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70 嫌な予感

翌日、ウンディーチア王国のヘンリー王子たちはカウレシア王国の騎士たちと共に王城に来た。今は謁見の場でヘンリー王子は国王のセオドリクに謁見した。


「ようこそ、ヘンリー王子、ご無事で良かったです、まさかサイクロプスとシャドウウルフを操るの盗賊団があるとは。」

「セオドリク陛下、先ずは辺境伯の騎士達の護衛に感謝致します。しかしサイクロプスとシャドウウルフも我が国にいる魔獣のため、昨日の盗賊たちは恐らく我が国も関わっている可能性が大きいです。もし可能であれば、彼らを我が国を連れて尋問し裏を取りたいです。」

「うん、そうしたいですが、報告では約30人で人数も多い分途中の危険も増える、それに今回ご来訪の目的は4月から我が国の貴族魔法学園で二年生としての入学の準備、無駄足なのもよくないだろ。それに戻る道にも危険があるかもしれない。では我らから貴国に連絡し貴国の尋問官が来て彼らを尋問する、あとはリーター格の者と協力した盗賊のみを連れで戻れば良いでは?」

「それもそうですね、ではお言葉に甘えて、ウンディーチア王国にご連絡をよろしくお願いします。ーー陛下、それともうひとつお伺いたい事があります。」

「何だろ。」

「実は今回の盗賊騒ぎについて、貴国の学園の生徒が助けってもらったです。」

「う、うん…。」

「彼女ひとりで盗賊とサイクロプスを倒しましたので、彼女なしではこちらの全員サイクロプスに全滅させられたでしょう。お礼がしたいので、彼女の事を探すことは出来ませんか?」

「あ…。多分その彼女は我が国の研究員です、しかし彼女は今王都にいない、しかも彼女人見知りのため、お礼は我が代わりに彼女に伝えておこう。」

「そう…ですが。」

「長い旅でヘンリー王子もお疲れでしょう、部屋はすでに用意しましたので、入学の手続きもこちらでお任せてください。申し訳ない、急用があるので、ここで解散しましょう。宰相、ちょっと来てくれ。」

「かしこまりました。」


セオドリクと宰相は謁見の隣の執務室に入った。


「良いも悪くもわからん、まだ彼女に助かれた、はぁ~先日可能の限り彼女を面倒事を関わりたくないと決めたばっかりなのにね。」

「一応王妃様にお伝え、彼女が着たらヘンリー王子のお礼を受けるかどうか確認するのはどうですかな。」

「これしかない、ヘンリー王子は珍しく未だに婚約者がいないだろ、彼女と会うのはマズイな予感がする、もし彼女の事を気にったら、向こうは友好国で対応が難しくなる。」

「ではメイドたちにもしアイリス様が来たら出来れば裏の道を使ってと話しましょう。」

「出来れば王城に来ない方がいいですが、ミラが彼女に会うのは楽しみだからね。ーーあ!ビアンカ殿も連絡してくれ、彼女がいる時は図書室を誰にも入らないように。」

「かしこまりました。しかしもしヘンリー王子が王城の外で彼女を出会ったすると、避けられないでは?」

「ええ、だから一応アイリス様に話して、外では彼女に判断に任せるしかない。」

「了解しました、ではワシは先にメイド長に連絡致します。」

「ああ、頼むぞ。」


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俺のカレンダーでは新しい一年になった、この世界に来た時は自前のカレンダーで逆算では確か4月末くらいみたい、ではもうすぐ一年になる、早いね。


あれから俺の平和な日常が戻りました、王妃様の専属メイドのアンナさんの事を聞いて、彼女の依頼を早めに完成させ、次の王都への日はまた王妃様に会ってアンナさんにその下着セットを渡しました、勿論前回王妃様のセットより控えめのデザインです。王妃様曰く、あの日アンナさんはすぐに仕事上がって、家で早めに子作りの準備すると。何だよ、あの草食系の旦那様めっちゃ愛される、リア充爆発しろ…いやいや、俺の周りは全員リア充ではないか?!


