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代償

 

 狂骨との戦闘から一夜明け、きっちり24時間後目を覚ます。ベッドから起き上がろうとするも身体にほとんど力が入らない。重石が乗ってるような感覚さえある。


……はぁ、これが魔人化の反動か……。ダマれ! の先輩方曰く、ダンジョンマスターの能力はダンジョン運営特化らしく、マスター自身の戦闘能力は無に等しいらしい。

それでも戦闘系の称号やスキルを得る・使うなら相応の代償が必要とのこと。


身体を起こすのが難しいので首を動かし周りを見渡すと、


「「「スースー」」」


俺の身体を枕にしながら眠る娘さんが多数。

……うん、重石が乗っているような感覚は気のせいじゃなくて本当に乗ってたんだね。看病してくれるのはありがたいが、久遠と水奈は枕にするどころか上に乗っかるってのはどうなのよ?

そして刹那は何で人型になってんの。ベッドの脇から頭だけ乗せて看病疲れで寝てる様子はなかなか萌えるが。……って、あれ六花はどうした?


無理矢理身体に力を入れ、上に乗ってる久遠と水奈を落とさないよう身体を起こして周囲を見渡していると……、


ガチャッ

「……あ、主さま!?」


そのタイミングで六花が部屋の外から帰って来た。


「六花か」


「あ……るじ……さま」


六花がふらふらとした足取りで近寄ってくる。

……かなり心配をかけたようだ。ここはおもいっきり抱きついて来る場面だな。それなら抱き締め返してやるのが一番か……。

そう考え佇まいを整える。


「……あるじ、さま……の馬鹿ぁぁぁぁっ!」ドゴッ

「ヘブッ」


すると六花におもいっきりしばかれた。しかもグーで。


……なんで!?


「主さまは何を考えているのですかっ!? このダンジョンは主さまがいなくなったら一貫の終わりなのですよっ!

それなのにわたし達を眠らせるだけでなく、直接守ってくれるコクホウさん達まで眠らせるだなんて……」


さあ、六花ちゃんのお説教がはじまりました。やっとの思いで起き上がったのにしばかれた所為で再び倒れ、起き上がる体力や気力がなくなっちゃったよ。


「お、お姉様落ち着いて。

せめてグーじゃなくてパーで……」

「そうです、落ち着いてください六花姉様」

「スースー」


「久遠ちゃん達は少し黙っていてください」


「「は、はい」」

「スー」


六花の声に目を覚ました久遠達が止めようとするも止まらず、ヒートアップする六花。

一言で黙らせるあたり伊達に姉をやってる訳じゃないんだね。

実は雪女系じゃなくて夜叉女あたりじゃないかと思わせる覇気だったぞ。







懇々と説教されて、次からは無理しないことを約束させられました。うん、泣きながらの説教とか卑怯すぎるよね。


「ところでお兄様、あのちからは何だったのかしら?」


「あれは《魔人化:ぬらりひょん》ってスキルだ。

効果は────」

効果を説明したところ……、


「主さまっ、なんでそんなちからを……」

「兄様、なんてことをっ……」


六花ちゃんのお説教第二部が公開されました、今回は刹那も参戦です。

ちなみに水奈はこの説教の間もずっと寝続けてます。







「ま、まぁ、待て。

落ち着いて話をしようじゃないか」


現在人生最大のピンチです。侵入者がここまでやって来た……わけではなく、


「いえ、主さま、待つわけにはいきません」


その原因は目の前にいる六花。

もうお説教第二部は終了し、日常生活に戻ったわけだが、


「主さまはしばらく、ろくに動けないのですからわたし達がお世話をしなくてはいけないのです…………もちろん下のお世話も」


「いや、それはそうなんだがな、心の準備ってもんがな……と言うかな、



オムツは嫌じゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


この年齢になってオムツなんてしたくねぇよ!ししかも見た目10歳くらいの女の子手でなんて。

六花に言われるがまま、介護用品を作成し続けた俺のバカッ!


「さあ、主さま、大人しくしていてくださいね」


「ちょっ、まっ…………ア──────────────────────────────────ッ!」



…………もうお婿に行けない。

修正と、ちょっと追記しました

追記内容は

六花が少しバイオレンスになって、久遠は実は寝たふりをしていた

って感じです

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