85 嘘が多い貴族世界
同日の深夜、辺境伯家グレンの執務室、グレンは怒った顔で執事長のジョセフと
「この報告はホントですよね。」
「はい、
「よくやった、これで父上の要件、例の聖女の無実を証明できる。それとは別で、辺境伯家この一年間出入りした商人を調べてくれ。これを売った人を見つけ出せ。」
グレンは装飾箱の中にいる物をジョセフに見せた。
「これは確かレイラ様の。」
「例の聖女
「レイラ様の事確か前は教会の人に浄化魔法を使ったはずですが。」
「そうだね、そこも怪しい。あの時浄化した人も探してくれ、
「かしこまりました。」
「影はあの聖女の周りを見張ってくれ、父上の話しを信用しないではないが、他国の人がわざわざ別国の辺境で戦争に参加するのはどうも怪しいすぎる。」
ゴンゴン
扉からノックの音が響いた。
「誰だ。」
「わたくしです。」
「マリアが…」
振り返ると、
「入っていいよ。」
マリアとメイドのミアが一緒にグレンの執務室に入った。
「もしかしてあの聖女の件か?護衛から何の報告も受けてないが。」
「はい、お祖母様と聖女様についてお話があります。」
「わかった、ジョセフ、お茶を入れてくれ。」
「かしこまりました。」
グレンとマリアはソファーに座り、ソファー前ですぐにお茶を入れてくれた。ここでマリアから話し出す。
「先ほどグレンが離れたあと、聖女様はお祖母様と握手しただけで、お祖母様の呪いを浄化したみたいです。」
「ははっ…冗談にも程がある。」
「ええ、わたくしも信じませんが、しかしお祖母様の話しでは聖女様と握手したあと、身体が洗ったのように感じしましたわ。」
「へぇ、面白い魔法ね。」
「魔法のはわかりません、彼女は呪文は謳っていませんの。」
「ではホントにただの握手…か。って何故ミラは一緒に来るのか?」
「聖女様はミラ体内の呪いも一緒に浄化しましたのです。」
「そうですか、ではミラ、あの聖女は本物と思いますか?」
ミラはグレンに一礼し、返事した。
「申し訳ございませんが、本物の定義はよくわかりません。ただ先ほどグレン様たちが来た時、扉を開けた瞬間、レイラ様とわたしも寝室の空気を一瞬軽くなったと感じました。」
「フム…。」
「そして、聖女様と握手したあと、レイラ様の咳は明らかに減りました。わたしも彼女と握手した時もレイラ様と話した通りで身体は洗ったのようにように軽い、貼り付けたモノがなくなったの感じです。」
「わかった、彼女は一応父上の命の恩人だ、そのまま他国貴賓として対応してくれ。」
「かしこまりました。」
「明日援軍は到着する、父上が戻ったら彼女の事を父上に任せると良い。」
「旦那様、彼女の帝国間者の疑いは?」
「ああ、マリアも知った通り、あの司祭代理の自作自演、あの聖女はホントにただの志願兵だ。」
「やっぱりですわね、あの司祭代理あんな可愛い子を襲ってないで、逆に訴えるのはありえないですもの。」
「あの聖女怪しいのも無理もない、遠いからここに来て志願兵する人は絶対別の目的がある。」
「先ほどメイドたちにこっそり客室を確認しましたわ、彼女普通に寢ってしましたわ。」
「何もなければ一番いいですが、父上を騙すの可能性も無くはない、護衛たちにしっかり彼女の事を見張ってくれないと。」
「ではわたくし明日も今日のように彼女の事を聖女様として扱ってますわ。」
「ありがとう、父上戻るまででいい。」
こうして、辺境伯家夜の会議は終わった。
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気持ちいい…日曜日自宅で二度寝するのは最高〜!あとで昨日買ったあのゲームをやろう。でも今週は残業したばっかりだから、もう少し…
冷たい!!!!
