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42 彼女を怒らせないで

冒険者ギルドの会議室でアイリスとお昼は終わり、マリアンヌは受付嬢の仕事に戻りました。夕方のピーク前に割りと暇な時間なので、マリアンヌは自分と同じくらい年、噂好きな先輩受付嬢ノラと世間話をした。


「ねぇ、マリアンヌさん、最近アイリスちゃん狙う人が増えったっぽいよ。」

「え?顔隠したなのに、何でですか?」

「貴族学園の制服のせいじゃないの?」

「なるほど、伝統とわ言えあの学園の制服のスカートは短いですからね。」

「そうよね、上半身は硬くガードしたのに、でもスカートは短い、その足のラインが原因だと思う。それにケープの下で自己主張している胸の曲線、あんたと同じくらい?あの娘17歳よね?」

「先輩…どこ見てますか。わたしのは普通です、別に大きいではないわよ。」

「何よ、あたしから見れば、あんたらはあたしの苦労はわからないわよ。後輩、今でも遅くない、半分こっちに寄越しなさい。」

「無理です。」

「って話し戻りますが、あの娘の顔はいつも隠してるだから、冒険者の中で密かにそのフードをこっそり下ろそうと計画してるヤツがいるそうよ。」

「そうですか…後でそいつらのリストを渡してください。」

「あら~怖い、安心してフレッドさん(副ギルマス)に報告済みよ、貴重な薬草を定期的に売りに来る人材、彼はすでに手を打ってます。マリアンヌさんは相変わらずアイリスさんの事過保護ですね、」

「過保護するつもりはないですが、でも彼女以前悪い人を遭って、魔力暴走しそうな事があるのよ、ちょっと心配です。」

「ありゃー、だからずっと顔を隠すのか、あの顔かわいいだから、あたしはてっきりナンパ避けのために隠したと思ったよ。」

「え?先輩はアイリスちゃんの顔を見たことあるですか?」

「ええ、もうほぼ覚えてないが、あの時彼女はメイド服でギルドカード再登録する時顔確認したわ。まあフード越しですが。」

「なるほど、あの時ですね。魔力暴走も心配ですけど、アイリスちゃん知らないの人の目を見て話すのは怖いみたいです、だからずっとフードで顔を隠してるみたい。」

「あんなにかわいいのに、勿体ないね。でも無理もないか、魔力暴走しそうなのはトラウマになるもんねえ。」

「そうです、特にハゲの貴族様には怖がってるみたい。」

「あらあら~。」


その時、ギルドの玄関からフードを雑に被ってるアイリスが走って入って来た。彼女はマリアンヌに向かって走ってくる、そして小さな声でマリアンヌに言った。


「マリアンヌ、匿っせて!」


マリアンヌはその雑に着てるケープを見て、何かに追われたような感じの顔、まさか帝国の追手が来た?でも帝国はすでに姫様の事を探すことを諦めたのではないの?


「アイリスちゃん…こっち。ノラ先輩、ちょっと離れます。」

「いいよ、あとは任せて。こんな様子では教会の仕事は難しいと思うですから、あたしはギルマスたちと教会の方も連絡しておくね。」

「ありがとうございます。」


それからいつもの空き会議室に移動した。


「アイリスちゃん、何があったの?」

「さき盗賊に……」


アイリスは先程肉を買う途中、通りすがりの盗賊に人質に取られて、無理遣りフードを引き下ろした、顔も下町の皆に見られたと説明する。


「なるほど、話しによるとその盗賊は?逃げましたの?」

「フードを引き下ろした隙に思いっきり彼の股間を蹴って、そしてあいつを背負投で地面に叩き込めた。そのあとすぐにケープを拾ってここに走ったの。」

「あいつの股間が潰れるといいわ。でもアイリスちゃんの身体は大丈夫?魔力は暴走しそう?」

「うん?大丈夫ですけど、怪我もないです、でもこの銀髪と顔は見られて、絶対話題にされそう。」

「魔力暴走しなくで良かった、心配したわ。」

「??」


マリアンヌはアイリスのフードを下ろし、櫛を出してアイリスの髪を梳かすはじめた。


「はぁ~図書室にも行けないし次から学園の制服ではなく、普通の平民の服に戻って、落ち着く前に別の街に行くしかないね。」

「そうですか、寂しいですが、でも1ヶ月後は一回でもいいので、ここに戻ってください。」

「え?何で1ヶ月ですか?」

「帝国表では未だに姫様を探してます、しかしギルドの間の噂ではすでに諦めたみたい。まぁ、今のアイリスちゃんでは髪の色も違うし、バレないと思うですが、念のため一応情報交換は必要です。」

