第五十七話 目指せFランク
今日は、56話と57話更新です。
昨日に続いてフェルとスイを伴って冒険者ギルドに来ていた。
朝の時間帯は混むと思って、少し時間帯をずらして来たことですんなりと受付にたどり着く。
「あの、ちょっとお聞きしたいんですが」
「はい、何でしょうか?」
「あのですね、私は今Gランクなのですが、Fランクに上がるためにはどうしたらいいんですか?」
え、今更って感じで受付嬢に一瞬驚いた顔されたけど、説明はちゃんとしてくれた。
確かに今更感はあるので文句は言えないな。
「ランクを上げるためにはクエストを成功させて一定のポイントを取得する必要があります。さらにCランクより上のランクに上がる場合は試験もあります」
なるほど、一定ポイント取得でランクを上げることができるってことね。
んで、Cランク以上に上がる場合はポイント+試験合格ってことか。
Cランク以上になることは考えてないからそこは大丈夫だな。
「一定のポイントを取得する必要があるのは分かりました。GランクからFランクに上がる場合は何ポイント必要になるんですか?」
「GランクからFランクへ上がるための必要ポイントは100ポイントです」
100ポイントか、多いのか少ないのかもわからんな。
「Gランクが受けられる依頼は限られていますし、たいていの依頼が1ポイントか2ポイント、あっても3ポイントですよ。だから、GランクからFランクへ上がるのはけっこう大変なんです」
そう受付嬢が教えてくれた。
そもそもGランクの間というのは冒険者になるまでの訓練期間に相当するもので、Gランクの間に冒険者のいろはを依頼をこなしながら学んでいくんだそうだ。
その間に冒険者に向いていない者は自然と脱落していくし、冒険者を
そういうこともあってGからFに上がる際の必要ポイントは高めに設定されているんだそうだ。
なるほどねぇ、そういう意味合いがあったのか。
冒険者に登録したときは、そんなことちっとも教えてもらってなかったけどさ。
まぁ今回再登録したところだし、冒険者を
「あ、GランクからFランクに上がる場合は早い人で3か月、通常だと半年くらいかかります。ムコーダ様もがんばってください」
エェ?そ、そんなにかかるのか?
俺、冒険者は自分のガラじゃないって思ってたからあんまりその辺のところ調べてなかったし分かってもなかったけど、冒険者舐めてたかもしれん……。
ってか、早い人でも3か月って、俺はもっとかかるに決まってるじゃん。
この街に長期滞在決定じゃねぇか。
GランクからFランクに上がるまでにそんなにかかるんじゃ、そりゃ向いていないヤツは脱落するわなぁ。
受付嬢の説明に納得。
自分で冒険者に向いてるかの見極め期間ってことでもあるんだろうな。
まぁ冒険者って言ったら命を懸ける仕事だもんなぁ。
あ、俺は懸けないけどね。
Fランクに上がったら後はFランク維持に努めますよ。
もちろん。
でも、Gランクの登録抹消の期間って1か月だし、Fランクに上がるまでもけっこう時間かかるしで、Gランク冒険者は遠出の依頼なんて受けてる暇なんてないね。
受付嬢にそれを聞いてみたら笑われた。
そもそもGランクに遠出をするような依頼はないし、特別な事情がない限りGランクの冒険者がFランクに上がるのを放棄して遠出などしないとのこと。
だから、冒険者ギルドに最初に登録した街でFランクに上がるまで依頼をこなすのが普通なのだそう。
え、そうなの?
俺、登録して1回だけ薬草採取こなして、すぐに旅に出ちまったよ。
ダメダメだねぇ~。
昨日の受付嬢は「期間が一番短いですから時々そういう方がいらっしゃいますね」って言ってくれたけど、気使ってくれたのかも。
今話を聞く限り、冒険者に向かないと思うか特別な事情がない限りはFランクに上がれるように依頼をこなしてポイントを稼ぐのが普通みたいだし。
はぁ、なんか知らなかったことばっかりだぜ。
冒険者ギルドにはお世話にならにゃならんし、ここはがんばろう。
目指せFランクだな。