32 科学は有用です
教会前で豚司祭たちと対峙している。
ゴロゴロ
晴れた夜空の雲から雷の音が響きはじめた。一番偉そうな司祭は重力から開放されてからずっと同じことを話している。
「こいつは悪魔だ、騎士団は何をやってるんだ!早くこいつを殺せ!」
「「そうだ!そうだ」」
「マーカス司祭、これ以上使者様に無礼をすると王国にも相応の対応がする!」
宰相は冷たい反応で豚に返事する、すでに駄々こね状態のマーカス司祭とその愉快な仲間たち4人たちは、未だに負け認めないですね。
「こいつがお前らが言う創造神の使者である証拠を出せ!そうでないと我らカオル教はこの邪竜使いな悪魔を絶対認めないぞ!」
あ〜結局またこの面倒くさい問題に戻るのですが、仕方ないね。
「そこの豚は私は創造神様の使者を証明したいですか…いいでしょう、その豚たちを招待しましょう、神界に…。」
「な、貴様!人を豚を呼ぶな!」
「では、豚よ、神界に行って、創造神様に聞けば良い。」
俺はその豚たち5人を浮かせて、一応あいつらの周りに魔力障壁を張ってゆっくり上昇する。
さっきから雲内の負の電荷蓄積を続けた、魔力障壁の表面に正の電荷沢山蓄積されると…あら不思議、稲妻が発生しましたわ。
俺たちと野次馬たちの注目から豚たちは段々上昇し、教会以上に上昇、更に上…。
ドカーン ドドーン ドカーン ドドーン ドドーン
止まない稲妻が上昇している豚たちを襲う、一部の野次馬は“神の怒りだ”と怖くて逃げはじめた、逆に家の人は外に出て何があったのかを確認した。
稲妻が何回豚たちに当たったかは分からないが、そろそろなので俺は豚たちを元の場所に下ろした。俺の魔法障壁があるので豚たちは無傷ですが、あら〜漏らしたね。
「豚たちよ、神界はそなたたちを歓迎しないみたい、よって行くことは出来ない、無理やり稲妻の中を超えるとたどり着けるが、証明のためもう一回行こう。」
「ひぃぃぃぃ!いいいいいい結構よ。」
「では、王国との約束では豚たちには殺さないが、今度は私の住む場と聖樹を焼かれたの罪の清算だ、。」
「い、いやーーー!た、助けて!」
再び彼らは浮き、そのまま魔法で全員の手足を折った。ここで宰相は俺に進言をした。
「使者様、ワシは回復魔法は使えませんが。ですがワシが知ってる範囲では、司祭たちはカオル神への信仰心が高いのため、回復魔法も信仰心と同等なので折った手足は回復は可能かと。」
「宰相、豚たちの折った手足は彼らの回復魔法で回復できると言うの?」
「はい、その可能性はありでございます。」
「でもおかしいな話し、私は世界を浄化と癒やしするもの、その信仰心は私への意味ですか?」
「いいえ、ワシも詳しくはわかりませんが、寄付金を増やせばその信仰心も増え、回復魔法の効果も増えるそうです。」
「聞いたことないわ、そのカオルも別に神でもないし、死んだ
「はい、その罪人たちを生きたままで我ら王国に渡れば大丈夫でございます。」
「わかった。」
司祭の両足を障壁で挟んで回復できないくらい潰した。でも宰相も悪よのう、ここでこの話するではもっと潰せと信仰心は意味はない、こいつらは民の金を騙すと野次馬に見せつけること、ワシを利用したわ。
豚たちは団長に渡し、こんな事を見せられ、またマイホームに侵入する輩はもういないだろう。燃やしたマイホームと街灯の木の仇を討った、何が転売屋爆死なニュースを見たようにスッキリした、魔力使いすぎだ、そろそろヤバい、逃げるぞ。
「宰相、今回は約束通り、殺しはしない、次はない。その豚の国にも伝えて、もし次はあればそなたたちを世界の“悪”と判定する、神竜様は世界の“悪”を排除する。」
「はは!ファレル聖王国にもお伝え致します。」
これで俺に依頼した仕事は完了、残りの仕事は宰相と団長の仕事だ。そのまま真上に飛び去ったで終わり。
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直すぐ帰ってマイホームと街灯の木の状況を確認したいが、でも来る前の予想通り、周りはもう真っ暗で戻りたくても戻れない、暗いまま無理やりで帰るのは絶対に迷子になるという自信がある。それに魔力もそろそろ使い切る。仕方なく人に見られないように高く、高いところから王城方向に飛んだ、王城で王様の部屋を探すと、ベランダにいるあのマントマンは多分王様ですよね、きっと遠くでこの茶番を見ているだろう。そのまま上からあのベランダに降下する。
「夜分遅くに失礼します、王様。一昨日の依頼は終わりました、ですが夜中で森に戻れないのため、一晩泊めることは宜しいでしょうか?」
「こんばんは、使者様。もちろんです、すぐに着替えの服と客室をご用意致します。報告では今日教会から襲撃は2回も出たみたいですが、大丈夫でしょうか?」
