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66 ご褒美

ファレル聖王国でのひと仕事が終わり、多分これで俺の平穏な日常は戻れると思う。マリアンヌを王都に送って、戻ったあと神竜様にご褒美のお風呂、あとは何もないように王妃様の依頼を引き続けて作る。


その日の夜、早速トイエリさんに呼ばれました。


ゴンゴン


「どうぞ。」


校長室の扉を開け、いつもの二次元の校長室の中に入ると、そこには今朝と同じ白い軍服を着ているトイエリさんがいた。そして自分の二次元になった体を見ると、迷彩服ではなくいつものギャルゲーの白い制服を着ている。


「雄二くん、お疲れ様。大まかに計画通りってコトね。」

「お疲れ様です。ええ、上手くいくね。しかし正直に言うと今朝は魔力ギリギリだよ、ヒヤヒヤしましたわ。」

「大丈夫です、何があったらあの子がいるでしょう、何とかなるよ。」

「確かに、神竜様の背中に戻れば、誤魔化す事もできるね。」


俺たちはソファーに座り、目の前にはコーヒーが現れた。


「この演出上手く行けば、カオルの信徒を減って、時間はかかるですが、段々私の信徒も増える、一石二鳥ですね。」

「あれからファレル聖王国はどうですかな、あの国上層部はほぼ全員サトウでしょう、今では急に政府半分の人がいないの状態で、隣国に攻めてくるじゃないのかな。」

「心配しなくっていいわ、雄二くんが知らないだけと、あのカオルの末裔は上層部の席を座るだけ…そうですね、あなたの元上司のような感じ?」

「適切なご説明、ありがとうございます。すっごくわかりやすい、即ち毎日午後出勤早退ですね、仕事も適当にサインするだけで高い給料貰えるなゴミ社員ね。」

「全員自分の事を神と認識してる一族だから、仕事できるな人を育てると思う?」

「ないない。」

「でしょう、私ずっとあの一族を片付けたいですけど、あの子を大聖堂を破壊するのは簡単ですが、しかしあの子は話せないだから私の代理で誰も知らないし、ホントにやったらあの子を討伐対象になって、あのカオル教は逆に団結になると簡単に予想できた。だから雄二くんがやってくれてホントに助かったわ。」

「まあ、ヒュウツジア(世界)の中で、俺は成り行きとは言え、もうあなたの使者になっていましたからね。親友の悩みは即ち俺の悩み、違うか?」

「膝枕したいだけでしょう?」

「それも否定はしない。」

「はいはい。」


トイエリさんは自分の膝にボンボンし、その意味がすぐにわかる。


「あなた大好きな椿ちゃんの膝枕ですよ、どうぞ。」

「ホントにいいの?冗談を言っても俺は構わないよ。」

「親友との約束ですからね、私の方は別に構わないわ。それに今のあなたもう女の子でしょう、女の子同士では何も心配もない。」

「女の子になってホントに良かった!では、失礼しまーーす。」


俺はゆっくりと彼女の膝に頭を乗せて体を横にする。


「どう?私膝枕は資料を見ただけですから、間違ったら話してね。」

「おおお!ただ膝なのに安心感が溢れてる、下からトイエリさんの顔を見ると凄く愛らしい、尊いです、ゲームにもこんなシーンがない、俺は幸せ者だ!」

「そう?それは良かった。では耳かきしますから、こっちを向いて。」

「いいの?!ありがとう!」

「今回のあなたの行動はずっとファレル聖王国の王都全員に実況のおかげで、私の信仰は一気に上がりました、これで私のできることも増え、精霊たちの力も上がった、これを褒めないとダメでしょう。」


こう話していると同時に彼女は俺に耳かきしました。この空間では完全に無意味な行動なのに、しかしホントに予想以上に気持ちいい。


「耳かき私もはじめてですから、痛くなったらちゃんと言ってね。」

「うん~~気持ちいい、これは癖になる。」


耳かきしている途中、トイエリさんは手を止め、急にこんな話しをした。


「ねぇ、雄二くん…私を恨んてない?」

「え?何で?」

「私のせいで、ヒュウツジア(世界)に入ったし、家族とはもう会えない、ずっと森で生活して、それに女の子になったわ。」

「はぁ〜心が読めるあなたはもう分かるでしょう、別に恨んでないよ。まぁ~家族と会えないのは寂しいですが、家族とのお別れも“いつか”の話、いつかその日は来る、ただこの日は早めに来ただけ。」

「……。」

「森での生活、魔法があるし、別に不便とは思ってない。薬草を売って安定の収入もあるし、今の生活はほぼ定年後の生活よ、毎日興味に集中できるだから、これはこれで良いじゃない?」