そして王妃様から驚きのお知らせを聞かれました、先日俺夕方助けた貴族っぽい馬車の中にはカウレシア王国南の友好国、水の都と言われたウンディーチア王国の第二王子が乗ってる、彼は俺にお礼がしたいですが、嫌な予感がするしかないので、王妃様に俺は男性苦手を偽って代わりにお礼の言葉だけ受けて欲しいとお願いした。あ〜だから今日王城に来た時いつもの道ではなくメイドたち用の道で移動しますね。王城に来ないのが一番いいですが…王妃様もうそろそろ生まれると思うし、できれば生まれる前に一緒にしたい。ずっと部屋で運動しないまま座ってるのは生まれる時は体の負担も増やすとメイドたちに説得して、今はヨカみたいな柔軟体操を彼女たちに教えた。


その他に冒険者ギルドではあの念のためマリアンヌに追加報告用の謎の薬草は判明された、すこしレアで何がの薬の効果を上がるみたい、薬師ではない俺ではとりあえず毎週その2つの薬草も追加で売ることになった。


マリアンヌの美顔魔法も確認して、彼女は魔力操作の練習は段々慣れてきました、こっちにも見えるくらい、肌が綺麗になった、しかし髪に回復魔法にはまだ成功していないので、恐らく髪についての補習説明が必要と思います。


この前のサイクロプスはこの辺にいない魔獣のため高値で売れましたね、幸い前の赤いミノタウロスのレベルではないので、話題になってない。こちらも魔石以外は全部ギルドに売れましたよ、そのためしばらく金の事を心配しなくでいい、魔石は赤いミノちゃんより少し小さいですが、前と同じく触れた後透明になって、淡い白い光を出しました、これはマイホームでライト扱いでは十分です。


あとは相変わらず時間があればトイエリさんの教会へ寄って、市場でおばちゃんたちに世間話をしながら食べ物を買って帰る感じ。


こんな感じで1ヶ月を過ぎました、この1ヶ月ホントに平和で、何もなかった。1ヶ月前のファレル聖王国での大暴れはカウレシア王国の中では嘘みたいで話題にならない。でも俺も王都しか行ってないし、他の街やカオル教を信じる国では大事になりそうですね。でもこれもトイエリさんの言う通り、歴史の一部ですから、平民の俺はいつも通り生活すればいい。ファレル聖王国は各国への弁償金も払わないとダメですし、流石成金の国はよく滅亡していないね、俺には関係ないですけど。


王妃様からの話では周辺国もトイエリさんの教会を建てると計画しているとの連絡が来ている、だから最近王都のトイエリ教会で神像を見学する人も増えました。しかし何故か問題児のファレル聖王国は誰も来ていない、お詫びの使者すら来ていないそうです。これも王様の仕事で俺には関係ないです。


ちなみに俺の金髪は段々銀髪になって、金髪は残る四分の一、こんな感じではあともう少しで全部銀色になると思う、俺はあの帝国姫とはもう思われないだろ。それ以外の変化は…最近王都に行く時、どうぜ毎週メイドたちの依頼の下着を渡すだから、朝は図書室に行くをやめ、代わりに毎週の朝は王妃様を会いに行った、出産のリスクを減るために出来れば頑丈で柔らかいな体をつくって、一緒に軽い体操をした。


後は毎週いつも通り、運よくあのウンディーチア王国の第二王子に全く会えませんでした、めでたしめでたし。


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そして今日は王都への日、この最後の下着セットを王妃様のメイドさんに渡せば、下着依頼はようやく全部片付く。あとは前にマリアンヌの分も作ると約束した分だけ、では今日ギルドでお昼ごはんの時マリアンヌに彼女のサイズを測りましょう。ギルマスのメガネの感想も聞きたいし。うん…王妃様も多分来月くらい生まれそう、何か心配ですね。ここで急に鳥肌が立つ…。


(…何だろこのむなさわぎ、これは女の直感のやつのか?)


