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農場物語

 ある程度方針を決めた後は、ダマれ! で相談しながら生産区(プラント)の整備をしていく。

 階層とフィールドを作り地形を調えたり、田畑を作ったり、家畜舎を作ったり……。

 ある程度形になったところで、今度は生産区(プラント)で働く妖怪たちの作成をする。

 

「コロポックルを50体作成──承認」

 

 まず、農作業に向いた妖怪を考えた時になぜかコロポックルが真っ先に思い浮かんだので、自分の直感を信じてコロポックルの群れを作成してみた。

 

「個人用可変式魔農具の九十九神を50体作成、仕様変更・コロポックルサイズ──承認」

 

 次に鍬や鎌などのあらゆる個人用の農具に形を変えられる魔道具の九十九神を作り──ちなみに消費ポイントは九十九神1鬼でコロポックル5鬼分と魔道具自体がかなり高級品──、コロポックル1鬼に九十九神1鬼ずつ作り支給しコンビを組ませる。

 

「案山子神を作成──はまだいいか」

 

 最後に田畑の守り神として案山子神を作成しようと思ったが、できていないうちに作っても仕方ないと思い中断。それにポイントが高いし。

 

「俺がお前たちの主人の蒼魔だ。

 お前たちには新しく作成した生産区(プラント)の管理と運営をしてもらう。まぁ、このダンジョン全体の食糧の生産だ」

 

 コロポックルたちを前に挨拶をし、色々説明をし、

 

「それと、迷宮区(ラビリンス)側の奴らもちょくちょくこっちに派遣するから、厳しく指導してやってくれ。立場や年齢なんかはあまり考慮しなくてもいいからな」

 

 明言を避けながらアホの子……もとい、子河童たちの世話を押し付ける。

 

 

 

「ねぇ、お兄様」

 

「どうした久遠」

 

 コロポックルを生産区に配置し、河童たちも派遣したので部屋に戻ると久遠が待っていた。

 

 

「生産区の設置はいいのだけれど、迷宮区の方は放っておいても大丈夫なの?」

 

「しばらくは大丈夫だろ。

 今のところ突破されているのは森か湿地帯くらいなもんだし」

 

 それもボスが不在の。

 

「それに手を加えるとゼンのレベルアップが遅くなるしな」

 

 現在の1層は雷ヶ原。

 ここ最近は約束通り雷ヶ原を優先して1層に配置している……具体的にはほぼ毎日。

 面白半分でゼンを煽ってみたけど、思いの外ゼンはツグミに惚れ込んでいるみたいで、この様子なら近いうちに進化できそうだ。

 

「でも最近、外の動きに変化があるそうよ。

 さっき外へ派遣している文車妖妃から連絡があったわ」

 

 恋文の妖怪である文車妖妃は戦闘能力はほとんどないが──せいぜい相手を呪うくらい──文字知識の他に、《裡心文》という知り合いに即座に手紙を届けるスキルがあるので近場の町で諜報活動をしてもらっている。

 文車妖妃から来た連絡──手紙を読むとそこには近くの宿場町はこのダンジョンの秘宝(コア)を狙うのはやめて、ダンジョンを町の観光資源にすることにしたらしい。

 それならこっちも目くじら立てる必要がないので問題ない……どころか万々歳な訳だが、話はそううまくは運ばない

 諦めたのは宿場町だけで、宿場町で雇われていた冒険者と、傭兵の一部は諦めていないようだ。

 

 元々、宿場町にはこちらからはまったく手を出してないから宿場町とは争いが長続きしにくいが、直接殺り合った奴ら、特に冒険者の方は出来て間もないダンジョンを攻略できなかったことがメンツに関わるので諦める気配がまったくないとのこと。

 また、傭兵の方もダンジョンから受けた仕打ち──主に河童たちの仕業(イタズラ)──によって憎さMaxらしい。

 

 

 

 

 そして、冒険者の組織、冒険者ギルドの本部が近々ダンジョンに対して大攻勢に出るらしい。

 まだどこのダンジョンへ侵攻するかは未定だが、宿場町にあるギルドの支部はこのダンジョンへの侵攻を申請しているらしい。

 

「別に大丈夫じゃね?」

 

 未だにろくに攻略できてないけど、死者もほとんど出ていない危険度の低いダンジョンなんだし。

 

 

「それがそうでもないわ。

 確かにここが侵攻を受ける可能性は低いけれど、槍玉に挙げられた以上警戒はされるわね。

 少なくとも、この侵攻の後は侵入者が増えるのは間違いないわ」

 

 うわぁ、すっげ~ダルい展開だな……。

コロポックルは牧○物語仕様です

また『ボ』ではなく『ポ』なのはわざと

コロポックルにはスキル《農業》はありませんが、種族特性である程度できます。



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