胸元の氷のヤツ魔道具のせいで一瞬で起きました、当然それは誰かが俺の障壁を触った証拠、すぐに起きて戦闘態勢にする。
すぐに見たのは豪華な客室と多分俺の障壁に触れたメイドさん。そっか昨日辺境伯家で身を隠すよね。ベッドが気持ちよ過ぎで日本にいる俺のアパートにいると錯覚したよ、しかし懐かしい夢だ。
「あ、あの、申し訳ございません、聖女様。朝なのでわたしはただ貴方様を起こすだけです。」
「すみません、ここ数日前線にいるので、ちょっと神経質なだけです。起こしてくれでありがとうございます。」
「いえいえ、もうすぐ朝食の時間でございます、お着替えは…。」
「そのまま修道服でいいわ、気にしないでください。」
「では準備出来たら、お呼びください、食堂にご案内します。」
「あの、できれば部屋でお食事することはできるでしょうか?お貴族様と一緒にお食事するのは食べ辛いです。」
「そう…ですが、では奥様にご確認いたします。」
「ありがとうございます。」
はぁ〜折角のいい夢…懐かしい。俺が消えたあと家族は幸せに生きてるのかな、バカ友たちは今は何をやってるだろ、会社は別にいいや。…ああ〜やめやめ、考えるのはなし、鬱になりそう。コーヒー…飲みたいなぁ。
ベッドから降りて、先ほどのメイドは外に出てきたので部屋中誰もいない、魔法を使って顔を洗って、歯を磨いて、客室にある櫛で髪を梳かす。そして時間ぴったりでメイドさんは朝食を持って戻りました。良かった、またグレン様たちとお食事するのはごめんだ、あの話題なしの空気はホントに苦手です。
美味しい朝食を堪能したあと、一応捕まったフリするので、俺は辺境伯様の連絡が来る前にずっと部屋に待機する。未だに爆発音も聞こえないので、帝国側は今日は攻めてこないと思う。そのせいで凄く暇で、メイドさんと世間話をしました。
朝食のあと多分1〜2時間が過ぎ、戦場とは逆の方から人々の歓声が聞こえた、こんな感じでは王都からの援軍はベネットに到着したね。結局昼食を食べ終わったけど誰も来てなかった…って俺のスパイの疑いはホントに大丈夫よね。
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辺境伯のカイルは全身豪華な装甲、紺色の短髪の大男爺さんと共に辺境伯家の応接の間に来た。
「アンドリュー将軍、救援に感謝する。どうぞ座ってください。」
「いいや、カイル卿。また会えてホント良かった、こっちにはできる限り早く来るつもりでしたが、途中大雨があって少々遅れました、申し訳ない。しかし、先ほど聞く限りまさかこんな兵力でベネットを守っただけではなく、帝国軍を打ち返せるのは流石ですな。」
「俺もまた会えってホントに嬉しいよ、しかしそれは俺の力ではない、予想外の助っ人があっただから帝国軍を打ち返せるよ。」
「先ほどの会議で、帝国の英雄は上位魔法を連続で撃ってきたよね、実際は信じがたいが、彼の魔力は無限なのか?」
『魔力は無限なわけないだろ。』
その声の方向を見ると、応接の間の扉は再び開き、金色の紋章付き黒ロープを着た長い金髪の男性がグレンとマリアと共に来た。
「先ほどの会議での話を聞いたらあの英雄は上位魔法を連続で撃てるが、昨日の奇襲では連続3発撃った後、身を隠れてる木の上から落ちたみたい、あれは魔力が急に減ったのせいで気絶したと思う、俺の予想では彼はただ魔力量の上限が高いだけと思う。魔道士団団長のこの俺、ルイス様が言ったのだから、間違いはない!ははっ!」
ルイスはドヤ顔し、後ろにいるマリアは慌てて代わりに謝ります。
「
「いいさ、お嬢さん、ワシはこいつの性格誰もよく知ってる、その楽天的性格は逆にありがたいのう。」
「失礼しました、アンドリュー将軍、それと久しぶりです。長男グレンでございます。」
「妻のマリアでございます。」
「ワシは堅苦しいのは苦手だ、気楽で良い。ふたりとも久しぶりだ、前に会った時はマリア嬢との結婚式ね。」
「グレン、マリア、ただいま。」
「ご無事で何よりです、父上。」
「実際昨日は一回死んだね、ははっ面目ない!」
「父上、笑い事ではないです!」
ルイス魔道士団団長、グレンとマリアも応接の間のソファーに座り、メイドたちはすぐにお茶を淹れました。ここでルイスは急にグレンに真面目の顔で話す。
「グレン、大丈夫だ。今回の侵攻では英雄を出してくれたとの情報を得た、だから陛下は将軍様と俺、援軍と駆けつけた。先ほどの軍議の話しではベネットの兵力と援軍を数でははほぼ帝国軍と同じ、それに先ほど辺境伯様から話した英雄の上位魔法を備えるために、全魔道士は障壁に手配した、もしもの場合があっても、俺も障壁を張る、だから一応安心はできるよ。」
「はぁ、これは良かった、ホントに父上も悪い冗談は止めてください。」
カイルはグレンの話しを無視して、仕事モードでアンドリューとルイスに話した。
「ってそれより、アンドリュー将軍、ルイス魔道士団団長。先ほど軍議で出た帝国の間者について、お二人も一緒に見届けたいです。」