「あなたはホント…達観しましたね。」

「学生時代の脳内年齢測定すでに80歳は伊達じゃない、俺はこんなヤツだからあなたも元々俺をここに派遣する気でしょう。」

「それもそうね、あなたみたいにほぼ無欲、過干渉しないな性格、ホントに最適な使者ですね。」

「最後、女性になったのはあなたのせいではないし、それに美少女になったよ、当社比では男のオタクにはご褒美です、だから気にしなくって良いよ。」

「ふふっ、はははっ!そうだわ、雄二くんはこんな人ですから、ごめんね。急に暗い事を話して。」

「良いって、それにトイエリさんはずっと側にいるだからね。」


トイエリさんは再び耳かきを続けた。


「そうですね、雄二くんは女性の下着を作る事を凄く嬉しいもんね。」

「ちょ!違う!やっぱりあの時を見たのね。」

「当たり前よ、子供の服をブラジャーと勘違って、中身は男なのに女性にブラジャーの用途を説明、おまけに今は楽しくブラジャーを作るっもんね、日本ではとっくに変態扱いしましたわ、ふふっ。」

「勘違いするのは仕方ないだろ、この世界の中にブラジャーがないのは知らないから。それに楽しく作るのはクリエイターとしていい素材が手に入れだから、いい作品を作れるだからね、俺今は女だから別に変態ではない。」

「はいはい、もう一方の耳をこちらに向けて……それとあの王妃とのやり取りも見たよ、着替えてくるっと回って~~!ニコリ!あれは笑いましたわ。」

「はぁ~あの日はもう最悪だわ、メイドたちはコルセットを力一杯で締めたのおかげで、凄く痛い、もう二度とアレを着ないわよ。」

「雄二くんかわいいなのに、ほら見て見て。」


スクリーンを出した音がする、しかし今の俺は耳かき中、しかも方向的にトイエリさんのお腹の方向に向いてる、だから見れない。


「あ〜見えないよ、見えない。あなたのお腹しか見えない。」

「あら、雄二くんのエッチ。」

「目を閉じてるよ。」

「知ってます、ではあの時王妃の視線で見ますか?」

「いや…遠慮します。」

「遠慮しないで、ほら…雄二くん可愛いでしょう。」


俺は目を閉じてるのに、王妃様の視線になって、先日着せ替え時の自分のドレス姿を見せた。


「もう〜止めて、何が自分が女装しているような動画を見てるように恥ずかしいよ。三次元の感性欠けてるのは知ってるでしょう、美男美女の定義がわからないですよ。」

「え〜勿体ないわ、面白いのに。はい、耳かきは終わり。」


王妃様の視線が消え、俺はトイエリさんの膝から起きました。


「では私はしばらくファレル聖王国を続けて観察します。まあ、もし別国から攻められるのも仕方ないですが、それもひとつの歴史の流れですね。ファレル聖王国を手を助ける気はないですから。」

「そうですが、あなたの方針はわかった、では俺も可能の限り干渉はしない。」

「それでいいわ、あなたもそろそろ起きましただから、大好きなコーヒーを飲んで、食べたい物を食べなさい。」

「ありがとう、今度来た時はまた昔いみたいに世間話しましょうね。」

「わかったわ、あなたも下着作り頑張ってね。」

「オイオイ……。」

「もう女の子だから別に良いじゃない?」

「はいはい、では俺は戻りますね。」

「はい、いってらっしゃ~い。」


俺は残りのコーヒーを飲んで、扉からマイホームに帰った。


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翌日、カウレシア王国の国王執務室、ファレル聖王国の密偵の鳥からの新しい報告がセオドリクの手に届いた。


ファレル聖王国国内激変、昨日の朝、神竜様は大聖堂を青い炎で消し、無くなった。創造神トイエリ様の使者はカオル神、ジェフリー元教皇及びその一族の事を悪として断罪を行います。聖王国側も正式にカオル神ではなく、その上の主神トイエリ様を信仰すると急に宗教変更、当然他国には未だにカオル教な事を信じるな信徒が沢山あるが、全ての信徒を納得して、完全にカオル教の事をこの世界から消すのはまだまだ長い時間が必要だ。


それに聖王国の王都内の人々にはずっと使者様断罪の対話をずっと聞いてる、現場で見てる人も大勢いる。使者が去ったあと、すぐに元カオル大聖堂の前に集まり、国の未来の事を現場にいる聖騎士たちに聞いた。そこて使者様から“残るの事を託された”聖騎士のリーダーから、聖王国は変わらない、ただカイル教その上の主神を信仰するだけ、今後の最優先事項はトイエリ様の聖堂を建てる事を宣言し、続けて元大聖堂の広場に来た御三家、賢者、神弓、それと聖槍の三家の当主たちもすぐに立ち上がり、聖王国の今後の事を説明し、責任を取る。これでようやく暴動の展開を避けられた。


