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48 マリアンヌとの相談

王様との面会は終わり、俺は再び冒険者ギルドに来た、丁度お昼のピークが終わり、いつもの会議室でマリアンヌと昼ごはんして、ついでに先程王様との会話を報告した。


「なるほど、噂をこんなに早く消したのはホントに王様の仕業ですね。」

「それと、王様たちにお顔を見せてしました。」

「え?大丈夫ですか?」

「王様たちは信頼出来ますし、それにこの顔があの姫様と認識できたのは王妃様だけたわ。」

「まさかね。」

「王妃様の話しでは、私の今の顔は随分黄金姫と違うと言われた、多分家族でないとただ似てるだけの程度です。それに髪の色も半分違うし、同一人物とはわかり難いっと。」

「アイリスちゃん、ちょっとフードを下ろして、お顔を確認します。」


俺はマリアンヌに言われた通り、フードを下ろした、マリアンヌは細かく俺の顔をうんうんと確認した。


「毎週アイリスちゃんに会ってるとわ言え基本フードのままですから、今細かく見ると確かに王妃様の言う通りかもしれませんね。」


頬をつねった、髪も細く確認された。


「最大の違うなのはやっぱり目つきです、それに肌の感触も全然違う、何を使って肌をこんなにモチモチにするのですか?それにこの前にあなたの髪を梳くな時も感じましたが、その柔らかさは何ですか?!正直に話して…ま!まさか!あの薬草茶の効能?!」


マリアンヌの目が…怖い、やっぱり女性はこの話題に敏感ですね。


「薬草茶の効能はわかりませんが。それより、私はこれから逃げ隠れるつもりもなく、これから顔を隠す無しのまま生活するつもりですが、大丈夫でしょうか。」

「そうですね、神竜様もいるし、何があったらあなたも魔法で何とかできるし、別に良いですけど。でもアイリスちゃんは悪い人を見ると魔力暴走はしない?」

「え?しないと思うけど、何で魔力暴走しますですか?」

「ほら、以前姫様の部屋で、暴走から起きたあと魔道士団団長に会った時、覚えます?」


俺はちょっと考える。


(魔道士団団長…あ!もしかしてマリアンヌはあのハゲ魔道士に会いたくない時の計画を本気で魔力暴走しそうになると思うのですか?だからいつも俺の体のこと心配してるんだ。何が色々心配させましね。)


「うろ覚えですが。あの時の事は多分この身体になってまもなくの事だから、あんな事になると思う。今はこの身体の事自由に動ける、魔力も思う通り使えます、もしあのハゲ団長と再び会えたらもう暴走しないと思う、心配させでごめんね、そしてありがとう、マリアンヌ。」

「そうですか、それで良かったわ。ではフードを下ろすことを許可します、ですが今日はダメです、来週からにしましょう。」

「え?何で来週からですか?」

「来週は以前のように学園の制服で朝図書室に行くつもりでしょう?」

「はい、そのつもりです。」

「今あなたは平民の姿、あなたは撃退できるとは言え、その顔では不良からの拉致やナンパも多いでしょう。学園の制服では学園の関係者や貴族と思われます、少なくともあんな絡みは減ると思うの。」

「なるほど、では下ろすのは来週にします。」

「話しは戻りますが、その肌と髪の保養方法は教えてください。」


え?そこに戻るの?最初の話はそっちだけ。うん…肌のモチモチ感は多分暴走する時魔力を細胞まで送って回復するせいだと思うが、でもマリアンヌのお願いだから、この方法と俺が知ってる美容知識を少し教えててもいいと思う。


「いいですよ、私が知ってる美容法を教えます、でもその方法では綺麗にするのはわかりませんが、それに私の魔力とあなたの魔力は違うので、効果があるのはわかりませんよ。それでも知りたいですか?」

「はい!知りたいです!」

「即答ですが…うん、ここで教えても練習は難しいし。そうですね、連休は取れますか?2泊3日でうちで基本知識を教えます。」

「多分、取れますと思う…でもうちで…魔の森の禁地ですよね。」

「はい、魔力濃度は少し高いですが、でも帝国の王城にいる時マリアンヌも平気だから、大丈夫と思います。」


やっぱりマリアンヌも少し神竜様の事を怖がってるね、それもそうよね、俺姫様の部屋ではじめて神竜様を見た時も結構怖がってるし、もし彼女がホントにだめでは別の練習場所を考えようか。


「た、大丈夫と…思う。……ではあなたの薬草畑を見学するのために、副ギルマスを出張申請します。」

「まあ、実績として月光草の実ひとつを持って帰ればいいわ、では他のものはこちらで用意するします、着替えを準備すればいいよ。」

「わかりました!」


凄くやる気みたいですね、はじめてお客さんをマイホームに招待しましたね、布団を買わないと。


「では、食べ終わったらガラス工房に一緒に行ってくださいね。」

「あ、行く前にちょっと教会にお詫びの果物を送りたいです。」

「お詫びって?」

「前回の人質事件でそのまま無断欠勤になっただから、そのお詫びです。」

「なるほど、良いですよ。」


これで長年アイビーの側にいる専属メイド、マリアンヌの顔チェックを通って許可が取れ、俺は来週からはフード生活とはさらばだ。


食べ終わったら、マリアンヌと一緒に果物を持って教会にお詫びに来ました、話を聞くとまさかあの日ギルドは教会に俺は事件に巻き込まれて出勤できないと代わりに連絡してきたので、怒られた事はなかった。逆に司祭のばあちゃんが俺が人質取られた事を心配しました、流石元孤児院のばあちゃん、優しい。王様の話し通り教会は経験者数名を派遣した、今はもう孤児たちに回復魔法を教える余裕も出た、もう少し司祭ばあちゃんと話したかったが、ガラス工房に行くため、すぐに教会から出た。


