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89 俺にはそれは当たり前の話し

何であんな聖女っぽい服を着る必要なのか、出発後はやっとわかった、辺境伯邸から馬車で出ると、周りの道から大勢の民衆が援軍を送別している。辺境伯様は馬車の中で将軍様は騎馬のまま民衆に手を振っている。俺は…辺境伯様お願いで、仕方なく微笑んで手を振ってきました、民衆には“こいつ誰?”しか思えないし、俺もやる必要ある?


ベネットから出て、将軍様は馬車に戻り、彼の話では行軍では人が多いのため、王都に到着するのはおよそ一週間が必要ですみたい、いつも飛んてる俺では移動のために一週間使うのは遅すぎます、日本からアメリカの距離じゃないですよ。一週間馬車の中で…誰かネットが繋げたスマホをくれ。


でも一番大事なのは“サスペンション”はいかに素晴らしい発明かと再び感じました、例え今乗ってる馬車は貴族用の馬車でも、木製の車輪で整備されていない道で走る、これはまるでずっと船で生活するのような気分です。幸い兵士の足幅に合わせるため、移動速度は遅いが、目を閉じたら我慢はできる。何故だろ、元の俺では絶対すぐに車酔いで吐きましたよ…そっか、この体に慣れてるのだ、だから丸一日でも吐いてなく気持ち悪いだけで済む、良くやったぞ姫様。


しかし気持ち悪さは変わらない、馬車の中には辺境伯様、将軍様と俺、それと辺境伯家から付いてくるメイドひとり四人で一緒に乗ってる、みんなの目もあるし魔法で浮くこともだめ。仕方なくそのままずっと目を閉じて、耐えるしかない。何で辺境伯様と将軍様は何もないように書類を見ることができるのか、ホントに謎です。


気持ち悪いまま移動一日目は終わり、野営地に到着した。兵士たちはすぐに辺境伯様、将軍様と俺のテントを立てる、援軍だから基本必要なものしか持ってないのため、テント内はガチで何もなし、プライベート空間だけ、ベッドもなし治療テントのように布を敷いて地面で寝るしかないそうです。でもプライベート空間だけでもありがたいです、お風呂ができます。外の護衛とメイドに身体を拭きますので誰にも入らないでくださいと伝えて、前線の時と同じく少ないなお湯を出してお風呂に入りました。お風呂はホントに心の洗濯、生き返るわ。


お風呂のあと当然あの聖女っぽいドレスではなく、辺境伯家から貰った中上階級女性のワンピースを着替える、一応魔法で例の白い聖女服を洗濯する、洗濯済みの聖女服をカバンに入れたいが、例の赤いドレスのせいでカバンはもうパンパン、仕方なく外で待機してるメイドに預かった。え?何で着る気もない赤いドレスを持って帰るのですか?流石に他人からの贈り物は礼儀として受け取りますよ…絶対着ないのでカウレシア王国に戻ったらこれが欲しい誰かに贈る予定です。


って、一番の問題は馬車移動時のつまらない時間です、寝るのは一番いいですが、では今夜は徹夜で明日の移動時は馬車で寝るか、しかし娯楽が少ないこの世界では徹夜で何をやれば良いの?この前の寝ずの番みたいにアクセサリー作る金属はもうないし、そう考えるとこの一週間俺は耐えられますか?


結果徹夜予定の俺はやることないまま知らない内に眠ってしまいました。翌日、メイドさんが俺の障壁を触って、魔道具“氷のヤツ”の氷の冷たさで起こされた。さぁ、また地獄の時間です。


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王都への道、二日目の夜、小さな街を通過し野営地に到着した。人が氷将軍と呼ばれたアンドリューはカイル辺境伯のテントに来た。


「カイル卿、休み中すまんない。」

「アンドリュー将軍、この時間で何があったのか?」

「ちょっと気になったことがあるだから、カイル卿と相談したい。」

「もちろん、構わないよ、人払いは?」

「平気だ。」


テントには簡易テープル以外では何もなく、二人は床に座り、周りの騎士たちは小さいテープルにお茶を出しました。


「ってアンドリュー将軍が気になることは何でしょう?」

「カイル卿、ワシらベネットに到着した時の軍議では、戦場の夜霊体系や他の魔獣も何故が現れていないと言う議題をしたよね。」

「ええ、ベネットと帝国辺境の間に何回か小さな争いがあった、毎回戦場の夜には戦死した兵士の魂を吸い込む霊体系魔獣、死体を食う魔獣も必ず出る。しかし今回帝国の侵攻戦の間前線周りに魔獣一匹もない、兵もゆっくり休む事ができる、それはありがたいが、逆に俺も油断して帝国軍夜の行動を見逃し奇襲された。」

「言いたいことは正しくこれだ、ワシもベネットにいる一週間、最初も偶に魔獣は出ないと思ったが、ベネットから出たこの2日間も魔獣は全く出なかった。軍隊で移動しても森近くではゴブリンくらいは絶対出るぞ、ウルフ出たら肉として嬉しいが、このままでは途中の街で補給しないとダメね。」