当然、サトウ一族が神に断罪され、長くカオルの末裔を支える勇者の御三家はすぐにサトウ一族との関係を切り捨て、実はずっと歴代教皇に強迫され、無理遣り協力させたと告白する。上層部は一気に半分無くなった聖王国では、実質残るの権力者、この御三家の手に入ったと同然。因みに現代の賢者のエリザベス、神弓のリリアン、聖槍のソフィー三人もすぐに元勇者オーウェンと離婚、しばらくは休養と言い訳しての家で軟禁され、当然他の末裔の妻たちも罰を避けるために全員離婚し、苗字も元に戻った。サトウ一族全員36名、トイエリ様から殺しはしないと言われたため、現在全員牢獄に入り、死ぬまで牢獄から出られないだろう。天罰の“嘘を言ったら寿命2日が減る”の事もあり、半分の末裔はずっと黙って何も喋れないままになった。


密偵の報告はほぼこんな感じ、しかし報告の最後、密偵の報告では何回“絶対トイエリ様と使者様の事を怒らせない事”を何回も書いた、さもすれば“世界”そのものが“やり直す”。密偵の報告はここで終わった。


「はぁ…難民が増えそう…。宰相、俺の胃が痛いが、いい薬はあるのか?」

「これ以上いい薬はエリクサーしかありませんな。」

「彼女は使者様の事改めて実感したよ。」

「見た目はただの可愛いらしいお嬢さんですからね、しかし一瞬でファレル聖王国を破滅させた。」

「報告では神竜様の青い炎一撃で大聖堂は灰に、使者様の一言葉で約2000名の聖騎士を跪く、前代勇者の元教皇の上位神聖魔法受けても無傷、精霊に命令してその場の全員魔法を使えない。」

「まぁ、陛下、一応我々とは友好の関係だから、王妃様にも仲がいいと話したのではないか、心配は多分しなくでもいいじゃないのか。?

「それはそうですが、もし一言で彼女の気分悪くなったら、カウレシア王国が一瞬で滅びる事を考えったら…。」

「彼女の性格ではそんな事はしないと思うが、でも出来れば彼女の事をこれ以上面倒事に関わらない方がいいと思う。先日のパーティーでは王妃様の側で貴族たちとのトラブルはないが、逆に彼女はずっと座ってるだけになったな。」

「ああ、この話しミラからも聞いた、ずっとつまらないの顔しているそうだ、何が彼女に悪いな…あ~彼女最近裁縫をやってるみたいだから、お詫びにいい布を送るのはどうかね。」

「良いと思う、さりげなく王国への好感度を上げるのはいい方法と思います。」

「よし、ではミラに話して、さりげなくいい布や裁縫に適するな魔獣素材を送ろ。」

「陛下、それと陛下からも王子たちにもう一回警告した方が宜しかっと。」

「はぁ~~パーティーの日あなたが先に息子たちを叱ったのはホントに良かった、もしあのふたりの行動で彼女に嫌な思いがでたら、もう…。」

「あの日昼食な時待機している執事とメイドたちのおかげです、ワシはただ彼女の重要性を説明するだけ。」

「まさかヴィンセントは彼女を妾にしたい、レナルドはその魔法を教えたくて彼女を探してるとは。前からすでに彼女の事を関わるな、できる限り無視しろと言ったなのに。」


優勝祝いパーティーのあの日、何故パーティー開始前に、王子二人共アイリスの事を絡まる事もなく、側から離れるのか。実は昼食の時、執事とメイドたちが王子たちの談話を聞いて、宰相に報告した。宰相はもしアイリスが彼らに絡まって、王子たちのせいで彼女が別の国に行ったら、恐らく二人共廃嫡処分と脅しましたのため。あの夜、王子たちは彼女の事を避けるようになった。


「あ~宰相、あとで冒険者ギルドに彼女への伝言を取り消しすると伝えってください、聖王国の事はほぼ解決済み、できれば彼女の生活を邪魔しない方がいい。」

「かしこまりました。…そうですな、もし胃が痛いではあの“お茶”を飲めば良いでは?」

「あのお茶が…いいや、あれは貴重な物だ。飲むのはホントに気分悪いな時にしたい…うん、俺の分はミラの予備用に残しておこう。」

「かしこまりました、ではワシの分もしばらくは残しておきます。」


ここで扉からノックし、騎士は扉越しで話しました。


ゴンゴン


「陛下、貴族たちは謁見の場に揃いました。」

「わかった、すぐ行く。」

「は!」

「では、先に貴族たちにこの報告の事を説明すると民への説明を考えとこう。」

「かしこまりました。」


こうして、国王のセオドリクと宰相のサイモン、ふたりも胃を押さえたまま、謁見の場に向かった。

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