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「……なんの話だったっけ?」
きのぬけたような声でソノタが呟いた。
「……あいつ、マイペースだかんなぁ。まあ、基礎練しながら話すべ」
とソウがソノタから手を離し、肩を回しながらホールの奥に向かった。
「そだな。動きますか。チーム新豆柴も出来たことだし」
とトウジも手を離しソウの対面に向かった。
「その犬分け、いやなんだけども、まぁ。……ソノタ、こっち来てくれる?ここで腕を横にして、水平にね」
とカツトがソノタの手を引いて、ソウの真正面、トウジの隣に立たせ手を離した。
カツトとトウジが、ソノタを中央に、手を広げて等間隔に立った。
「用意、出来たみたいなんで準備体操から。柔軟の時はこっちでやるから来いよソノタ」
ソウはソノタの目を見て言った。
「わかった」
ソノタがうなずく。
「じゃ、膝の屈伸から、一、二……」
ソウの声が響いた。