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「ショックゾーンはボールを持っている者意外の全員が、テーザーを使用する事ができるエリアです」
大隈の説明にあわせて、ゴール前半円の内で両チームの選手が、黒い携帯電話ほどの大きさの箱を手に組み手攻防を演じている。
ボールを持っている赤色も黒い直方体を掲げているが、脇で審判が笛を吹きながら、腕で大きくバッテンポーズ。
「このショックゾーン以外でテーザーを使用できるのは、ボールを持っているボール保持者、からボールを奪う際です」
ボールを持っている赤色ナンバーシャツの背中に、緑色ナンバーシャツが黒い直方体を押し付ける。
「保持者以外の守備側、つまりボールを持っていない守り側に対しても、使用する事が許されています」
今度はコートのあちらこちらで赤色ナンバーシャツが黒い直方体を緑色ナンバーシャツに押し付けている。
「倒れた競技者に対して使用するのは反則になります」
ピッチにうつぶせになった緑色ナンバーシャツに赤色ナンバーシャツが黒い直方体を押し付け横で、又審判が笛を吹きながら、大きくバッテンポーズを腕でだしている。
「頭部、顔面部及び粘膜部に使用するのは控えましょう」
赤色と緑色のコンビ三組がそれぞれ赤色が緑色の後頭部、顔、股関に黒い直方体を押し付けのポーズ。
それぞれ横では三人の審判が短く笛を吹き、指で小さくバッテンを作っている。
「攻撃、あるいはゴールにシュートしようという意図を示さないでチームがボールを保持しようとすると、パッシブプレーでこれも反則です」
赤色が緑色の周りでボールのパス回しをぐるぐるしていると審判が笛を吹きながら腕で大きくバッテンポーズをしている。
「基本的に足でボールを扱うキックは反則です」
赤色がボールを蹴り飛ばすと、審判が笛を吹きながら腕で大きくバッテンポーズした。
「が、やむを得ず当たってしまった場合は、当たった側のキックか、ただのラフプレーか、当てた側のパッシブプレーか、審判の判断によります」
赤色が緑色の足にボールを投げつけた。
三人の審判が並んで、右は緑色の脇で大きく腕でバッテンポーズ、中央は腕を組んで首をひねる、左は赤色の脇で大きくバッテンポーズと三者三様のポーズ。
「反則の場合は基本的にゴールから七メートルのペナルティーマークポイントからの直接フリースロー。軽微な場合はそのポイントからのスローオフ。悪質な場合は退場になります」
赤色がその場で別の赤色にボールを渡した。
緑色は交代ゾーンからコートにお辞儀して出て行く。
「ボールがラインを割ったらそのラインポイントから逆チームのスローインですが、相手競技者は五メートル以上離れなければなりません。ここで四秒ルールが適応されますので気をつけましょう」
赤色がラインからボールをコート中に投げる。
緑色は五メートルの半円周上にたっている。
「一ピリオド七分間の、インターバル各四分間二回を挟んだ、三ピリオド制です。一ゲーム約三十分ですね。ただし時計が進むライブと止まっているデッドがあります。試合開始のセンターマークからのスローオフの時、と得点後のショックゾーンからのゴールクリアランス時に、審判が競技者にボールを渡した時からが、ライブになります。どちらの時も四秒ルールがありますので審判からボールを渡されたら速やかにスローしましょう」
センターマークで赤色がボールを審判から受け取り別の赤色にパスをした。
「デッドになるのはゴールが決まった後や反則等で審判が停止の笛を鳴らしたあとです」
倒れている緑色に赤色が黒い直方体を押し付けと審判が笛を吹いた。
「基本的にゴールにボールを入れたら得点になります」
緑色が守りのところに赤色がボールを投げる動作をし喜ぶポーズ。
「自分のチームのゴール入れたらオウンゴールで相手チームの得点になります」
次に、緑色が守りのところに赤色が実際にボールを投げると、緑色が押し込む様に動き、ボールがゴールに入り、緑色が膝をついて残念さをアピール。
「ところで大隈監督、テーザーとはなんでしょうか」
ソノタがまたたずねた。