第二十五話 ラウテルの街到着
初めてレビューが付きました。ありがとうございます。
これも読んでくださる皆様がいるおかげです。
それからネットスーパーについて説明させていただきたいと思います。
ア○ゾンや楽○のような何でも売っているネットショッピングと混同されている方がいらっしゃるようですが、ここで出てくるネットスーパーはイ○ンやダ○エー、西○のネットスーパーのようなものだと考えていただければ想像がつくかなと思います。
ブ、ブルーシート…………くっ、その手があったか。
ラウテルの街に入るのは大変だった。
フェルがいるからっていうより、街に入る人で長蛇の列ができていたからだ。
並んだら並んだで悲鳴を上げられるし。
「従魔だから大丈夫です」って周りに説明するのが大変だった。
門に近づいたら近づいたでやっぱりというか、門にいたフルプレートの鎧を着た兵士に槍を突き付けられて止められた。
「止まれいッ」
「フェル、止まってくれ」
フェルが止まると、兵士が槍を構えながら近づいてきた。
「従魔か?」
「はい。私の従魔です。冒険者ギルドのギルドカードを確認してください」
俺は兵士にギルドカードを提示した。
「たしかに従魔とあるな。それはグレートウルフか?」
「はい」
「よくAランクの魔物を従魔などにできたな」
「はい。運が良かったのだと思います」
「従魔契約を結んでいる上でお前を乗せているくらいだから大丈夫だとは思うが、もし、何かあれば従魔の主であるお前が罰せられることになる。街に被害が出た場合、その程度によっては死罪や奴隷落ちになる場合もあるからな。従魔の扱いには十分注意するように」
「承知いたしました」
ふぅ~、釘は刺されたけど割とすんなり入れたな。
でも、死罪に奴隷落ちって…………何それ怖い。
ってか、やっぱり奴隷いるんだね。
異世界に人権はないね、異世界怖い。
まずは宿の確保かな。
あ、門の兵士に聞いた方が早いか。
従魔と一緒でも泊まれる宿を兵士に聞いてみると、門を入ってまっすぐ行き3つ目の角を曲がってすぐのところにある「エルミラの宿」がおすすめとのことだった。
兵士に教えてもらった宿に向かう。
ラウテルの街は王都に次ぐ街だからさすがに人が多いな。
数は多くないが、ケモミミに尻尾のある獣人もちらほら見かけた。
そのほとんどが首輪をしていたから、もしかしたら奴隷なのかもしれない。
俺とフェルが歩いていると一瞬ギョっとされるものの騒がれはしなかった。
「従魔か……」とボソっとつぶやいているのが聞こえたから、これくらいの街になると従魔を連れた冒険者もけっこう出入りしているのかもしれないな。
エルミラの宿に着くと、従魔込みで宿泊料金は銀貨8枚だった。
フェルには獣舎で待機してもらい、俺は宿で聞いた本屋に向かった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
本屋に入ると、中は古めかしい本で埋め尽くされていた。
店内をうろうろしながら地図らしきものがないか確認したがそれらしきものはなかった。
その代わり面白そうな本を見つけた。
『誰にでもわかる魔法の入門書』というものだった。
これ、欲しいかも。
本は高価だって聞いたけど、いくらくらいするんだろう?
「すみません、この本いくらですか?」
店主がチラっとこちらを見て「金貨7枚だ」と言った。
うっわ、高っ。
金貨7枚もするのかよ、これはなしだな。
この街には図書館もあるって言ってたし、そっちで魔法関係の本を見よう。
目的の地図だけは高くてもあったら買わないと。
地図がないか聞いてみると、店主に「地図なんぞ一介の本屋に置いてあるわけがないだろう」と一蹴されてしまった。
地図を持っているのは王城か軍部のお偉いさんくらいのものだそうだ。
あーそうか、地図は軍事機密の部類になるのか。
そら手に入らないわな。
宿屋に戻る途中、地図をどうするか考えてみた。
別に詳しい地図が欲しい訳じゃないんだよな。
この国はこの辺りにあって、北にはこの国があって南にはこの国があってという感じに大雑把なこの世界の地図が分かればいいんだ。
それぞれの国の情勢は、冒険者が集まってそうな酒場に行けば冒険者からいろいろ聞けるだろう。
あ、冒険者からこの国はこの国と隣接してるーとか聞けるかも。
冒険者っていう職業柄いろんな国に行ってるようだからな。
そうなると……図書館で古い地図とかないかな?
古い地図でもいいから、この大陸の大雑把な形を把握して、そこに冒険者から聞いた話を基に国を書き込んでいけば、ある程度の地図ができるような気がする。
よし、それでいこう。
明日は図書館に行って古い地図を探してみることにしよう。
あ、魔法関係の本もちょっと見てみたいな。