「はい、おかげさまで大丈夫です、ですが夜3回目の襲撃では私の小屋と聖樹を少し燃やされた、そのため先程直接教会にお礼を返します。一応王国には対外的なデメリットはないと思いますが、ですがこの茶番の後ではこの王都はカオル教の事、誰も信じないと思う、そのまま今の教会を創造神様の教会に変えたほうがいいと思います。……申し訳ございませんが、夕飯はまだなのでそれと魔力も少々使いすぎのため、詳しくは宰相様のご報告でお願いします。」
「いいえ、使者様には大変助かりました、カオル教のことは想定内のことだ、あとは我々の問題です、夕食を手配しますので、どうぞごゆっくり休んてください。」
流石に腹が減ったと魔力使いすぎで、話す気力も使いたくない。その後、気づいたらおばちゃんメイドさんにおんぶしたまま移動中。
「おいや、お嬢様、起こされましたが、ごめんなさいね。」
「ごめんなさい、すぐ降ります。」
「いいのいいの、そのまましなさい、お疲れでしょう?もうすぐ客室だからね。」
「あ、ありがとうございます。」
「お嬢様は疲れすぎて陛下のソファーで寝ましたよ。安心なさい、陛下はお嬢様のお顔を見ておりません。」
「は!……そうですか、へ、陛下にお礼をお伝えでください。」
まさか知らない内に王様のソファーで寝たとは、予想以上に魔力が使いすぎですね。でもホントに良かった、王様は俺の顔を見てない。王様は絶対この悪役姫の顔を知ってる、見られたら絶対色々説明しないとだめだから。
メイドのクロエおばちゃんは王宮メイド長らしい、そして俺は大きなマントでその聖女姿を隠せたまま客室に移動中。多分メイド長だから、途中誰も背中は誰とは聞かれでない。そのまま客室に到着した、中にはすでに着替えと夕食が用意された。
「では、わたしは外にいますので、何が用があれば、ベルでお呼びください。」
「はい、ありがとうございます。」
おばちゃん優しいわ、アメちゃんくれるそう。
流石トイエリさん設定な魔力回復力、ちょっと休んだだけなのに、もう動けるようになった、それとも逆にこの体の魔力上限が少なすぎか?比べる対象がないし、わからん。夕飯が先だ。
その後、王宮の美味い夕飯を食べ、部屋内でお風呂し、今日丸一日警戒モードだから魔力以外、体力と精神的にも思った以上消耗された、そのままベッドに乗ったあとすぐに眠れた。
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翌日、王様からの伝言で残りは王国の仕事だから、起きたらそのまま帰っても大丈夫です。ではお言葉に甘えて朝食を食べて、おばちゃんメイド手配の馬車で王都の外に出た。途中でマリアンヌに報告したいですが、フード付きのマントがあるとは言え、この用意されたお嬢様ドレスに着替えた俺、ひとりで冒険者ギルドに入るのはちょっと不味い。それにこの時間ではギルドは一番忙しい時間帯だと思う、また今度彼女に話しましょう。
馬車は王都から出て、俺は人がいない場所で降りました、そのままマイホームに飛んで戻った。
帰ったら、すぐに神竜様に報告、喧嘩を売る前に神竜様の頭なでなでがないと、教会はとっくに破壊されると思う、王様の計画も無茶苦茶になる、神竜様を抱きしめて感謝の言葉を話した、神竜様は相変わらずクールで無視されたが、いつもの神竜様でそれでいい。
「神竜様、心配かけてごめんなさい、あなたのおかげて冷静で対処できました、ありがとうございます。」
その後すぐに街灯の木の状況を確認する。街灯の木は大きくないが、普段の通学路側にいる高さ5~6メートルのごく普通の木です、木幹は少しだけ黒くなった以外はほぼ無事です、葉っぱは半分燃やされた。俺は木幹を抱きしめたまま謝れる、回復魔法も使った、効果あるとはわからないが、一応使うような気持ちで。
「ごめんね、私のせいで葉っぱ燃やされた、回復魔法効いてるかはわからないがかけますね。早く治りますように、元のように元気してください。」
その後薬草畑と一緒にまとめて水やりする。短い間ですがこの木もすでに我が家の一員だ。
そしてマイホーム、屋根の部分は大半黒くなった、そして油でベタベタ、黒くなった屋根を交換しないと。あれからの数日間、起きたら木に回復魔法をかけたあと屋根交換作業に集中した。
4日が過ぎ、街灯の木に燃やされた枝にやっと新しい葉っぱが生え、嬉しい過ぎでその日の夜は王城で貰った肉で焼肉をして祝った。
明日は王都に行く日、マリアンヌにも報告しないと、何となく彼女はもうすでに知ってるのでは?あの時現場にいた可能性もあるし、そっか例の茶葉も伝えないと、アレは絶対他人に知られてはいけないものだ。