中二とスイーツ
美しい!もう俺は君の虜だ」あ~、そうかい
「待ち遠しい・・・君が俺の元へ来てくれるのを」うん、もう数分だからな。
「ずっと、一緒にいよう。君だけを愛す」
「はいはい。ほれ、できたぞ~」で、俺は睦月の前に“光ちゃん特性ホットケーキ”を出してやった。
「ジャスティス!!」そんなに喜ばれると、まぁ嬉しいもんだな。
睦月は甘い物が好きだ。ホットミルクに砂糖を!イチゴには必ず練乳を!トーストにはピーチジャムを!なんて散々ほざく。この間は祭りの帰りかなんかの子供が持っていた綿飴を強奪しようとするのを俺が止めた。
止めたことに腹を立てた埋め合わせがこれだ。腹を立てたいのは俺の方だよ!
まぁ、ほんとここまで喜ばれると腹立てられたことがどうでもよくなる。
「これぞ宇宙の大方式!!」
「座って食え」立ち上がってまでうまさを表現しなくていい。はずいわ!
「光太の腕、俺の認める神の腕だ。そしてこのホットケーキは“神の施し”と名付けよう」
「やめやがれ♪」キラキラの笑顔に対し俺も笑顔で言ってやった。
「次は生クリームがついたヤツを欲する。」
「え~、めんどくせぇ~」テレビを付けると昼のサスペンス再放送がやってる。おもしろそうかも。
「めんどくさいとはなんだ!美しさに対し更なる美しさを追求させる・・・。それが女性を愛する男のつとめなのだ!!」おっ、小百合さん若っ。
「つまり、率直に言うと?」睦月は下を向いたままなにやら言いずらそうだ。そんなに言いずらいか?
「・・・おかわりください・・・」言えんじゃん。
「・・・ジャムも付けてやろうか?」
「おぉ、神よ!!私を見捨てはしなかった。」小百合さんの若い頃のサスペンスを惜しみながらも、俺はまたホットケーキを焼いてやるのだ。
うん、コイツはほんと幸せ者だ。
だからこそ思っちゃうのは
コイツマジチョロいな、だ。