3/38
3
「日向ちゃん来たら、パートナー決めて、今日は基礎だけ。昼前で終わり。帰ったら忘れずに一時からのテレビ視ろよ」
そう言うと、監督はホールから出て又言った。
「ジュジュベのオーナーが来てるんで、俺そっち行くから。帰るときは、電気とかと戸締まりよろしく」
頭の脇でヒラヒラと手を振り監督はドアを閉じた。
残されたソノタ達四人は固まった。
最初にフリーズが解けたのはキャプテンだった。
「改めて、よろしく。キャプテンの谷崎籘次です。ありがとう」
ちょっとつり目のトウジがソノタの右手を握った。
「副キャプテンの島崎克人だよ。よろしくお願いします。よく入ってくれました」
ドングリまなこのカツトはソノタの左手を握った。
「トレーニングリーダーの村崎壮だ。よろしく。ジュジュベの紹介ね。で?」
犬顔のソウはソノタの両肩を、伸ばした両手で掴んだ。
「太宰其太です」
「それ、聞いたし、ウェブ検索して調べたし」
「のってない事を聞きたいんだよね」
「そ、どういういきさつで、紹介されたかが知りたい」
トウジ、カツト、ソウの連繋質問。
「ソウちゃん達、何してんの?」
突然、四人に声がかかった。
ソノタが無理やり頭だけ振り替えると、クーラーボックスとトートバッグを持った赤いジャージ姿の女性が立っていた。
「新人のソノタとコミュニケーション」
にっこり笑ってソウが答えた。