「それもそっか、確かにゴブリンもなしでは奇妙だ、もしかしてこの付近に強い魔獣が出たのか?」

「ワシの記憶ではこの辺では確かサイクロプス出たことあるよな…。」

「ええ、しかしサイクロプスは普段森の奥にいるので、巨体のため発見しやすい、でもサイクロプスが森から出たのはすでに30年前の話し…いや、数ヶ月前第二王子を襲った盗賊はサイクロプスを操るの話しもあるし、もしかして誰がサイクロプスを操って近くの森に隠れてる事もできるね。」

「そっか、確か第二王子はそんな事に遭った、では明日騎兵一小隊で周りを偵察する。万が一この付近にサイクロプスや怪しい影がいると、この人数では倒せるはずだ。それと王都を長い時間を空けるのはやはり心配だ、明日からもうちょっと早めに移動するの大丈夫かい?」

「俺は構わない、しかし聖女様は口には出してないが、見ればわかるくらい馬車酔いが酷いみたいですよ。」

「あ~ワシもわかるくらい酔いは酷い…うん、聖女様は何故が常時魔力障壁を張ってるので、彼女に失礼ですが正直守る必要はないと思う、障壁もあるし明日女騎士の馬に乗るのを勧めるのはどうかね?」

「確かに、大人しいな馬では酔いなさそう、明日俺が彼女に話そう。」

「フム、カイル卿、頼む。」


翌日、アンドリュー将軍は兵士に異変を説明し、騎兵一小隊を移動途中に周りを偵察するよう命令した。カイルはアイリスに馬に乗ると馬車酔いしないと説明し、彼女はすぐに乗馬すると答えました。しかし彼女は乗馬経験なしと言ったため彼女の身の安全としてカイルは彼女を馬車に戻したかったが、アイリス自ら最終手段を使い紐で彼女と女騎士と結び、無理やり馬に乗せました。


こんな感じで王都への移動3日目、軍隊の移動速度も明らかに前より少し早くなった。そしてその夜、野営地でアンドリュー将軍はまたカイル辺境伯のテントに来た。


「カイル卿、また休みの時間ですまんな。」

「構わないよ、アンドリュー将軍、例の話しだろ。」

「ああ、結局今日一日も魔獣は出でこなかった、偵察した騎兵も周りに動物以外に魔獣一匹もなかったと報告した、いい事なのに、逆に困ったな。」

「少なくとも昨晩懸念したサイクロプスではないとわかったでも嬉しい話と思うよ、しかしこの事ホントに変だな、現状で考えるとここ3日軍隊を付いてくる強い魔獣、しかし襲ってこない…、他の何の情報もないし、俺では知性が高くしかも強い魔獣それしか考えられない。」

「カイル卿、もしホントに魔獣が行軍に付いてるのであれば、王都に連れて行くにはいかない。どうやら念のため一旦行軍を止まって周りに詳しく偵察する必要があるそうだ。」


『辺境伯様、ベネットから早馬の手紙が来ました。』


テントの外に騎士から連絡が来ました。カイルとアンドリューの周りの空気も一気に緊張する、もしかして帝国軍の再侵攻の知らせか?


「入れ!」

「は!」


カイルはすぐに手紙を確認し、手紙を読み終わったら、カイルは肺の中にいた重い空気を一気出しました。アンドリューもカイルのリラックスした顔を見ると再侵攻ではないのと事がわかった。


「ふぅ…帝国軍の事ではなく良かった。母上を呪いのアイテムを売った例の商人を見つけたそうです、手紙ではその商人も騙されたそうですが、商人が仕入れしたあの商品は帝国間者から裏で手を加えたそうでした。」

「また帝国が、あいつらホントにベネットが欲しそうですなぁ。」

「それ以外に、手紙に他に気になることを書いている。」

「ほぅ。」

「手紙の後半では我々はベネットを出たあとの夜、城壁前の戦場で数少ないが霊体系や獣の魔獣が出たそうだ。」

「待て待てカイル卿、何がおかしい、何で魔獣が出た事を報告するのだ。」

「そのくらい、この3週間、前線で魔獣が全く出なかった事が、兵士たちもおかしいと感じたでしょう、グレンは小心者だからよ、だから魔獣が出たでは元に戻ったと言いたいでしょう。」


カイルとアンドリューも冷めたお茶を一口飲む。少しの沈黙、二人とも別々でこの件について考えている。


「カイル卿、ワシはひとつありえないことを考えましたが。」

「アンドリュー将軍、偶然ですね、俺も恐らくあなたと同じ事を考えましたよ。」


カイルはテント内の人払いをした。


「思い返すと、彼女がベネットにいる間魔獣は出なかった、その後ずっと俺たちと同行してる。今の変な状況と一致する。彼女…ただの回復魔法が上手いなヒーラーではなく、ガチの聖女様の可能性と思います。」