「なるほど、確かに私はずっと森にいるから外の情報はほぼ知らない。マリアンヌも危ないだから、そっちも気をつけて。」

「わたしは大丈夫です。変装もしてますし、マリアンヌの名前を使い人沢山います、何が遭ったらギルマスはわたしを守ってくれますわ。」

「そうですね、マリアンヌはここが一番安全ですね。でもできればあなたもしばらくひとりで行動しないで、ホントに心配です。」

「はいはい、アイリスちゃんはもし身体に何があったらすぐに来てね。」

「??…うん、わかりました。」


髪を整えて、ケープも着直して、再び顔を隠した。


「アイリスちゃん、帰りはどうする?」

「今は人が多いですから、できればここで一晩過ごして、朝人が少ない時直接王都から家まで飛んて戻るつもりです。」

「うん…いいえ、やっぱり早めに王都から離れた方がいいわ。」

「え?何で?」

「この銀髪は目立つ過ぎます、恐らく下町すでに話題になってる、バカな連中は好奇心であなたを探してるの可能性は大きいよ。」

「はぁ~そうですよね、有名税のやつ…別に有名でもないですが。」

「あなたその制服のせいで下町では割りと有名ですよ、野次馬たちは群れで冒険者ギルドに来ると思う。だから彼ら来る前に早く帰った方がいいわよ。」


急に会議室の扉からノックされた。


ゴンゴン


「マリアンヌ、フレッドですが、入っていいですか?」


副ギルマスが心配して来たみたいで、マリアンヌは目でアイリスに入っていいかと確認したら、副ギルマスに返事した。


「はい、どうぞ、」


副ギルマスと後ろにいるギルマスのジャックも一緒に入って、誰にも見せないように扉を閉じてロックした。


「アイリス嬢、無事で良かった。盗賊に人質に取られてを聞いて、ワシは心配したそ。」

「もう知ってますか?!副ギルマス、ご心配させてありがとうございます。」

「いいえいいえ、無事で良かったよ。こちらこそいつも薬草を売ってくれて、ありがとうございます。」


ここでジャックはマリアンヌを見てアイリスと話した。


「すまんないが、お嬢ちゃん、先に俺に話してくれないか?」

「はい、どうぞ、ギルマス。何があったの?」

「外の奴らのおかげでアイリスお嬢ちゃんの話しは大体わかった。」

「すみませんが、外の奴とは?」

「面白い半分で嬢ちゃんを指名依頼や、あんたの髪を見たいやつとナンパ野郎だ。」


ここでマリアンヌは驚いた。


「え?バカどもはもうギルドに集まってきたの?」

「ああ、噂では虹みたいな髪とその人間離れな綺麗な顔を見たい見たいって、お嬢ちゃん走ってギルドに入ったと見ただから、今外でノラたちにしつこく絡まってるぜ。」


アイリスはこの事を聞いた後、すぐに帰ると決めました。


「ギルマス、申し訳ございません、ギルドにもご迷惑をおかけしました、私裏口から出てすぐに家に戻ります。副ギルマス、落ち着く前に薬草はしばらくは納品できないと思います、すみません。」

「薬草のことはいいのよ、自分の事を心配しなさい、あなたはその髪見られたくないだろう、早く帰んな。」

「あ、ありがとうございます。副ギルマス。」


その後ジャックはマリアンヌに話した。


「マリアンヌは先に外の奴らを黙らせるかい?ノラたちではちょっと厳しい、あんたの言葉を聞かない冒険者は訓練場に連れて行け、後で俺が指導してやる、関係ない人は外に蹴っ飛ばせ、身の危険と感じたら魔法を使う事を許可する。」

「でも、アイリスちゃんが……。」

「大丈夫だ、お嬢ちゃんは俺が家まで送ってやる。」

「……かしこまりました、アイリスちゃんをお任せします、ではわたしは外に戻ります。」


マリアンヌはアイリスの事が心配ですが、確かに自分よりジャックが彼女を護衛した方が安全です。だから今は外の迷惑な人たちを黙らせるのが先です。


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マリアンヌはカウンターに戻った、現在受付嬢たちの前に約20人の野次馬がアイリスに会いたいや依頼したい、自称恋人な人もいる、声が大きくでこっちまで聞こえた。