薬草畑で薬草を摘んでる途中、妙に嫌な予感がするが、考えてもわかるものではないので、俺は学園の制服に着替えて、王都へ飛んだ。


王都に入って、冒険者ギルドへ行く途中、俺は変なものを見つけた。時々思ったのですが、嫌な予感は何故が当たるんですね…何故ですかって?ほら、あそこに高そうな馬車が冒険者ギルドの近くに止まっている、ギルドの中から大きな声も聞こえている。今脳内の天使と悪魔が一緒に“絶対ギルドに入るな”と叫んでいる。


(午後また来ればいい、先に王妃様のところに行こう。念のため、フードを被ろ。)


遠回りして王城に来た、ほぼ毎週王妃様に会いに来るので、ほぼ顔バスで城に入れる。それで早めに王妃様の部屋に来た。


「王妃様、アイリス様が来ました。」

「入っていいわ。」


中に入ると、王妃様は俺が教えている体操をやってる。


「アイリスちゃん、今日はお早いですわね。」

「王妃様、おはようございます。冒険者ギルド前に()()()()()を見つけ、嫌な予感がしますので、先にお伺いしました。こちらはメイドさん依頼のものです。」


そのメイドさんは今日は休みみたいなので、アンナさんが代わりに下着を受け取りました。


「申し訳ありませんが、王妃様、自分まだ朝食食べってないので、ここで非常食を食べるのは宜しいでしょうか?」

「あら、アンナ、アイリスちゃんの朝食を用意を。」

「かしこまりました。」

「いいえいいえ、自分は干し肉が持っているので、お気になさらず。」

「アイリスちゃんはわたくしの健康のために沢山教えてくしましたわ、朝食くらいは奢らせてくださいな。」

「で、では頂きます。」


王妃様は朝の体操が終わり、いつものようにソファーで俺が教えたハチミツレモンを食べている。


「って、その不審な馬車は誰のものですか?」

「え?ごめんなさい、自分はよくわかりませんが、真っ黒で高級そうしか知りませんです。」

「ヘンリー王子ではないと願いますわね。」

「あの、あの王子では大変でしょうか?」

「いいえ、彼は優れた容姿がいるなのに、未だに婚約者がいません。アイリスちゃんが興味があれば、紹介してもいいですわ。」

「ありがとうございます。全く興味がありませんです。」

「普通の女の子はすごく喜びなのに、アイリスちゃん変ですわ。」

「誠に残念ですが、普通の女の子ではございませんので。」

「それもそうね。ーーそうだ!最近体はホントに前より疲れにくい、肌が綺麗になった気がしますわ。」

「それは良かったです、引き続き適切な運動があれば、太りにくいし、出産も楽になると思います。」

「何が若くなりましたのような気がしますわ、ありがとうね、アイリスちゃん。」

「これは王妃様頑張っただからです、自分は何もしていないし、それに王妃様はまだまだお若いですから、人間の寿命は百歳に行けますよ。」

「もう、嬉しい事を言いますわね、そう思うとわたくしはまだまだ現役ですわ、ふふ。」


そこでアンナさんが話した。


「王妃様、朝食を届きました。」

「ありがとう、アイリスちゃんに渡して。」

「ありがとうございます。」


ソファー前に何故か豪華な朝食が並んできた。


「そう言えば、アンナ様、あれから旦那様との妊活は順調でしょか?」

「アイリスちゃん、アイリスちゃん、聞いてくださいよ、アンナの旦那様はあなたが話した草食系ではなく、ベッドでは猛獣ですわ、最近アンナは寝不足で、休みを取りましたわ、ね~アンナ。」

「お、王妃様、おやめください。しかしアイリス様の言う通りでやれば、旦那様との関係は良くなりました、ありがとうございます。」

「そうですか、これは良かったです。もうそろそろ1ヶ月ですが、失礼ですが女の子の日は来ましたか?」

「え?そう言えば、未だに…。」

「アンナ、良かったわね。」

「まだ1ヶ月ですから、来月は医者に見た方がいいですよ。」

「は、はい!」


こんな感じで、すごく女性らしい話題を話して王妃様たちと朝を過しました。そして午後、冒険者ギルドに向かった。しかし残念なことに、あの馬車は未だにギルドの近くに止まっている。


その時、急に後ろから誰かが俺の魔力障壁に触れた、すぐに距離を置いて警戒して後ろに向く。

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