還しました。」
「フム、報告を。」
「は!」
獣人の影はアイリス王城から出た後の事、その気絶した可哀想な盗賊の事や、アイリス尾行の事を警告された事も詳しく偉い人4人に説明した。
報告を聞いたアンドリュー将軍は笑いはじめた。
「はははっ、
「将軍、“坊”はやめてください、しかしこれはカイル卿が言ってた不思議なウォーターボールが、尾行への警告に利用されたのはその盗賊たちも運が悪いね。」
続いて、カイル辺境伯は顔を青ざめて思わず口を出した。
「レスター、そのウォーターボールを触れた人の反応見たことないだからこんなに冷静になれるだ、こっちでは股間何もしていないなのにスースーしているよ。」
「はははっ、あのウォーターボール、ワシから見ると恐らくワシの氷より寒いと思うぜ、例の司祭代理を受けた時その反応を見ると“息子”はまず寒いと感じ、あとは痛み、その後は炎を灼けるような熱さ、最後は使えなくなって何の感覚もなくなる。男には地獄の水だぜ。」
レオン宰相もこれを聞いて、驚きました。
「将軍の氷より寒い?!それはありえない、そして例の聖女様、今は護衛なしでカウレシア王国に戻るのですか?彼女に万が一があればカウレシアとの国交は!陛下!!」
「大丈夫だ、レオン。こっちでは表側ではちゃんと影を彼女に護衛した、今回聖女様がベネットを救った件について、我はあとでカウレシア王に手紙を送る、それともあなたは彼女を護衛する気か?彼女は絶世の美人だぞ。」
「はぁ…承知しました、このまま会議を続けます。影たちこの件について見たことを全部忘れて、言いふらすのもいいが、そちらの盗賊のように女の子になると思うが良い、退出してくれ。」
「「かしこまりました。」」
影たちは盗賊を連れて会議室に出てきました。レスター王はため息をついてから会議を続ける。
「はぁ…聖女様の件はあとで我は向こうに手紙を出すこれで終了だ。では引き続き将来帝国から難民と輸出が増えると想定し政策を決める。アンドリュー将軍、こっちには急に余裕がなくなった、悪いが魔道士団の空きについて将軍と騎士団に任せる。」
「かしこまりました、軍の事はお任せてください。」
「宰相、先ほど解散した貴族たちに呼び戻して、会議をする。」
「かしこまりました、陛下。」
「カイル辺境伯、数日ここに残ってくれ、帝国側隣接の辺境の政策を大幅変えると思う。ベネットの物質について、他の貴族たちから続々ベネットに運ぶ予定だ、心配しなくでいい。」
「承知しました。」
こうして、ウンディーチア王国の貴族たちは夜中まで会議し続けた、めでたしめでたし。