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46 そっか、何故考えてないんだ

トイエリさんと会った後の数日後、朝はマリアンヌとの約束で情報交換のため王都に向かった。西の街モグタナにも結局俺の髪や帝国の姫を見たな噂も聞いていないし、王都も落ち着くといいな、何があったらすぐに逃げると心構えしましょう。


俺は平民の姿と紋章付きの魔道士団のマントを身に着けて王都へ飛んだ。いつも通り西門経由で冒険者ギルドに行き、変装したのですんなりと冒険者ギルドに到着しました。ギルドに入って、朝のこの時間は相変わらず混んでます、久しぶりに王都のギルドの食堂で朝ごはんを食べた、やっぱりこっちの方が美味しいね。朝の波が一段落した時、カウンターでマリアンヌと話しをする。


「ま、マリアンヌ、久しぶり、約束通り来ました、こちらいつもの薬草です。」

「かしこまりました、薬草はこちらでお預けいたしますので、どうぞ中へ。」

「う、うん。」

「ノラ先輩、副ギルマスにご連絡をお願いします。」

「うん?あ~わかりました。」


いつもの会議室に入って、マリアンヌはお茶を淹れて貰った。


「お茶をどうぞ、1ヶ月ぶりですね。神竜様もいるだから侵入者はないと思うですが、大丈夫ですか?」

「ありがとう、大丈夫です、皆と会えなくちょっと寂しいだけ以外は何も問題ないです。そっちは大丈夫ですか?」

「ええ、こっちも何の問題無かったわ、最初の2週間はジャックさんがわたしひとり行動禁止されただけ、それに噂も大分消えたみたい。」

「おお〜これは良かったわ。来週はまた王都に行けますね。」

「はい、王様のおかげですね、ちゃんとお礼をしなさい。」

「え?王様に?」

「詳しくは副ギルマスが説明します。」

「は、はぁ…わかりました。」

「そうそう、あとで時間があります?メガネのフレーム届きましたが、あとで一緒にガラス工房に行きたいです。」

「うん?良いですよ。」


扉からノックが聞こえた。


ゴンゴン


「マリアンヌ、フレッドです、入っていいですか?」

「はい、どうぞ。」


会議室の扉が開き、副ギルマスのお爺さんが中に入って来た。


「アイリス嬢、久しぶりです。実は王城からあなた宛の伝言があるのです。」

「え?!城から?」

「副ギルマス、ではわたしはカウンターに戻りますね。」

「わかった、説明はワシがします。」

「はい、ありがとうございます。」


マリアンヌは外のカウンターに戻った、仕方ない、彼女も自分の仕事と生活がある。あとでまた会えるし。


「では、アイリス嬢、王城からの伝言をお伝えしますね。」

「は、はい、どうぞ。」


副ギルマスの話要約すると、何故俺が俺知らない内に学園の研究員になったのか、王都に来たら騎士団寮に行ってください。


「わかりました、では私すぐに騎士団寮に行きます。」

「では伝言は以上です。…アイリス嬢、下町ではあなたの噂はほぼ全部消えましたよ、だからそんなに心配しなくていい。では、早く行きなさい、終わったらここに戻って薬草のお金を取ってください。」

「…は、はい。失礼致します。」


ホントに皆を心配させたわね、何か申し訳ないです。俺は副ギルマスにお礼し、すぐにギルドに出て騎士団寮に向かった。


「冒険者のアイリスです、王城からの伝言で騎士団寮に行ってと呼ばれたので。」

「うん?…ああ~あの冒険者ですね、どうぞお入りください。」


騎士団寮の客室に案内され、前回と同じくお茶とお菓子を出しました。俺を見張ってる騎士は私の正体を知ってる人らしい。


「アイリス様、団長に連絡しましたので、少々お待ち下さい。菓子が足りないければどうぞ言ってください。」

「はい、ありがとうございます。」


しばらくすると、団長さんが来ました。


「アイリス様、お久しぶりです。」

「はい、お久しぶりです。あの、ギルドでここに来てっと伝言がありますが、何があったですか?」

「噂の件についての詳しい説明がありますので、王城で陛下にお会いに行っても宜しいでしょうか?」

「え?私、今平民の姿ですが、大丈夫ですか?」

「はい、魔道士団のマントで隠しますので、そして今の貴方様は学園の関係者なので、大丈夫です。」

「はぁ…私も大丈夫です、行きます。」

「では馬車をご用意します。」


中継の騎士団寮からあっという間に王城の国王執務室の前に到着。中に入ると、王様、王妃様、宰相はすでに揃っていた、隣にいる団長も王様の後ろに加えた。最終面接のように目の前にいる4人の圧が凄い。気のせいなのかな、王妃様…太った?いやドレスのせいか?