「例の件が、確かにホントでは
「当事者をすでにここで呼びました。」
辺境伯の言葉を聞いた使用人たちはすぐに外で待機している4人を応接の間に案内しました。カイルは彼らを紹介する。
「アンドリュー将軍。例の間者を発見したのはこちらのターナー伯爵家のご令嬢と
応接の間に入ったのは、高級な白い修道服を身にまとう司祭代理と同じく清楚な白いシスター修道服を着ているジェナたちだ。司祭代理とお嬢様たちは国のトップの方々に挨拶した。そして辺境伯もすぐに彼らを褒めはじめた。
「お嬢様たちと司祭代理も座ってくれ。今回の防衛戦はホントに助かった、礼を言う。」
辺境伯のお礼に対して、4人の中で身分一番高いターナー伯爵家の三女のジェナが代わりに返事をする。
「恐縮でございます、わたくしたちはただヒーラーとしては当然の事しただけですわ、戦争で怪我してる人を見たくありませんですもの。」
「ターナー嬢はホントにご謙遜を、今回の防戦ヒーラーはたったの30人くらいで、死傷者をこんなに抑えるのは、君たちのおかげだだから自信を持って良い。」
ルイス魔道士団団長も口を挟んだ。
「確かに、これは凄いことだ。辺境伯様の話ではお嬢様たちがいないと、ベネットは多分すでに陥落した。この件について必ず陛下に報告致します。」
「そんな、大袈裟ですわ、ありがとうございます、魔道士団団長様。」
今度はアンドリュー将軍から司祭代理に話した。
「って、司祭代理は今回間者を発見したですよね、発見の過程を詳しく説明してくれ、それとあの間者は何の情報を漏らした。」
司祭代理のロイドは落ち着いたまま、将軍に返事する。
「かしこまりました、将軍様。一昨日の昼、帝国軍の防戦が一段落になったあと、辺境伯様は治療テントにご来訪しました。」
「フム…そうだな。」
「その後、自分教会に戻る途中、木の下で寢ってる間者、自称カウレシア王国から来たヒーラーの志願兵アイリスと言う少女を見かけました。前線で少女一人で寝るのは危ないので、彼女を教会まで運ぶつもりです。」
「ほう、では間者はその少女が…。」
「はい、でも彼女はすぐに起きてそのまま治療テントに戻った。しかし慌てているなのか、彼女が寝てる場所に軍の情報を書いてる手紙が残ってしました。」
メイドたちが話を聞いて、証拠のアイリスのカバンを持ってきました。将軍と魔道士団団長そして辺境伯も一緒にその2〜3枚の手紙の内容を確認する。将軍はここで話し出す。
「この情報、軍の数、ヒーラーの数、援軍予定到着日、それに最後のこの模様は確か帝国の暗号だ。この手紙はホントに帝国間者のものと思う。」
ロイドは引き続き当時の事を説明した。
「当時自分はこの手紙については詳しくはないが、手紙には軍の情報が書いてるのを見て、念のため当日の夜彼女を自分の執務室に呼び出し手紙の事を確認しました。ですが彼女は逆に自分を勧誘しました。この戦いはベネット負ける決定だ、もしこの手紙の事を何も言わず返すと彼女は帝国軍に連絡し、ベネットを占拠する時は自分を殺しはしないと提案された。」
「確かに、そなたは聖王国の人間、その手は効果はあるね。」
「はい、その時彼女の正体を気付きました、しかし自分にとってベネットはすでに我が第二の故郷なので、その提案を断った、そして聖属性魔法で彼女を捕獲するつもりですが、彼女は魔法障壁を張れる魔道具が持ってるのため、捕まれなかったです。」
魔道具の話でルイスは急に興味が湧いてきた。
「ほう、こんな夢のような魔道具のは、是非見てみたいですね。」
ロイドは再び話す。
「この件はベネットの防衛戦について、大きいな影響と思って、彼女に逃げられたあとすぐにターナー様に報告しました。」
説明をジェナに交わした。
「はい、先日の夜ロイド様にこの件について話した時、わたくしたち三人で一緒にお聞きしましたわ、その後すぐに辺境伯様にご報告しましたの。それに翌日、今日は彼女のこのカバンの中他の手紙と帝国のバッチも発見しましたわ、確証を得ましたのでわたくしはターナー伯爵家の私兵で彼女を捕まると思うですが、運良く彼女はすでに辺境伯様の騎士たちに捕まり、現在この屋敷の地下牢でございます。わたくしたちの報告は以上でございます。」
将軍はちょっと考えて、疑問点を話した。
「司祭代理、その間者あなたの執務室から逃げ出したあと、何故何もないようにベネット軍に残ってるの?」
「はい、自分の考えですが、彼女のあの魔力障壁を張れる魔道具はとても強力です、自分のホーリーチェーン2回も防ぎました、一応自分の聖属性魔法は聖王国では上位に属するのです。多分彼女はその魔道具がいるだからベネットの軍に恐れていないと考えています。」
「なるほど。って辺境伯殿、例の間者に拷問は…できそうもないが、今も地下牢にいるのか?」
「ええ、この
メイドたちも話を聞いて、外に待機しているアイリスを応接の間に案内しました。