ギャグ?
すみません、昨日はまた力尽きてました。
う~ん、月曜日はどうも力尽きる確率が高いような気がするな……
「な、何をするんだっ!?」
「何をって……報復だが?」
うまい具合に肘と膝の関節のあたりで妁き落とせたのでなかなか綺麗な感じになったな。
刹那と一緒に『上手に焼けました』と言いたくなる出来だ。
「報復って、彼がいったい何をしたと言うんだ!?」
「は?
…………なぁ、そこの女、そいつはギャグを言っているのか?」
ツッコミ待ちとしか思えない発言に、呆気にとられ、つい俺と同じく呆然としている魔法騎士に質問してしまう。
「……ごめんなさい、あたしにもわからないわ。
彼らには臨時で雇われただけだから、付き合いが浅いのよ。…………でも、見た感じでは本気っぽいわね。
その本気っプリに思わず、あたしが間違っているのだと思えてきたわ。
一応確かめたいのだけれど、交渉の最中にあなたを撃ったからよね?」
「ああ。
こちらも一応聞いておくのだが、あいつの反応は外でもおかしいのだよな?」
あれが一般的な反応だとするなら、俺はこの世界人間と交流できる自信はない…………と言うか、積極的に絶縁したい。
「当たり前よ! …………当たり前のはずよ……ええ、当たり前のはず。うん」
「そこは最初の言い切ったままでいてほしかったな……」
「いえ、こちらから持ちかけた交渉、それもあなたの視点から見れば、侵略者と被侵略者の和平交渉を武力で打ち切った上に、その後の闘争で負け側になったのだから、手足を失う程度なら軽い…………と言うか、こちらが彼の首を差し出さないといけない状況なのだけど……」
あ、侵略者って自覚あったんだ。
「……あんな堂々とまっすぐな目で言い切られたら、ちょっと不安なっちゃって……」
「…………なんと言うか、すまんな。常識を疑わねばならない状況を作り出してしまって」
「いえ、気にしないで……」
「うん、まぁ……とりあえずここから帰ったら、ゆっくり静養するがいい」
うん、何だろうね、この状況は? 俺、この女には悪いことしてないはずなのに、とてつもなく罪悪感が湧いてきたわ。
「ええ、そうね。少しギルドの方に長期休養の申請を出して、彼氏と一緒に保養地にでも行ってみようかしら?」
「ああ、そうするといい。…………まぁ少ないが餞別だ。旅費の足しにでもしてくれ」
そう言って、手持ちの金(歴代の侵入者から剥ぎ取っていたもの)をすべて渡す。
「あら、いいの?」
「ああ、どうせ使い道なんて、ダンジョン内に適当に配置するくらいだからな」
「あらそう、なら遠慮なくいただくわ。代わりにお土産は期待しといて」
「ああ、楽しみにしている」
ゆっくり休めるといいな。
「てめぇら、なに楽しくくっちゃべってやがるんだ!?」
「「え?」」
「『え?』じゃねぇよ!? てめぇらはダンジョンマスターと冒険者。不倶戴天の敵同士だろぅが!」
「「あ……」」
そういや、そうだったな。