「カイル卿、ワシの見方ではちょっと違うね。」

「え?」


アンドリューは急に小さい声でカイルに話した。


「カイル卿は辺境にいる時間が多いが、カウレシア王国にいる噂の創造神の使者様の事は聞いたことあるのか?」

「ええ、自分の事を世界を()()()な使者様と呼び、聖王国で大聖堂を燃やしたくらい。」

「ワシが持ってる情報では、使者様は若い女性、カウレシア王国の魔の森で住んている、一言で2000人の聖騎士を跪く事ができる、使者さまに対しどんな魔法も効かない、これらは実際使者様を見た商人から情報だ。」


カイルは頭を押さえた。


「若い女性、カウレシア王国に住んでる、癒やす者、どんな魔法も効かない、あのロイド急に動けなくなった、全くわからない水の魔法…は…はは…。はぁ…心当たりあり過ぎだ。」

「これはあくまでワシの予想だ、ここだけの話ししておこう、もし間違ったら本物の使者様が怒るがもしれない、何せもし本物の使者様が怒るとこの世界が終わる、っと聖王国の件で使者の口から話したそうだ。」

「何だこれ!初耳だ。」

「ジー!!ワシは直接聖王国で住んてる協力者からの報告を見ただからな、情報を何回回って、カイル卿の耳に入ったら多分半分は違うだろ。」

「もし将軍の考えたことがホントでは、もしあのロイドとターナー嬢たちが彼女に怒られたら…。」


二人は再び冷めたお茶を飲み、アンドリューは再び話した。


「幸い、彼女は怒った気配はない、カイル卿、確かあのロイドと闇ギルドのやつも軍隊の後ろで連れているだろ?」

「ええ、彼らは他国の民、しかし友好国の要人に無礼を果たした、これはもう陛下に判断しないとダメな案件になるよ。」

「では彼女を嫌なことを思い出さないように、ロイドがいる事を隠しましょう、絶対彼女に会わないようにね。」

「そのまま聖女様として対応するのはホントに良いでしょうか。」

「ワシの考えですが、そのまま聖女様扱いにした方がいいと思うよ、先ほどは全部ただの推論だけ、逆に使者様扱いでは彼女にご迷惑をかけると思うぞ。」

「お、おう。」

「わかったか、これは全部ここでの話、ワシが出たら何もなかったかのようにしなさい。それと念のため、明日も今日と同じく警戒態勢する。」

「承知しました。」


アンドリューはお茶を一気に飲み切ったあと、困った顔でテントに出た。


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もう移動四日目になった、いくつの街を通過したが、未だに城らしい物は見えない。昨日辺境伯様の提案で騎士さまの馬に乗った、人生初めての乗馬ですが意外と楽しかった、一番楽しいのは久しぶりに動物をモブモブした事、余は満足満足。手綱を握った女騎士様のコントロールはすごい、馬車と違って全く酔わない!!女性騎士様の話しでは暴れ馬に乗ると騎士たちも酔いますと話しました、でもこの馬は大人しいだから酔わないそうです。


だから今日俺も同じ馬に乗って移動する、もうあんな馬車にも戻れないよ。そして移動の途中、昨日から一緒に乗馬に変えた将軍様が愛馬と共に俺の横に来た。


「聖女様、この速度ではあと2日くらいで王都に到着します。ここ数日ずっとテントで寝るのは申し訳ございません、今日は大きいな街で補給する予定がある、夜はその街の領主屋敷で泊まることになります、もう少しの辛抱です。」

「ありがとうございます。私は野営でも別に構いませんので、お構いなくどうぞ行軍の予定通りでお願い致します。」

「ご配慮くださりありがとうございます。」


あと2日でまた謁見が、ホントに面倒くさい、王様の話を適当うんうんして、依頼証明にサインし王都の冒険者ギルドに提出したら金が貰える、そのまま王都でお土産を買ってから帰ろうか。


お土産は何を買うかと手綱を握った女性騎士さまと相談したまま、四日目の移動も何もなく終わりました。


夕方は将軍様の言う通り結構大きな街に到着しました、兵士たちは残念ですが、街の外で野営。街に入る前に…俺はまた強制的馬車で例の聖女服に着替え、行軍が街に入ると俺も再び馬車の中で見せパンダのように笑顔で手を振った、そして偉い組と共に街の領主の屋敷に伺った。だから誰にも俺のことを知らないだから、隠れる方がいいのでは?


領主屋敷での夕食、久しぶりに海魚を食べましたよ、聞いた話ではここは海に近いみたい。そっか、では帰りにちょっと海の街に飛んで、海魚を買って皆にお土産にするか、マイホームで天ぷらを作ろ…いかんいかんよだれが。こんな感じで領主の屋敷では俺はずっと食べ物への妄想で、偉い人たちが何を話したのかを全く覚えなかったです。


夜は豪華な客室に用意され、ふかふかなベッドで寝ました。

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