ガラス工房に向かう途中、マリアンヌに曰く工房のドワーフたちは俺が作ったフレームのレンズを入れる場所の開け方がわからないそうです。普通にネジを緩めてレンズを入れた後はネジを締め…。


「マリアンヌ、ごめんなさい、あなた今かけてるのメガネを見せてもらえますか?」

「うん?良いですけど。…はいどうぞ。」


ありゃー…この世界にはネジがまだないんだ、だからメガネの開け方がわからないが、このフレームの部品は全部俺が魔法で金属をくねくねで作るから、もちろんほぼ以前かけたメガネをそのまま再現する。しかしこの世界ではこんな小さな部品を作れる技術がない…。


「ごめんなさい、マリアンヌ、レンズだけ注文することはできますか?私がレンズ入れます。」

「……なるほど、あなたの反応を見れば、このメガネも未知の技術を使ってしまったのね、今更はもう驚かないわ。レンズはすでに注文しますので、多分も出来てると思う、では工房に行って取りに行きましょう。」


工房に行き、ドワーフたちが迎えに来た、この謎のフレームで使ったネジ技術を知りたいみたいですが。ここでマリアンヌは友人はまだ戻ってないので、レンズを製作者に送って仕上げますと話したら、凹んだドワーフたちにちょっと申し訳ない。これで今週の目標はこのメガネの仕上げです。


その後はマリアンヌと別れ、俺は市場で食べ物を買いに来ました、いつもの八百屋に挨拶し買い物した時、急に八百屋のおばあさんに抱きしめられた、人質の件から急に来なくなったって拉致されたと思われたみたい、肉屋のおっさん、パン屋の兄さんも俺を囲まれてた、皆も俺の髪の色や顔の事も話してない、ホントに以前に戻ったのように嬉しかった。何故だろう、知らない店のあっさんや姉さんたちも急に声を掛けられて、おまけもくれた。元の世界ではスーパーで済むのだから、まさかこれは市場の流儀ですかね、お客寄せのテクニックが?


最後はいつもの鍛冶屋のドワーフのおっさんにいくつの鉱石を買ってマイホームに帰りました、同じ買い物なのに、先週と全然違う、楽しかった。西の街も半年通い続ければ今と同じく皆と仲良くできるかな…。ifの話を考えるのを止めておこう。


マリアンヌいつ休み取れるかな、帰って家具や食器ももうちょっと増やしましょう。俺は西門から王都に出て、マイホームに帰りました。


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帝国王城の謁見の場で皇帝オリヴァーは臣下たちの報告を聞いている。ですがこの場には英雄のユウジの姿はいない。


「陛下、各国への間者の連絡を段々失いました、現在各地残ってる間者数は以前の半分くらいです。恐らく捕まれたと思います。」

「またか、もういい、各地の間者半分はしばらく隠れろ、もう半分は水の都に向え。」

「かしこまりました。」


「第一騎士団団長、軍の準備は?」

「は!軍はすでに集結し予定来週は南方面に集結する、物資も同時に調達中でございます。」

「良かろう、予定通り、2ヶ月後春になった時、水の都ウンディーチア王国の東に侵攻する。って英雄殿の修練は?」

「は!今も剣術の練習中です、彼の吸収能力は早く、すでに我々団長クラスといい勝負になるので、今後は魔獣との実戦経験を増やせる予定です。もし魔法と剣術も一緒に使うと実戦では誰にも負けないと思います。」

「フム、彼は今回の作戦の要だ、何としても彼を守れ。」

「は!」


「陛下、カウレシア王国方面に少し報告があります。」

「話せ。」

「カウレシア王国方面では噂では王国の貴族魔法学園では虹色の髪で珍しい魔力の少女が現れたそうです。」

「女が、あいつを捕えろ、英雄殿は喜ぶだろ。」

「すでに間者に伝えたが、その後王国の間者の連絡は失いましたでございます。」

「ちぃ、使えないヤツめ、学園にいるでは動かないだろ、さっきも言う通り間者にも戦争に集中しろ、終わったらあの娘を捕まえろ。」

「かしこまりました。」


帝国は戦争の準備をはじめた、折角ユウジと言う最強の駒を手に入れたから、最初の侵略目標は水の都ウンディーチアに決められた。


それに謁見の間にいない英雄のユウジは異界の人の血を沢山残すのため、もうすでに3人の女性と結婚しました、その嫁たちは公爵の令嬢、帝国の剣姫と天才の智者と呼ばれた令嬢3人です。雄二は絶対思ってないだろう、自分が38年間守ってきた童貞があっという間に無くなったことを。

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