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侵入者の事情

すみません、また遅れました

今回も別人視点ありです

「ヴォン、ヴォヴォンヴォヴォ──────……」


 小鬼とタンデムで朧車に跨がり、侵入者の元へ急ぐ。元々ダンジョンマスター故の貧弱ステータスがスキル《魔人化:ぬらりひょん》の影響で貧弱さに磨きがかかっている俺の脚に比べると遥かに早いわけだが…………朧車の排気音が激しく気になる。


「ヴォヴォン、ヴォヴォ──────……」


 排気音と表現したが、コレ……朧車の口から出ている鳴き声なんだよな……。


「なぁ、朧車……その鳴き声はなんとかならないのか?」


 ちゃんとした排気音ならともかく、明らかに声音だから逆にすごく耳につく。


「………………」


 ダメ元で言ってみたところ、朧車は静かになる。……心なしかスピードが上がり、振動も緩やかになったような気がする。

 ……最初から静かに走れよ、とツッコんだら負けなのだろうか?




Side 侵入者 (時を少し遡る)


「ちっ、あの駄馬、よりによってダンジョン(ここ)に逃げ込みやがったか……」


「ギルドの者を雇っていて正解だったね」


「うむ、確かに」


「ギルドの者って何よ、あたしにはヒルデって名前があるんだけど……。


 あたしからすると仕事が増えて迷惑なのだけどね。 あ~あ、何もしなくてもお金が入ると思ってたのに~」


「ふんっ、追加報酬があるんだから文句言うな」


「それはそうだけどさ~、やっぱり不労所得はいいものよ」


「こらこら、ヒルデもウリヤも不毛な話はやめなよ。

 それより一角天馬(アルミューン・ペガサス)の捕獲が重要だろ」


「うむ、我らに与えられた使命は彼の天馬の主の捕獲、もしくは《宝剣・エルディオン》の回収。そのためにも行方知れずの主を誘き寄せるために天馬を捕獲する必要がある」


「宝剣だか何だか知らないけど、あんた達も大変ねぇ。わざわざ外国から不法入国で来た上に、ギルド管理のダンジョンにこれまた不法侵入だなんて。……まぁそれを手引きしてお金を得てるあたしが言うことじゃないけどさ。

 そんなに価値のある剣なの?」

「本当に君が言うことじゃないね……。

 宝剣としての性能はそこそこなんだけど、、ある亡国の象徴だから回収しとかないと色々面倒なんだよ。まぁ、少し前に『うちが滅ぼした国』が『滅ぼした』国のなんだけどね」


「別にあんた達が滅ぼした訳じゃないなら必死捜さなくてもいいんじゃないの、アーサー?」


「それが微妙な話でさ、その国は滅ぼされた後も一部のものが国を取り戻そうとレジスタンスを組織してたからね、万が一があったらいけないのさ」


「ふぅ~、ずいぶん面倒そうな話ね…………国に仕えてなくてよかったわ。

 それより、あの馬、どうやって捕まえるのよ? あれ聖獣でしょ?」


「その為に我がいる。我がスキル《騎獣支配》にて、支配すれば……」


「あの馬、かなり高レベルじゃないの? 仮にも宝剣を扱える聖騎士の相棒なんでしょ?」


「まぁ、本来ならレオパルドのレベルでは支配できないだろうね。

 だけど、あの天馬は《魂の絆》で聖騎士と結ばれていたらしくてね、近くに彼の聖騎士がいない今は能力がかなり落ちているはずだから可能なんだよ」


「なるほどねぇ。


 ん~と、そろそろいいかな。そろそろ転移いくわよ」


「ったく、やっとかよ。何でとっとと転移しねぇんだか」


「しょーがないでしょ、同じ転移マーカーに立て続けに転移なんてしたら何が起こるかわからないんだから。

 しかも天馬は正規手順を践んでいない……って言うか践めるはずがないのに転移したんだし。


 それじゃあ、いくわよ──


開け彼方への扉


道なき道の先


我が盟友に印を刻まれし地へと我らを誘え


《ゲート》」

今回の侵入者の名前の元ネタと共通点ってわかりますかね?


ちなみに

魔法騎士・ヒルデ

騎士・アーサー

戦士・ウリヤ

騎乗銃士・レオパルド

です

あるキャラは結構もじっているからわかりにくいかも……



正解はそのうち発表しますが、感想で回答されたら正解不正解は言います。

なので感想を見るときは解答がある可能性があるので注意してください。

不正解ならヒントを出す可能性もあります

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