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【side 帝国の討伐旅団】

「謎王のゲートが開いた?」



 フランシア全土の意志ある者共の脳裏に、神からの啓示が流れ込んだ。

 神々の試練とも、罠ともいわれる神域への転移ゲートの解放の知らせだ。


 

 それは、映像、音声、などの複合イメージとしてフランシアに住まう意思のあるものすべての脳裏に(脳がない存在には意志の根源に)直接届く。






 その大いなる力でこの世界を形成したとされる二帝七王が、ごくまれにそれぞれの支配する領域につながるゲートを

人族の領域に展開する。

 人の命を吸い出すための罠である説や、勇者の鍛錬場としての神からの試練説など諸説あるが。



 ともかくとてつもない危険の待ち受ける領域であり、そしてその中で得た経験や宝物は人族の領域では得難い貴重品・希少品であるために危険を顧みずにゲートに入っていく武装集団や冒険者が後を絶たなかった。



 そのゲート出現の位置情報などは神から全世界の意志ある者たちに直接に伝えられ、

ゲートを設けた神が設定した倒すべき相手や、集めるべき宝物などが指定される。




 そして今回の謎王のゲートのお題は……。



『ハーイ! みんなっ! 夢魔王マリスカレンちゃんとのコラボイベント! 第1回~11匹の魔王のしもべを狩れ! はじまるよー!』



 ……という異例の長ったらしいものだった。


 ちなみに8年前の炎帝のゲートは『炎耐久135回』とのお題で、

ゲート内の徐々に温度が上がっていくエリアに最後まで生きていられた物が勝者となるものだった。




 謎王からのゲート開催の思念を受け取った者たちの中で参加を検討した場合は、謎王から追加で倒すべき11匹の魔物の姿が脳裏に浮かぶようになる。


 

 そしてエングラノスト帝国の多数の冒険者たちも参加を思い描き、魔王が謎王の領域に派遣した11匹の魔物の姿を脳裏に映じていた。


 

 その中に冒険者集団『フレイロード』の3人組もいたのだった。



 謎王の用意した魔物の姿を確認した時に、フレイロードのメンバーは同時に、


「あ! この3匹は!!」


 と、叫んでしまい。


 冒険者の店で、奇異の目で見られることになったのだが……。



 ともかく、すぐにリーダーのショウ・ライトストークスは周囲の冒険者グループに討伐旅団結成を呼び掛け謎王のゲートに挑むのだった。





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