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子供たちが室内にキーワード探しに行った隙にぎこちない歩きで休息所に【カエルの大比企大河くん】は消えた。

数分後に姿を表した【カエルの大比企大河くん】は、黄色全身タイツに手足頭に被り物に大比企ホーム住宅のロゴ入りの黄色い法被。

そして、異彩を放つショッキングパープルのトランクス。

「なにそれ?」

テント内の男性社員が眉根を寄せた席をたち近づく。

「補色じゃないか?」

「今日は短パンもハーフパンツも持って来て無かったんで、買い物にも行けなくて……前がゴニョゴニョ……破れゴニョゴニョ……見えてゴニョゴニョ……」

男性社員の耳元で【カエルの大比企大河くん】はゴニョゴニョ小声で話す。

男性社員の顔色が変わった。

テントの骨組みからぶら下げていた、粗品見本の黄色いロングタオルを外す。

小物入れから安全ピンを一握り。

と【カエルの大比企大河くん】のトランクスの上に巻き付け、端を安全ピンで留めた。

全身タイツともロングタオルを安全ピンでガッチリ固定。

【ロングタオル見本】と書いた紙片も留めると男性社員は言った。

「ソノタ、とりあえずこれで行こう。万が一が遭っても、直はない」

「ユウイチすまん」

【カエルの大比企大河くん】が高橋の手を取った。

「樋口さん来たらここ任せて買いに行くから。サイズエル?」

「恩に着るユウイチ。エム」

二十分後【カエルの大比企大河くん】は黄色いビキニタイプ競泳パンツをてに入れ装置していた。

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