『ギルドは虹色のアイリスちゃんを隠しただろ、俺たちは彼女の知り合いだ、会わせてくれよ。』

『ねぇ〜虹色の髪ってホント?顔がめっちゃかわいいと言われてるですけど、ギルドは彼女を隠せる権利あるの?』

『俺は彼女とお茶するの約束してるんだ、ここに入っただろ、彼女を出せ。』

『オレは教会で彼女の魔法で怪我を治したぜ、彼女はオレの聖女だ。頼む会わせてくれ!』

『へへぇ、俺はアイリスと言う冒険者に指名依頼したい。』


確か姫様顔のアイリスはかわいい、ですが多分顔だけではこうはしないだろ、ただその虹色の銀髪のインパクトが強すぎ。両方合わせるとその反動ですぐに話題になる、自分のステータスのために今一番話題の人と知り合いと自慢したい人や小娘と聞いて騙して誘拐する人たちがここでギルドに集まった。


マリアンヌはノラに交代を指示した。ノラは見た、マリアンヌのその微笑んた顔、細目で笑ってるように見えるが、あれは触れてはいけない猛獣だ。


「先輩、交代します。」

「マリアン…ヌさん……た、助かった、ごめんなさい、あたしたちでは抑えきれないよ。」

「はい、任せてください。…風の精霊よ、我の声を大きく皆に届けてたまえ。」


魔法発動、その瞬間マリアンヌの声はギルド内に広まった。


『皆様、冒険者アイリス様に用があればお静かにお願い致します。冒険者の方々は彼女にご用があればギルドマスターの命令で訓練場にお入りください。本ギルドには依頼以外の目的で冒険者に会わせる義務はございませんので、依頼以外の一般の方々は速やかにお帰りください。ではご依頼の方はどうぞこちらへ。』


「「「………。」」」


そこでバカ冒険者7名は外に逃げたが、他の冒険者たちに捕まって訓練場に連行。酒場にいるとある冒険者はそう語った。


「バカの奴め、こいつら別の街から来たのか?裏ギルマスの命令から逃げられると思ったのか?」


残りの約13名の一般人男性はそのまま、カウンターへ行き、マリアンヌと話した。


「アイリスと言う冒険者に指名依頼したいです、ハァハァ。」

「申し訳ございません、冒険者が指名依頼を受ける条件は銀ランクでないとダメな決まりがございますので、そのため銅ランクの彼女への指名依頼は出来ません。先に要件を聞かせて、実績がある銀ランク、力が強いマッチョな冒険者をご紹介できますが、いかかでしょうか?」

「い、いいえ、結構です。」


「ねぇ、そこの子猫ちゃん、噂ではアイリスちゃんは虹色の髪と私並の美しい顔を持ってるよね、彼女に会わせてよ。会わせったら君にもデートしてくれる。」

「……申し訳ございません、()()様。規則により…冒険者の個人情報は関係のない犬に教えることは出来ません、どうぞ外の木の下でマーキングしてください。」

「な、何だと、この私下町の貴公子を犬と呼ぶのは失礼だ!」

「あら、申し訳ございません。老犬様は子猫を探してるければ、子猫の特徴を教えてくれますか?」

「もういい!覚えてろ!こんなブズは一生独身しろ!」

「酒場の冒険者たち、この犬はお散歩したいなので訓練場に連れていってください。」

「「かしこまりました!」」

「離せ!俺は一般人だぞ」

「裏ギルマスは犬と言ったら犬だ。」


「俺、アイリスちゃんの彼氏なんだ、人質の件で彼女のこと心配で、早く会わせてくれ。」

「……冒険者諸君!衛兵の方にご連絡ください、ここに女性を騙すな詐欺師がいます。」

「「わかりました!」」

「な、俺はホントに彼女の彼氏だ!嘘は言ってない!」

「そうですが…そう言えばアイリス様は騎士団団長とはお知り合いなので、まさか貴方様はお騎士様でしょうか?申し訳ございません、そんな…わたしまさか騎士様にご無礼を、ホントに失礼致しました、お詫びとしてお供に騎士団団長に謝罪に行きます。」

「ちぃ!」

「衛兵を連れてきました。」

「貴様!手配犯の人さらい!待て!」


「次の方…はもうないですね、ではノラ先輩、わたしちょっと訓練場に用事がありますので、ここはお願いします。」

「り、了解しました、どうぞごゆっくり…。」


冒険者ギルドは再び静かにした…マリアンヌが訓練場に入るまで、酒場にも話す人は…いない。


その後、娯楽が少ない下町では虹色の使者様や聖女との噂が広まったが、しかしギルド内ではアイリスを話題にする冒険者はいない。その原因はクエスト掲示板下に8名縛られボロボロな状態で正座した人たちがいた、彼らの前の看板は“俺たちはバカですと駄犬1頭”と書かれてる。

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