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74 戦争への準備

トイエリさんのあの変わった後押しで、ヒーラーとしてこの戦争に介入すると決定しました。校長室から出て、ベッドから起きたらまずはもう家族同様になった神竜様に先に説明するんですよね。長く留守だと思うので、出発する前に神竜様にお風呂に入ってから戦争に介入すると説明します。


「ごめんなさいね、私、この戦争にヒーラーとして介入すると決定しました、これは私にとっては元の身体との決別の戦いです。いつ戻るのはわからないので、留守番お願い致します。」


神竜様のお風呂が終わり、畑仕事をするつもりだった時、急に薬草と野菜畑の上に水球が現れて、パーンと雨のように野菜たちに水やりしました…神竜様が。俺はすぐに神竜様に向かって、その爪に触れた。


「ありがとう、終わったらすぐに戻りますので、ここはお願いね。」


その大きな頭でスリスリと顔を擦り付けている。手を伸ばして神竜様を撫でると、目を細めながらじっとしたまま受け入れてくれている。何となくこの子の考え事がわかった気がする、自分の勘違いかもしれないが、ホントに感謝している。では持っていくものを準備し、生の食材をマリアンヌに贈ろう。


その後、俺は制服ではなく、平民の格好のままにした、別国に行くから、冒険者のマントの中にいつもの魔力遮断効果があるな学園のケープ、少々暑苦しいですが、念のためです。では早速王都冒険者ギルドに行く。ギルドの朝は忙しいのでマリアンヌに心配をかけないように、用事でちょっと留守するだけと伝えて、残った食材はマリアンヌに贈った。その後、ギルマスに面会したいと話すと、今のようにギルマスと副ギルマスと一緒に会議室で面会した。


「お時間いただきありがとうございます。ギルマスと副ギルマス。」

「お、おう。」

「ワシらは気にしませんよ、何が用事ですか?」

「はい、実は私はウンディーチア王国の辺境に行って、志願兵として自分の回復魔法で人を癒やしたいです。私鉄ランクなので、もし可能では冒険者ギルドに紹介状を書いて欲しいです。」


これを聞いて、ギルマスのふたりは驚いてる。


「あの、アイリス嬢、何故ウンディーチアとジキタリスの戦争に参加する気なのですか?これはあなたと関係ないではないですか、危険ですよ。」

「マリアンヌは絶対…心配する!ダメ!」

「詳しい話は言えませんが、私には力がある、できればこの戦争で死傷者を減らしたいです。」


しばらくお互い沈黙のまま、先に口を出したのは副ギルマス。


「その原因ワシらは知りませんが、アイリス嬢もすでに決意しましたから、冒険者の行き先を決める資格ワシらにはありません、ジャックは?」


ギルマスは目を閉じて、天井に向けてそう話した。


「…アイリス嬢ちゃん、あんたの実力では心配はないが、しかし帝国では噂の英雄も出てくる。あんたが死んだらマリアンヌ絶対悲しむ、彼女にもう話したのか?フレッドが話した通り、冒険者が何処へ行くのは自由だ、紹介状を書いてもいいが、絶対マリアンヌにこの事を話すのは条件だ。」


流石ギルマス、俺はマリアンヌに心配しないように言わないまま行くと読まれたみたい。でも手を組んで、天井に向け目を閉じたままこんな真面目な話をするのはちょっと…。


「わかりました、あとでお昼な時ちゃんと彼女に伝えます。」

「ではワシは先に書いてくる、あとでマリアンヌに渡すから、彼女に説明したら彼女からあなたに渡すと思う。」

「ありがとうございます。」


こうして、俺は冒険者ギルドから離れ、王城に行きたいが、平民の格好ではダメな気がするので学園に向かった、運良くビアンカ様は学園長室で仕事しております。


「なるほど、しばらくお留守ですが、それにしても今回はウンディーチア王国とジキタリス帝国の戦争に介入ですが、使者様にも大変ですね。」

「そうですね、使者として直接介入すると、どっちの味方みたいで中立ではなくなるし、こんな形で死傷者を減らすと瘴気を浄化するしかないです。王妃様に直接話したいですが、平民の姿なので、王城に入るのは良くないのため、王様と王妃様への伝言をお願い致します。」

「かしこまりました、わたしあとでお伝えします。しかしアイリス様、前にも戦争を介入したことはないですよね。」

「はい、帝国に無理やり召喚されたのはほぼ一年前の話しです。」

「では、一応お伝え致します。敵は帝国軍だけではありません、ウンディーチアの軍営にいてもご自分の身を守ってください、特に夜です。」

「え?夜襲の意味ですか?」

「いいえ、あなた様のご容姿の問題で、規律守らない兵士に乱暴するの可能性がありますです。」


確かにこの世界に来た後、寝るのは姫様の部屋、自宅、王城だけですね、平民用の宿も使ったことない。王都の人はあの勇者との決闘で俺の実力がわかるから、絡まってこない。でも外国では最初からゼロから想定しないとダメですね、これは思わなかった。


「うっわ、これは大問題です。」

「残念ですが、どこの国も女性が戦場に出るのは男性より倍以上の危険があります、特に冒険者の志願兵では貴族や正規兵に見下す事あるので、女性では無理やり夜の営みの事もあるのです。」

