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25 平穏の終わり

ミノちゃんを精算後、俺は同じくドラゴンの側で生活をしている。ドラゴンの色はもう黒ではなく少しずつ元の深い灰色に戻り、白に戻るのは年単位かかるだろう。多分長く生きてると同時に瘴気もこんなに溜まるよね、あの魔剣の呪いを直接受けて悪化したのでしょう…多分。


最近毎日同じことをしている。朝は薬草畑の仕事、その後はいつも通り小屋つくり、飽きたら料理に挑戦、その繰り返し。そのおかげで、間もなく我が小屋は完成する。たった20cmの高台上に屋根が付いてる箱小屋ですが、明日は窓、扉作りと最終調整だけで、これで我が家は完成。


その夜、間接照明がついた樹の下で露天風呂し、顔を上げ夜空を見て、そして隣には明日完成予定の我が家を見て、テンション高くなって、思わずお風呂のままでアニソンを歌った。俺だけかな?好きな曲はたいてい女性の歌手や声優さんだから、男の声で歌うのは何が嫌ですよね、今はこの無駄にいい姫声で楽しくアニソンを歌えることができた。


その時、基本的に全く動かないドラゴンさんが急に頭を上げ、ある方向をずっと見つめている。


「ドラゴンさん、どうしたの?…あ、まさか私の歌が下手すぎか?ごめんねやめますね………いや、まさか覗き?!」


元は男だから覗きされることは全く無縁だから、すぐには気づかなかった。ドラゴンは相変わらず無視されたまま、しばらくしたら頭を下げ元通り寝た。言葉を話さないから、無視するのも仕方ない。


「やっぱり余った板をパーテーションを作ってお風呂場を隠すべきか、明日マイホーム完成したら作ろか。」


翌日ようやくマイホームの完成です、これで雨が降っても雨やどりの場所がある、今日もドラゴンの背中で寝るのですが、一応テント生活は終わり、あとはマリアンヌの無事を確認すれば、そのまま半隠居生活もいいなあと考えた。


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今日は王都に行く日、ドラゴンの側にいる時間を長くするため、王都で一週間分の食材を買い込む日です。まだこの生活は二週間しか経ってないのに、知らないうちにこの王都に行く日は自分への褒美として王都で外食や好きな物を買う、ついでに一週間分の食材を買うなどのプチ休みになった日です。


朝ご飯を食べ終わり、俺は薬草畑から前回と同じ量の薬草を摘み、前と同じく顔を隠して平民の姿に着替えて出発の準備をしました。


(マリアンヌは伝言が見えるといいな。)


いつものように魔の森の外側に飛んで、森の外では低空飛行、王都近くでは歩いて西門で王都に入る。そのまま冒険者ギルドに到着した、真っ先に確認するのは情報掲示板。


(俺の伝言はまだ残ってるが…まままぁ、マリアンヌ王都に到着したら冒険者ギルドにまた入ってないの可能性がある、また来週見よう。)


フードを深く被せ、カウンターに向かって薬草を売りに行く。


(何が今日は普段より混んでないね、あ~受付嬢増えてる。)

「あの、こちら副ギルマスへの薬草の納品です。」

「はい、薬草の納品ですね、こちらへどうぞ。」

「ん?」


そのまま受付嬢に会議室に案内された。ギルドカードを見せ、籠をカウンターに載せ、検品したら金渡すこれだけではないのか?副ギルマスが納品数を増やしたいのか?


ガチャ


会議室らしい部屋に閉じ込められた!!やられた!すぐに受付嬢の方を見ると、フードが受付嬢に下ろされていた!


「無事で良かったわ、アイリスちゃん!」


受付嬢…マリアンヌが抱きしめた。俺もひと安心で彼女を抱き返した。


「マリアンヌ!びっくりした!そちらこそホントに無事で良かった!」

「いいえ、アイリスちゃんの祈りのおかげで、言葉の意味で追手や魔獣も全く出ないまま王都に到着しました。」

「それは良かった、でもその祈りはそんな効果はないよ。あ、マリアンヌはいつ王都に到着したの?」

「一週間前です。」

「あれ、私先週冒険者ギルドに来た時、マリアンヌはいないはずですよ。」

「あ~あの日、わたしギルドに来たのは午後4時から、アイリスちゃんはもう帰りましたわ。」

「でもその伝言は?まだ残ってるよ。」

「わたし宛と書いてないので、そのまま残した方がいいと思う、アイリスちゃん王都に来たら直ぐに暴れましたね、わたしたちは知り合いことは隠しておきたいわ。」

「それもそうですね、あとで撤回してっと副ギルマスに伝えおきます。」

「わたし受付嬢になったあとすぐに他の受付嬢から先日フードを被ってるなメイドさんが赤いミノタウロスを持て来たって、すぐにアイリスちゃんとわかったよ。」

「あのミノタウロスはドラゴンさんが倒れたモノです、私ではない。」

「なるほど、さすがドラゴンですね。」

「あ、そうそう、金貨3枚お返しします、ホントに助かったです。それとメガネの受付嬢姿可愛かった。」

「あ、いや、このメガネは贈り物で…一応、一応変装した方がいい、と思うって。」

「慌てたマリアンヌ初めて見ましたわ、メイドな時とはまた別のかわいいさがありますね。」

「もう、姫様!」

「ごめんなさい、私姫様ではなくアイリスです。」

「「うふふっ!」」


そう、今のマリアンヌはメイドの時と違っく、下ろしたセミロングの髪と両サイトの髪はそのまま前に残して、後ろではミックスカールでふわっと広がるかわいい、メイドな時のクールレディとは別の美人オーラが増えた、笑顔が増えただから?


