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「はぁい、集合っ」
小さめのホールの端で、赤いジャージ姿の男が、パンパンパンっと手を打ちながら声を張り上げた。
同じジャージ姿の青年が三人、囲むように、その前にならんだ。
「おはようございます。今日は練習前に紹介したい人がいます」
そう言うと男は後ろを向いて、開けっ放しの入り口の向こうに、目配せをした。
その入り口からグレーのスエット姿の青年が駈け寄り、男の隣に立った。
「当クラブの支援企業であります、ジュジュベ・エンタープライゼスさんからの紹介の太宰其太くんです。どうぞ」
男は隣のソノタの軽く肩を叩いた。
「えぇ、御紹介いただきました、太宰其太です。よろしくお願いします」
ソノタは頭を深く下げてから、ゆっくりと身を起こした。
「向かって右から、キャプテンの谷崎、副キャプテンの島崎、リーダーの村崎だ」
男の紹介に青年達は、順番に頭を下げた。