「アイリス様、まず貴方様を勝手に我が国の学園の関係者にする事について、申し訳ございません。」


王様は頭を下げ、俺に謝りました。


「え?いいえ、大丈夫です、頭を上げてください。」

「前にアイリス様は平穏な生活が欲しいと言われたので、意外とは言え、アイリス様は我が国で現れた盗賊から人質取られて、お顔を晒しました、ホントに申し訳ない。その盗賊は元カオル教の信者で、詐欺の罪で全財産没収したあと盗賊になって、今はもう鉱山送りしたのでご安心を。

「まさかまたカオル教の人ですね。」

「ですがそのせいで貴方様が隠した髪の秘密を民に見られ、民間ではアイリス様は使者様や聖女様と噂されます。貴方様の正体をバラさないのために、仕方なく貴方様を珍しい魔力の持ち主扱って数年前から学園の研究員と言う話しを貴族と民間に流しました。」

「なるほど、だからギルドからこの髪の噂は大分消えましたと話してたのですね、でも逆にこっちからお礼をしないとダメです、ホントに助かりました、ありがとうございます。それとできれば普段通りで話してお願いします。」


今度は俺から頭を下げ、お礼をした。


あれから王様は噂を消した方法と設定について詳しく教えてくれた。学園の関係者になったな事で面白半分で髪の色を見たいな貴族も手を出せなくなる、民間では人の隠した秘密をバラすのは良くない、本物の使者様に聞かれたら怒ると王様が見つけた研究員で両方ゆっくり民に浸透したため、噂は予想以上早い段階で消えました。


「何が、ご迷惑をおかけして申し訳ございません。」

「いえいえ、あなたも我が国の民です。それに貴方様のおかげで、聖王国への寄付金はほぼ9割払わなくて済み、逆に賠償金を貰えた。この噂もこれ以上広まってないな事はホントに良かったです。」


ここで王妃様は急にデリケートな質問をされました。


「アイリス様、申し訳ございませんが、ひとつ失礼な事をお伺っても宜しいでしょうか?」

「はい、何でしょう。」

「例え髪の色が虹色でも、ギルドから貴方様は髪よりお顔が見られた方が心配みたいと報告されました。失礼ですが今後の対策のため、お顔をわたくしたちにお見せしても宜しいでしょうか?」

「ちょっと、ミラ!」

「アイリス様、ワシもお願いします。今回我々は貴方様の髪の色だけしか対策出来ないので、運よく今回は対応出来たが、もしその見られたのお顔に抱える問題があれば、お互いのために是非我々にお見せてお願い致します。」

「宰相……そうだな。アイリス様、俺からもできれお見せしたいです。例えその顔を見たとしても我々はあなたとの接し方は変わりませんと約束します。」

「王様……。」


(そう来たが…どうしよう。個人的な感覚では皆いい人ですが、この噂別に無視しても彼らにとって大した問題でもない。しかし彼らは俺が前に話した“平穏な生活したいだけ”この一言だけのために速やかに噂を消しました。)


ここで俺は急に先日トイエリさんが言ってた事を思い出した。


『もう顔バレでも別にいいじゃない?今のあなたでは誰が来ても追い返す事ができるし』


(そっか、俺今はこの世界に来たばっかりな時と違う、例え顔が帝国にバレでも神竜様もいる、ここは元の世界とは違う、敵に抗う力もある、こそこそで会社の空気にする必要ない、この世界では自由に生きることができる、怯える必要ないんだ。それに今目の前には自ら俺の味方すると話した国一番の権力者がいる。)


(人は変化する事が怖いのは実感をした、多分この半年ずっと平穏で安全な生活だから、前の世界での癖でいつも会社で何事も目立たないように、空気を読まなければ、誰がを怒られる事をしないように、ずっと現状維持し波を起こさないようにしないと、社畜の考えが他の考えを無自覚で放棄した。俺は神竜様に会えた時からすでに顔を隠す必要性はないんだ。)


思考は終わり、頭を上げ、そこには俺の返事を待ってる王様たちがいた。


「ごめんなさい、考え直すと私顔を隠す意味はもういません、別に面白くはありませんがお見せします。」


魔道士団マントのフードを下ろし、前からずっと下半身しか見でないな王様たちが急に馴染みのないな人に変わったような気がする、


王様たちの顔をはじめてはっきり見た、茶髪で中年ちょっと痩せて苦労人の顔。

王妃様は水色の髪で胸元主張が激しいのに、加えて胸元が開いたドレスを着る見た目優しい美少女?確かに今の俺と同じくらいの王子二人がいるのね、恐ろしい美魔女…。

宰相は予想通り白髪の執事っぽいメガネ爺さん。

団長さんは前と同じく歴戦の大男。


知り合いなのに新鮮な感じ、でも心が軽くなった感じでこれは解放感でしょうね。って目の前の4人は時間が止まったままですが。


「「「「…………!」」」」

「あの、何がをお話しませんか?」


王様は慌てて俺に返事をした。


「は!いや、報告と同じく髪は虹色で驚いただけです、申し訳ない。」

「いいえ、これ正確には銀色です、反射された光が虹色だけです。」

「な、なるほど。その虹色はホントに報告通り宝石のように幻いですなぁ。」


王様、宰相、団長はずっと動かして色んな角度で俺の髪を見ていた、ただ王妃様だけはずっと俺の顔を見ている。


「すみまんせんが、アイリス様……わたくしは貴方様のお顔が少し見覚えがございます、ですが誰に似てるのは覚え出さないわ。」

「あ~ワシも何が誰がに似てると思うですが、でも覚え出さないです。」

「そうですが、ではマントも脱ぎますと多分わかると思います。」


俺はソファーから立ち上がり、魔道士団マントを脱ぎ、残り半分の金髪も見せてしました、4人が真正面で俺を凄く見られて割と恥かしい。急に王妃様はハッ!っとしました、やっぱり王族では気づくのですね。