「ありがとうございます、その時は遠慮無くその愚息を蹴ります。あ!そうだ、この前杖を作る時の考えた物を試しに作りますか。」


ビアンカ様の忠告のおかげで、他に用意するものが増えました、俺は軽くやりたいことをビアンカ様に説明したら。


「これは理想的過ぎる魔道具では?ホントに作れるではわたしも興味があります、しかし恐らくこのくらいの大きいさの魔石でないとダメです、お持ちありますか?」

「残念ですが、魔獣は私を避けるので、普段も買っていないので魔石は持っていません。あとで冒険者ギルドで買うつもりです。」


それを聞いて、ビアンカ様は執務机の机に大きさ5CMくらいの深い赤の魔石と小さな青白な金属ミスリルを渡した。


「ではこれを使ってください。ワクワク。」

「……ここで?」

「うん。」

「…今?」

「うん。」

「…作れっと?」

「はい、大変興味がありますので、もし成功すればこれは要人を守ることを手助けになりますです。」

「いいげと、多分ビアンカ様は出来ませんですが…試しに、その魔石を私に触れてみて。」

「はい、どうぞ。」


魔石は一瞬で深い赤から透明になって、淡い白い光を発した。それとミスリルはいつもアクセサリーを作るように、粒子の繋がりを少し弱めて粘土のようになる。


「……あの…魔石が…ミスリルが…何があったですか?」

「魔石の瘴気を浄化しましたよ、ミスリル…説明でも理解できないと思うが。」

「な、なるほど…こんな神業を近くに見えるのは、感激です!」

「いいえ、途中わからない事があれば、ビアンカ様の手伝いと知識は必要です。」

「お任せてください!」


ビアンカ様の目はキラキラしている…あれから3時間経過、()()()の試作魔導具っぽい物を作った、これで多分夜は安心だと思う。完成後、ビアンカ様は相変わらずキラキラしている、当然です、こんないいものを合同で作っていました、それに俺の作り方を見た彼女は今度はこの世界の技術で再現すると研究者魂が燃え上がってる。それもいいですが、伝言を忘れないでください。お礼として彼女が持ついくつの魔石を浄化させた。


昼になって、ここは一番の難関、マリアンヌに説明に行こう。マリアンヌと冒険者ギルドの会議室でお昼した、当然謎の紹介状を渡されたマリアンヌは薄々何があったのかと思う。


「って、アイリスちゃん、今回は何があったの?副ギルマスからこんな物を渡されたですが。」

「実はウンディーチアとジキタリスの戦争に介入しますです…冒険者のヒーラーとして。」

「なるほど、心配は心配ですが、あなたでは大丈夫でしょう。」

「ごめんなさい。」

「謝る必要はないでしょう、これはあなたの使命ですから。しかし姫様(英雄)もいるわ、ウンディーチア王国勝てるでしょうか。」

「私の知った範囲ですが、あの英雄が無力化すれば、帝国は間違いなく負けると思う。」

「え?何でですか?」

「こっちの話しですが、ここで聞いて終わりにしますね。」

「待て待て、わたし聞いていいですか?」

「一応マリアンヌにも関係あるので、トイエリ様は私たち脱走したあと、ジキタリス帝国に天罰を与えました、」

「…ほぅ…これはこれは、続けて。」

「ジキタリス帝国の全土の精霊たち20年間3割別国に異動した、例えこの国の帝国所属の人では精霊たちはあんまり手伝わないの感じ…ま、マリアンヌ…素晴らしい笑顔になってますよ。」

「当然よ、わたしを殺そうとする国ですもの、これは嬉しいお知らせですわ。」

「まさかのメシウマ。」

「うん?何が言いましたか?」

「いいえ、何でもありませんです。では戦争終わる前にウンディーチア王国の辺境にいると思うので、お土産楽しみにしていてください。」

「わかったわ、気を付けてね、何ぜ大勢の男の中にいるですからね。」

「うん、ビアンカ様も言われましたので、すでに対策済みです。」


マリアンヌは俺を抱きしめた。


「口では心配はしないが、戦争ですもの、何があったのかわからない、ホントは心配です。だから無理しないように、早めに帰ってくださいね。」

「ありがとう、マリアンヌの事も心配です、回復魔法の頻度は一週間一回だけとちゃんと守ってくださいね。」

「もう、わたし最近はもう使っていませんわ。」

「使ってもいいが程々にね。」

「はいはい。」


抱きしめたまま約2分、ようやく解放されました。ご飯を食べ終わるまではいつもの世間話やお土産の話し、その後、マリアンヌからギルドの紹介状を渡され、俺は再び冒険者ギルドから出てきた。


最後、念のためトイエリ教会に行き、司祭のおばあちゃんに説明したらもう一通の紹介状を書いてくれた。そしておばあちゃんもマリアンヌと同じく抱きしめられた。


「ヒーラーとわ言え、危険もあるです、何があったら逃げてくださいね、アイリスちゃん。」

「わかったわ、おばちゃん。」

「あたしも祈りしますから、無事で帰ってくださいね。」

「ありがとうございます、では私出発しますので、お元気で。」

「うん、お気をつけてね。」


こうして、王都から離れ、ウンディーチア王国の辺境に向かって飛び出した。

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