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第六十八話 レッドサーペントのから揚げは予想以上の美味さだった

感想欄でゴブリンキングには小さい魔石があるはずじゃとの指摘を受けましたので、確認のうえ65話を手直ししました。

『スイ、鞄の居心地はどうだ?』

 早速新調したレッドボアの鞄に収まっているスイに居心地を聞いてみる。

『これ、前のより居心地いいよ』

『そうか、それは良かった』

 居心地良さそうで何よりだ。

 革の鞄を新調して良かったね。

『あ、そういやフェル、ランベルトさんの話聞いてたか?』

『ああ。あの黒ヘビのことであろう?』

『うん。ブラックサーペントがいたら出来れば狩って欲しい。お願いできるか?』

『いいぞ。あれの肉は美味いからな』

『あー、あの見てくれに似合わず美味いよな。から揚げにしたらめっちゃ美味いし』

『おおっ、から揚げか。あれは美味かったな。そう言えば、赤ヘビの肉があったであろう。今日はあれでから揚げにしてくれ。それから焼いた肉も食いたいぞ』

 そう言えばレッドサーペントの肉って超高級だって言ってたな。

「レッドサーペントでから揚げか。明日にはメタルリザード討伐に行くんだし、景気付けに贅沢するか」

『から揚げするのー? スイ、から揚げ大好きっ! やったー!』

 スイも食いたいって言ってるし、今日もから揚げにするしかないね。

『でも、宿に帰る前に俺の服を買いにいきたいから、ちょっと服屋によってくぞ』

 収入もあったし、少し買い足しておきたい。

 下着とか靴下なんかはネットスーパーで買えるからいいんだけど、服だけはさすがにね。

 上下のスウェットとか買えるんだけど、それ着てたらさすがに目立つからな。

 ということで宿屋に帰る途中に服屋によった。

 中を物色したが、染色技術が発達しているわけではなさそうで、みんな地味な色で同じような形が多い。

 結局今着ているのと同じようなシャツとズボンを3組購入した。

 金貨2枚と銀貨4枚だったぜ。

 さてと、宿に帰りますか。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇




 宿に着いたら早速食事の準備にとりかかる。

 それじゃ、フェルがリクエストしたから揚げをつくりますか。

 今は肉もたっぷりあるから、レッドサーペントの肉だけじゃなくいろいろ使ってみようと思う。

 それに多めに揚げておいて、いつでも食えるようにアイテムボックスに入れときたいしな。

 今回も醤油ベースの味と塩ベースの味の2種類を作る。

 肉はメインのレッドサーペント、それからブラックサーペントとロックバード、ジャイアントドードーにしてみた。

 まずは、それぞれの肉に醤油ベースのたれと塩ベースのたれを揉み込んでと。

 少し時間を置いて味が染みこんでから油でからっと揚げていく。

 今回はよりおいしくということで二度揚げすることにした。

 まずはメインのレッドサーペントを揚げてみる。

 最初は低温の油で揚げて中に火をとおす。

 その後に高温の油でカラっと揚げる。

 うん、きつね色でイイ感じにカラっと揚がってるな。

 一つ味見を……サクッ。

 …………うんめぇ―――――ッ!

 なんだコレッ。

 外はサクッ、中はジューシー。

 しかもこの噛み締める肉の美味いこと。

 淡白なんだけど味わいがあるっていうかさ、醤油ダレと塩ダレの味がついてるけど肉の旨味もしっかりある。

 今まで食ったから揚げで一番美味いかも。

『あるじ、ズルイっ。スイも食べたいー』

『そうだぞっ。我にも食わせろっ』

 あーはいはい。

 揚がったばかりのレッドサーペントのから揚げを皿に盛って二人の前へ。

『これっ、すんごく美味しいねっ!』

 スイが感激したようにどんどんレッドサーペントのから揚げをたいらげていく。

『ッ!!!』

 フェルはというと、夢中でから揚げをバクバク食っていた。

『『おかわりっ』』

 ははっ、いつにも増してよく食うね。

 まぁ、それだけ、このレッドサーペントのから揚げが美味いんだけどさ。

 さすが超高級肉だぜ。

 さて、どんどん揚げていきますか。

 レッドサーペントばっかりだとすぐになくなっちゃうから、他のブラックサーペントとロックバード、ジャイアントドードーの肉も揚げていく。

 とにかく二人のためにどんどん揚げていくぜ。

 俺は後からゆっくり楽しませてもらう。

 二人のために揚げては出し、揚げては出しを繰り返す。

『ふ~、スイ、もうお腹いっぱい』

『ゲプッ、我もだ』

 フハハハハハ、勝った。

 前の過ちは繰り返さないんだぜ。

 二人の食う分も考慮して、とにかく大量の肉を仕込んだ甲斐があった。

 それじゃ今度は俺の分と保存しておく分を揚げていくか。

『ん? 我はもう食えんぞ』

『これは、俺の分と保存しておく分だよ。揚げて保存しておけば、食いたいときにすぐ食えるだろう』

『おおっ、それは良いな。たくさん作っておいてくれ』

 へいへい、言われなくてもどっさり仕込んだ分のから揚げは揚げるし。

 あ、そうだ、あとオークジェネラルの肉があったんだ。

 フェルが焼いた肉もなんて言ってたから、オークジェネラルのステーキと思って切り分けてたんだよな。

 あー、さすがにフェルももう食わないな。

 ってか、既に獣舎の布団の上で横になってるし。

 あっ、ちょうど油もあるし、切り分けてたオークジェネラルの肉はとんかつにしよう。

 それならロックバードの肉でチキンカツも揚げておくのもいいな。

 よし、そうしよう。

 それから大量のから揚げととんかつとチキンカツを揚げていった。

「ふ~、やっと終わった」

 大量のから揚げととんかつとチキンカツをアイテムボックスにしまい終えて一息ついた。

 既にフェルは鼾をかいて寝ているし、スイも革鞄の中に納まってスヤスヤ寝ている。

 フフフ、これからは大人の時間だぜ。

 皿に盛った熱々のからあげととんかつ。

 そしてお供はプレミアムなビール。

 なんと、ネットスーパーで買うと冷えているのだ。

 冷えたビールと熱々のから揚げととんかつとは最高の組み合わせだな。

 では…………サクッ。

 ジュワっとあふれる肉汁。

 レッドサーペントのから揚げ、やっぱ超美味い。

 プシュッ、ゴクゴクゴク。

「ク~、美味いっ。から揚げとビール、合うね~」

 次ぎはオークジェネラルのとんかついってみるか。

 とんかつソースをかけてと。

 サクッ。

「おー、これはオークよりも美味いっ」

 普通のオークの肉よりオークジェネラルの肉の方が、肉の味がしっかりしてるし脂身もしつこくない。

 ここで再びビールをゴクゴクゴクリ。

「ふ~、とんかつとビールも合うね~」

 ふいに空を見上げると、丸くて大きな月が浮かんでいた。

 日本で見るよりも大分大きな月だ。

「美味い飯を食いながら月見酒とは、なかなか贅沢だねぇ」

 その夜、俺は真ん丸の月を見ながら美味い飯と美味い酒を存分に楽しんだのだった。








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