「アイリス様、間違ったら申し訳ございません、もしかして貴方様はお顔を隠すの原因はその髪ではなく帝国の()()()に似てるでしょうか?」

「「あああ!」」

「おう…ミラがそう言われ見ると、確かにあの帝国の黄金姫に似てるな。」


王妃の話では全員何かに気づきました。黄金姫は初耳ですけど、でも悪役傲慢姫は知ってる。


「あの、その黄金姫はもしかして帝国のアイビー姫でしょうか。」

「そうですわ、アイビー姫は聡明でお顔も美しい、そしてその長い金髪は黄金のように光ってるようで、だから帝国の黄金姫と呼ばれたの。ですがジキタリス帝国は敵国ですから、わたしくたちも実際にお会いしたことがありませんです、絵画の中しか知らないですわ。」

「なるほど、ではお隠しなしでお話しますが、この()()はそのアイビー姫そののものです。」


「「「な、なにーーー?!」」」「何ですって?!」


「いや、帝国からの発表では黄金姫は精霊に捕まって魔力を食い尽くし、死んだはずですが。」

「陛下、まさかその精霊はアイリス様では?」


このままでは普通に説明出来ないので、彼らの思考を切らないと。


「皆様、一旦落ち着いてください。多分いくら考えでも間違いますので、私から説明致します。」

「お、すまない。取り乱しました。どうぞご説明をお願いします。」

「簡単に言うと、帝国は禁術で私をこの身体に召喚しました。そのあと軟禁され、私帝国の王城から逃げるために、策でアイビー姫を東方向に誘拐されたみたいな目眩まししますが、とうして帝国はそれを精霊のせいにするには私も知りませんです。」

「「「「…………」」」」


敵国の王女の口から話すと、すぐに信じるのも難しいですよね、しょうがないよ。


「これで、とうして私は顔を隠す必要があるのはおわかりましたでしょう。」


王様、宰相、団長はなるほどのような顔をしたが、ただ王妃は少し微笑んで俺に話しかけた。


「アイリス様、わたくしのご意見ですが、もし髪の事を気にしてなっければ、多分貴方様はお顔を隠すの必要はございませんわ。」

「…原因をお聞きしてもいいですか?」

「では少々お待ち下さい、ちょっと用意するものがございます。」


王妃様はゆっくり団長さんを支えてから執務室の外に出て、門前で専属メイドにあるものを持ってくると話したみたい。そして戻って団長さんに指示し隣の書棚に紙束を持ってきました。しばらくすると扉がノックされた。


「王妃様、持ってきました。」

「扉の前で待機して。団長、ちょっとお手伝いをお願いします。」

「かしこまりました。」


俺の顔を見せないためにメイドたちが入らないようにみたい、王妃様はこんな小さな事も配慮するのは流石です。それに持ってくるのはちょっと大きめの全身鏡です、この世界の鏡は金属製で表面をめっちゃ研磨された金属板です、団長さんはそれを中に持ってきて、そのまま扉を閉じ、王妃様は続けて話しました。


「アイリス様、ではお先にこちらをご覧ってくださいな。」


テーブルに紙束を開け、そこには数人の肖像画が描いてる。


「こちらは帝国の皇帝オリヴァー様、こちらは王女のアイビー様でございますわ。」

「は、はぁ…ごめんなさい、実は私、彼らの顔を見たのは召喚された時の一回だけです、正直今はもう皇帝の顔は憶えませんです。」

「そうですか、だからこんなに小心ですね。では今度はこちらに来てください。」


王妃様は俺に鏡の前に立つよう勧めた。俺がその鏡の前で見たのは、まあ今の俺…ストレートの髪、すでに半分銀色に変わって、残りの金髪は腰まで、いつものあの姫様顔で、いつもの姿…変な所あるですか?そう言えば鏡を見るのも帝国の王城以来ですよね。


他人にはわからないが、正直俺は三次元を諦めたから女性の顔に対してもうだいぶん麻痺しました、特に変な顔ではないと、まあ〜美人ですね、ただその“美”はわからない、心が萌えない、ややこしいね。だからテレビのアイドルや何が美人の紹介も全く興味はなかった、それも三次元を諦めたオタクの定めだと思う。だから王妃様が一体俺に何を見せたいのは、正直全くわからない。


「あの、王妃様、一体何がお見せしたいでしょうか?」

「あら、気付かないでしょうか。」


王妃様は宰相にお願いし、テープルにある肖像画を持って鏡の横に立った。俺は鏡の俺と肖像画を見比べた。


「うん?あれ?」

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