中二の通学
今回から投稿させていただきます。
年甲斐もなく中二病の作者です。
皆さんの知っているまたは思っている「中二」とは違うかもしれませんが、どうかあたたかい目で見てやってください。
また、少しでも皆さんが笑えるものを書いていきます。
俺の幼なじみ、五十嵐睦月(17)は変わっている。
うん、間違いなく変わっている。
その変わり様は只の「変人」という言葉ではしっくりこない。俺はかれこれ15年間ヤツに合う「変人」以外の言葉を時間があれば探した。そして、近年それがなんなのかわかった。
五十嵐睦月という男はたぶん・・・
「中二病」なのだ。うん・・・たぶん。
もう、中二くさいのか胡散臭いのかも、俺にはわからない。
まぁ、こんな感じで説明した俺はとりあえず、常識人なので。(プロローグの為臨時中二)
俺、光太と睦月は同じ高校。小、中、そして幼稚園も一緒だ。毎朝一緒に通学が当たり前。
俺としては大の男二人で、って言うより「隣同士の幼なじみ」のシチュエーションなら俺は可愛い女の子がいいんだけど。たまに思うことを考えながら、俺は睦月ん家のインターフォンを押す。
「フッ・・・、今日は遅い方だな。光太」睦月はすでに外に出ていた。
「って、そこにいたのかよ」睦月は家の前にある電柱にもたれて腕を組んでいた。なんで気づかなかったんだ、俺。
「ほれ、行くぞ。」
「今日は・・・やめておこうじゃないか。感じる・・・何か嫌な」
「うっせ。ほら、行くぞ。」
「フッ・・・仕方ない。立ち向かってやろうじゃないか。お前と共に」
「はいはい、共に行こうな~。」
これがだいたいの朝のやりとり。こいつは隙あらば学校を休もうとする変な癖がある。
歩き始めて駅に行く間、当然学生も多いこの時間女子高生は俺の隣のヤツを見てキャーキャー騒いでる。
「あの人かっこいいよね~。東高の人っしょ?」
「もう、声かけちゃおうよ~。」 いやいや、掛けない方がいいって。夢壊すよ~。
女子高生達は声を掛けず、近くのコンビニに入る。これもいつもと同じ。
五十嵐睦月、185㎝の長身にあったスラッとした体。整った顔に涼しげな切れ目。さらっさらの上にスマートな眼鏡。黙ってさえいれば、かっこいいしモデルみたいだ。おまけにコイツは成績優秀・運動神経抜群と、どこかの漫画から飛び出してきたんじゃないか?という人間だ。まぁ・・・中二なんだけどな・・・。残念なイケメンだ。
電車の中は当然満員。マジ奥様方の詰め放題みたいに。俺以上にイライラしている睦月はしかめ面で電車の広告を眺めている様だ。電車がホームに着き、何人かが降りては、何十人かが電車に乗り込む。俺たちはこれを十五分我慢する。やっと、降りる駅に着いて人混みをかき分ける。
「くっ・・・」
「睦月、どうした?」ホームで睦月がよろけ、電車が出発した。
「俺を倒せるとは、なかなか骨のあるヤツもいたもんだ。」あ~、そうゆうことか。
「つまり、リーマンのおっさんにぶつかったってことだな?」睦月は無言でうなずいた。