別れたあとの話をもっと詳しく聞きたいのですが、彼女はまだ仕事中なので、また今度彼女の休みの時に話すことになった。


その後、マリアンヌは真面目な顔に切り替え、俺の平穏な生活終了のお知らせな言葉を話した。


「旅のことはまだ今度休みな時で話しましわ…ここでアイリスちゃんに大事なお願いがあります。」

「はい、何でしょう、私ができる範囲ではお手伝いします。」

「王国はドラゴンの場所を発見しました。それでこの事は王国に対し大きいな問題になったわ。」

「え?こんなに深いな魔の森も見つけるの?」

「話しではそこはそこまで深くないわ、銀ランク冒険者では行けると言われたのです。」


この話を聞いたあと、急に脳内で先日お風呂時、ドラゴンが何が見つかるのかという覗き疑惑イベント。


(あれは冒険者に近づいてるのか…お風呂見られた...いや〜!歌ってることを聞かれた?恥ずかしい!!)


まさかホントに覗かれるとは思わなかったので、顔が真っ赤に熱くなった。


「ままま、まさか数日前のアレは冒険者たったの?!」


ここで、マリアンヌはメガネの横を押し上げる、そう言った。


「ご安心してください、あの方は浮いてるの水の中に人型の何かがいるしか見ていません。」

「よ、良かった。」

「いいえ、今はこの問題ではございません、もっと真面目な話です。」


マリアンヌは今王国がドラゴンを発見したあと王国にマイナスになった問題を俺に説明した。


「そうですか、マリアンヌの言う通り、もし王都の人に知られたら混乱しますね。」

「はい、それに敵国もドラゴンを頻繁に煽ると予想すると、アイリスちゃんもある程度危険があると思うわ。」

「だから、先程の案では、逆にドラゴンは帝国のせいで怪我しているを民に説明し、あくまで王国は休養場所をお貸しするの代わりにドラゴンは王都に襲わない。」

「これは多分王国とアイリスちゃん両方も得するの方法と思いますわ。」

「確かに、王国ではドラゴンがいると他の国の侵攻が防げる、私の拠点の辺りは封鎖し誰も入れない。確かにこの方法は多分一番いいと思います。ですがマリアンヌ、どうして私が聖女の真似しないとダメですか?」

「そうでないと平民がドラゴンを癒すこと、誰も納得出来ないわ。」

「あ…これは、た、確かに。」


聖女モノのラノベは結構好きですが、俺が聖女のマネは無理がある、俺の目的は平穏な生活です、正直もう貴族と全く関わりたくない。


「ご安心してください、今回だけですわ。」

「え?どういうこと?」

「多分今日や明日が王都の騎士団はあの場所を封鎖するためにドラゴンの住み場へ出発するでしょう、騎士団の速度はわかりませんがギルマスの話では多分3~4日くらいと思います、その日アイリスちゃんは、帝国のように劇を演じていいわ。」

「は、はあ…」

「わたしの考えはこうです。」


マリアンヌは詳しくその劇の計画を説明し、確かにこの方法ではこれから貴族に絡まなくでいいし、現状維持も可能です。正直こんな方法を考えるマリアンヌはホントにすごいです。我が平穏な生活を守るために、その聖女役を受けましょう。


聖女がいる件はギルマス名義で王様に報告するそうなんで、それに彼女もそろそろ仕事に戻らないと、まだ話したことが多いが今日はもう無理みたい。


「アイリスちゃん、また会えでホントに嬉しかったです、今回の事が終わったら、どこか落ち着いた場所でまた話しましょうね。」

「ええ、私もまだお聞きしたいこと沢山ありますです。」


マリアンヌは無事でホントに良かった、彼女はそのまま仕事に戻りました。俺もフードを被って、薬草を売ったお金を貰い、掲示板の伝言も撤去を伝え、そのまま冒険者ギルドに出た。


今回の仕事は聖女役ですか、面白いじゃないか、ではまず白いフード付きマント、白と淡い黄色のワンピースを買わないと、金色の糸は買えないので、黄色の糸にしますか、あとは裁縫道具。


(マリアンヌの話では2~3日くらい来るので、しばらくは徹夜ね。)


いやいやでやるよりさっさと終わらせるのが俺のポリシー。よし、やるには完璧にやる、さっさと食材を買って王都からマイルームに戻りましょう。

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